【感想】すごい物理学入門

カルロ・ロヴェッリ, 竹内薫, 関口英子 / 河出文庫
(25件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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ブクログレビュー

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  • pctr

    pctr

    世界の見方。科学が明らかにしたこと、まだ明らかになっていないこと。
    理解し切れたわけではない。少し垣間見る、直観と異なる世界、新しい視点。

    ・ニュートンは、自らの導き出した結果の限界に自覚的だった。

    ・ファラデーは、懐疑と熟慮の末に、力線は実在すると結論づける。しかし彼はその結論を、「ためらい」とともに提示する。というのも、ファラデーの考えによれば、「科学の根幹にかかわる問題に相対するとき」、わたしたちはつねに「ためらい」を抱くべきだから。

    ・色とは、光を形づくる電磁気の波の振動数(振動する速度)である。
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    投稿日:2023.09.21

  • 鳩摩羅什

    鳩摩羅什

    難解な物理学がこの薄い本で理解できるわけがなく、雰囲気を伝えるだけの「物理エッセイ」である。そう思いながら読み進めていたら、「訳者あとがき」に「詩的に語ってみせ」とあった。本書は2015年のイタリアでベストセラーになった『七つの短い物理の授業』の翻訳で、単行本『世の中ががらりと変わって見える物理の本』を改題して文庫化したもの。イタリアでは本書がベストセラーになるくらい物理への関心が高いと言うべきか、物理学的なリテラシーがそれほどしかないと言うべきか。
    『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(森達也著)を読んだときにも思ったが、人間が人間自身を理解するのは難しい。ゆえに、最終章の人間に対する論考は抽象度が高すぎて理解できないが、気にしない。物理学の輪郭をつかむための足がかりとしよう。
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    投稿日:2023.08.08

  • 朔月太郎

    朔月太郎

    方程式を理解すれば、物理学の美しい世界とやらが見られるのね。そうですかそうですか、という話ではない。物理学はちょっと…と苦手意識たっぷりでも突き放されることなくわかりやすく面白いエピソードにどんどんページをめくってしまう。その面白いと思う好奇心についても、物理学として最終章で語られている。宇宙の話は言わずがな面白い、時間と熱の関係など日常で考えたことなどなかったけれど、これからは頭の片隅で意識してしまうであろう。最初に触れる物理学の入口がこうだったら、もっと早くに違う世界が見えていたんだろうな。これを期に少しず物理学に触れていこうと思う。続きを読む

    投稿日:2023.06.30

  • y-mitsu

    y-mitsu

    相対性理論や量子力学などが描く世界は、私達が日常ありありと感じている世界とは途方もなくかけ離れている!それが高校時代に理科・数学に挫折した文系人間の私が得た本書の感想。
    一般相対性理論の視点では、空間は不動の入れ物ではなく、動いている巨大な軟体動物の中に私たちは蹲っているようなもので、それが縮んだり曲がったりしているそうである。一方、量子力学的な視点では、あらゆる場は、細かな粒子状の構造になっており、物理的空間も量子でできているという。そして近年ではこの一般相対性理論と量子力学を統合しようとする試みとしてループ量子重力理論が提唱されているという。この理論によると、もはや空間の量子というものは存在せず、「時間」という概念まで消えてしまうと考えられるという。
    そのような奇妙な世界に生きている我々も、この物理的世界の構成物であるという。物理の世界は敷居が高いと感じる人にも、その世界へやさしく誘ってくれる素晴らしい本と感じる。
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    投稿日:2023.04.15

  • 全ての本

    全ての本

    現代物理の二本柱と言われる、一般相対性理論と量子力学についてが主。すごい物理学講義をいきなり読むのは難しそうだったのでこちらから読んでみた。
    一つ一つも短いし読みやすいのでとっかかりとしては良いけど、さすがに内容は少なめ。
    現代でもアインシュタイン時代からあまり進んでいなくて止まっているらしい。自分が生きているうちに解明できないのか、と悲しくもあり、その壮大さに感動もあり。
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    投稿日:2023.03.12

  • Kazu

    Kazu

    【物理を知りたいと思っているあなたに贈る、最も軽やかで最も素敵で、あっというまに理解できる感動的な究極の名著。】
    という触れ込みであるし、文庫で実質120ページと軽めの本なので読んでみることにした。

    以前に読んだロヴェッリ氏の「時間は存在しない」は「ループ量子重力理論」という概念を説明する本だったが、本書もそうだった。
    ( [すごい物理学] とは [ループ量子重力理論] のことだったのかと納得 )

    最初に「一般相対性理論」と「量子力学」の概要を説明しているのは「ループ量子重力理論」への前振りでした。
    「超ひも理論」に関する書籍は多数あるが、「ループ量子重力理論」の本は少ないので多くの人に知って貰うための入門書としてはいいのではないでしょうか。

    本書が易しいと感じるのは、概念だけ述べて理論の説明をしていないから。
    アインシュタインの「一般相対性理論」についても、"空間も時間もゆがんでいる"程度のことしか言っていない。

    説明は軽やかですが理解はできません。例えば以下のような説明。
    「ループ量子重力理論によって記述される世界は、入れ物となる空間もなければ、事象が起こる時間軸も存在しません。
    存在するのは、空間の量子と物質とのあいだの絶え間ない相互作用による基本的な反応だけです。」
    空間も時間もない、と言った次の行で空間と時間が出てきている?何を言っているのか分かりません。

    「ループ量子重力理論」についても、"空間も時間も存在しない特異点がある"という考えだと言っているだけ。
    つまり、宇宙の始まりというとビックバンが出てきますが、ビックバンは「反跳」を起こす特異点だという理論の啓蒙書なんですね。

    とりあえず読んでみて、触れ込みにある「あっという間に理解できる」人とは「(本気で)物理を知りたいと思っている」限られた人だと思う。
    理科に興味がない人には変な教えの宗教か哲学の本を読まされているようで、読み通すことも苦痛かもしれません。
    物理に限らず、「○○をあっというまに理解できる」本などありません。

    物理の世界を感じたいなら「世界でいちばん素敵な物理の教室」とか子供向けの本がいいでしょう。
    この本が面白いと感じて、もう少し知りたいと思った人には多田将さんの「すごい宇宙講義」もお勧めです。
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    投稿日:2023.01.22

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