【感想】初めて彼を買った日

石田衣良 / 講談社文庫
(16件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
3
4
6
2
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ブクログレビュー

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  • スッパイマン

    スッパイマン

    「何か用事がないとデートもできないの」
    ー七回目のデート

    男が抱くだけでなく、女も男を抱くのだ。それだけのことに新鮮な驚きがある。
    ーノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

    英彰は美伊南とセックスをしていた。現在まで続いてきた生命の鎖の一番最後のひとつの輪に連なった気がした。美伊南と一緒にリズムを合わせて動きながら、考えてみる。命のチェーンの輪っかのひとつ。ちいさなループ。しわくちゃにねじれた二重螺旋。一本の管をとおるたくさんの虫。
    ただの棒のような存在として前後に動き、それ以外のなにごとも考えなくていい。その不自由さが英彰という男を、生まれて初めて解放してくれた。
    ーノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
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    投稿日:2024.03.05

  • ますたぁ

    ますたぁ

    石田衣良の若干の変態性が入った官能短編小説集
    石田衣良の描写するセックスは相変わらずな感じ

    収録は8編
    ・七回目のデート
    ・ひとつになるまでの時間
    ・遠花火
    ・ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
    ・チェリー
    ・黒髪クラブ
    ・初めて彼を買った日
    ・あの静かで特別な夏


    個人的な好みとしては
    ・叔母と甥
    ・ノッキンオンヘブンズドア
    ・チェリー
    ・初めて彼を買った日
    ・あの静かで特別な夏
    あたりでしょうか

    甥っ子を長年に渡って惑わす叔母
    恐ろしや……


    経験の少ない男や初めての男にとって、相手の女性がどんなかはけっこう大事な気がする


    「初めて彼を買った日」は「娼年」シリーズのプレストーリーなので、合わせて読むとよい

    リョウの語るセックスの点数についての内容が興味深い
    どんな男でもできるのは50%
    上手いと下手の違いも40点と50点のたった10点の差
    残りの50点は女性の方
    相性が良いというのもあやふやで急に良くなったりもする

    後のインタビューでも石田衣良が語っているけど、同じパートナーでも歳を取ってからよくなる事もあるという主張も作品に込められているのでしょうね
    じっくり向き合うというのが、石田衣良の他の官能小説っぽい作品でも語られている気がする



    最後の「あの静かで特別な夏」はコロナ後の物語
    これが出版されたのは2020年なので、正にコロナ禍真っ只中のときですね
    他の作家さんもそうだけど、コロナ禍を作品に反映させてる人は結構いるなぁ
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    投稿日:2023.07.31

  • あどん

    あどん

    “性の理想と現実と+α”

    「セックス」。この言葉に、あなたはどんなイメージがあるでしょう。快感、恐怖、理想、羨望、見栄、羞恥、、、。世の中には童貞の男がいて、忘れられない相手を持つ人がいて、特殊な癖を持った人がいて、欲望を満たしたことがない人がいて、、、。そんな人たちを集めた短編集。セックスにまつわる八つの物語。


    ここだから綴れるけど、
    共感することがいっぱいあった。

    セックスに対する恐怖感に近い気持ち。
    経験が少ない人が思うこと。
    逆に経験が豊富でもさらに高みがあること。

    私は、俊介の恐怖心に共感し、
    和也のシチュエーションに憧れ、
    瑞穂の行為をゴールにして進みたいと思った。

    経験が少ない人、距離がある人に読んでほしい。
    きっと何かプラスに変わることがある。

    最初から最後まで、親近感がわくというか、
    身近に感じることが多かった。
    その中にも夢物語があって楽しかった。

    寝る前に読むには、刺激が強すぎたみたいだ。。

    『恋には始まりも終わりも、ひとつとして同じパターンはないし、パソコンのように再起動もできない』
    『わたしを、よろしくね』
    『大人になるって淋しいことだね』
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    投稿日:2023.02.23

  • よつば

    よつば

    「七回目のデート」「ひとつになるまでの時間」「遠花火」「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」
    「チェリー」「黒髪クラブ」「初めて彼を買った日」「あの静かで特別な夏」
    性愛をテーマに描いた8話収録の短編集。

    エロティックで刺激的な描写にドキドキしてしまう。
    それでも下品さは皆無で、むしろ欲望に対しての真摯さが伝わって来て清々しい程。

    性を描きながらも、それが生への執着、生きている証の確認作業のようにも感じる。

    性の趣味、嗜好は人それぞれ。
    登場人物達のその場面を覗き見している様な後ろめたさを感じながら、美しいエロスに浸った。
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    投稿日:2023.02.16

  • ku-min19584

    ku-min19584

    とても刺激的な8つの短編集

    初めの3つのお話の性描写が濃厚すぎて、ちょっと恥ずかしくなりました。

    後半のお話ほど、石田衣良さん特有のキレイなみ
    文章が際立ち、落ち着いて読めました(笑)

    どうやら、初めの方の話は2010年前後に書かれたもので、後半は最近書かれたもののようです。
    最後の作品は、コロナ後のお話でした。

    どんな性癖も、どんな関係も、有り得るよねというような、メッセージを感じました。
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    投稿日:2021.08.05

  • えり

    えり

    読み終わった。再読後。

    近代を生きている人達が、どうやって
    人生を紡いでいるのか、少しわかった。

    目の前だけで紡いでいる人もいれば、
    相手との距離感で計っている人。
    流れに身を任せている人。
    休んでいる合間に大切なものをみつけで先に繋げる人。

    いろいろあるなぁと。。。

    また再読。
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    投稿日:2021.07.18

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