大阪

岸政彦, 柴崎友香 / 河出書房新社
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 4.6
6
1
1
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • miyuki

    miyuki

    若き日に大阪に移り住んだ岸政彦と、大阪で生まれ育ち今は東京に住む柴崎友香のエッセイ集。
    「文藝」誌上で交代に綴っていった「大阪」に関するエッセイである。「大阪」というイメージは大阪以外の人にとって、特に関東圏の人にとって、現在はある固定観念が植え付けられているのではないか。
    このエッセイ集ではごく普通の庶民の大阪を描いている。岸氏、柴崎氏両氏が経験したこと、それを通して感じたことを淡々と描いている。大阪生まれではないが、ほとんど大阪出身と言っていい私自身が「これぞ大阪」と感じた日常の風景である。
    続きを読む

    投稿日:2021.04.21

  • Verfassungslehre

    Verfassungslehre

    大阪・大正区に生まれ、市岡高校から大阪府立大に進んだバリバリの大阪っ子なのにいまは東京に住む柴崎友香氏、名古屋から関西大学を卒業したあと大阪に住み着いた岸政彦氏。この二人が語る大阪、ただし、それは古き良き日の大阪であって、いまの大阪ではない。
    二十年ほど歳が離れているのと、同じ大阪市内でも住んだ地域が違うので、この本で描かれている大阪は、わたしの記憶とは少し異なるところがある。それでも二人の描く世界は、まだ東京とはまた異なる文化を持っていた大阪を感じさせるものがあって、それも楽しく読める。
    同窓会に行って大阪弁を喋っているつもりでも、「ちょっと違う」と言われてしまう。そうだろうなぁ、18で大阪を離れて、もう50年以上経ってしまった。子供の頃、ローラースケートをして遊んでいた心斎橋筋商店街の大丸・そごう前、そごうの再築は行ったことがあるが、大丸は解体されたところしか見ていない。「都構想」とか騒げば騒ぐほど、大阪の没落はなおさらひどくなっている。
    柴崎さん。岸さんがともに懐かしむ小さな商店は、なまじ出来のいい子は東京の学校に行き、そのまま帰ってこない。親も先行きが明るくない家業を継がせはしない。東京以外の「その他」は、柴崎さんも書いているように、そして彼女自身もそうであるように、生まれた地・大阪を捨てるしかない。若くてお金があれば、とにかく楽しい東京に向かう、年老いてお金がない者には非常な街であることもわからず。
    しかし、この本、「文藝」の連載をまとめたものらしいが、大阪に縁もゆかりもない読者は楽しめるのだろうか?
    続きを読む

    投稿日:2021.04.12

  • katsukun

    katsukun

    ほんと、大阪ってこんなとこ。沈黙が大の苦手で、喋り続けるためのテクを競う世界。しょーもないなぁ(笑)

    投稿日:2021.04.02

  • afro108

    afro108

     岸政彦と柴崎友香による大阪にまつわるエッセイの共著。このメンツで大阪のエッセイだなんて期待しかない訳だけど「リアル」な大阪がそこには立ち上がっていて興味深く読んだ。テレビを筆頭にステレオタイプな大阪像の形成と強化は日々加速しており十把一絡げで語られることが多い。やれ話がオモシロいだの、ガサツなところがあるだの。そういったステレオタイプの被膜で覆い隠されている部分を2人が剥いで生身の大阪がボロンと出ていた。それは明確なゴールがないエッセイゆえの魅力だと思う。このもやっと感、まとまりの無さこそが、1人1人の持つ土地の記憶やその思いをダイレクトに表現している証左だろう。
     岸さんは他で育ち大阪へやってきた人、柴崎さんは大阪で育ち他へ移動した人。大人の視点の大阪、子供の視点の大阪が網羅されていて大阪で育った身からするとめちゃくちゃ刺激が強い。彼らは個人的な思い出を語っているだけなんだけど、それは確実に呼び水となり自分の記憶の蓋がばっかん、ばっかん開いてしまう。もう東京に来て8年になり帰る頻度も低くなった今、大阪のどこを歩いていても自分がストレンジャーのように思える一方で角を曲がったところで誰かにばったり会うかもしれない。このアンビバレントな感情はこの先どうなっていくのか見当もつかない。けれど大阪はずっとそこにあって、いつまでもこちらを見ているし、こちらも大阪をいつまでも見ている。
    続きを読む

    投稿日:2021.03.30

  • すぎぽん

    すぎぽん

    本屋さんで見て反射的に手に取ったけど、あまり感傷的な読書をしたくない気分のときだったので棚に戻したのに、その次の日くらいにナオさんが(この本を入手して)「よっしゃー!」とツイートしてはったのでたまらず買いに走りました。

    想像していた通り、私より少しだけお兄さん、お姉さんの二人の著書が思い出を辿る記述が多いので感傷的読書に傾きつつも、商店街の「都市再開発法」を巡るエピソードは調査記録みたいに読めて、一冊がころころ色を変えるみたいな賑やかさで飽きませんでした。

    心斎橋の大丸はヴォーリズでそごうは村野藤吾とか、アメリカ村だとかカンテだとか、地震とか氷河期とか、歳が近いだけに共有できるものが山盛りです。自分にとって、思い出して楽しいことか、つらいことか、乗り越えられているかどうか、確認するような気分にもなりました。

    とは言え私にとっては15歳まで住んだ大阪(て言っても私は堺やけど)を、中でも12歳から6年間通学した桃谷をこんな風に書いてあることが嬉しくて、「そうそう」と楽しく読みました。

    実は両著者のご本は気になるたびに買って何冊も積読になってしまっているのですが、これを機に読んでいけそうです。
    続きを読む

    投稿日:2021.03.20

  • ゆりこ

    ゆりこ

    読み返したくなる本。

    岸政彦さんの文章のファンで
    手に取った本。
    柴崎さんのことは恥ずかしながら初めて知り、
    なんやあ岸さんの文章、この本の半分か、、(ちょっと落胆)
    ふうん柴崎さん同い年か、、?!
    と読み始めた。

    名古屋に生まれ大学は関西、
    首都圏ですごしたのち、
    名古屋に戻ってきた私と
    名古屋を捨てて大阪で生活する岸先生。

    同じ年に生まれたという素敵な偶然によって
    まるでパラレルワールドみたいに感じる
    柴崎さんの歩み。
    シンクロしそうでしない、でもシンクロしている。
    不思議な読書体験でした。

    柴崎さんという作家さんと出会えて嬉しいな。
    もちろん、岸先生のこともますます好きに。
    続きを読む

    投稿日:2021.03.18

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

本棚の開き方(スマートフォン表示の場合)

画面左上にある「三」ボタンをクリック

サイドメニューが開いたら「(本棚アイコンの絵)」ボタンをクリック

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。