【感想】生還者(サバイバー)たちの声を聴いて:テレジン、アウシュヴィッツを伝えた30年

野村路子 / 第三文明社
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • るる

    るる

    テレジン、アウシュビッツについての本。
    第二次世界大戦中、ナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺。「アンネの日記」の著者、アンネ・フランクもその被害者のひとりとして知られています。

    読むだけでも胸が苦しくなるのに、被害者の方はどれだけ辛い思いをしてきたのだろうか…。
    「知る勇気 伝える努力」それはとても大事な事なのだな、と感じました。
    二度と繰り返してはいけない、忘れてはいけない…。
    著者の勇気、努力を本当に尊敬します。
    テレジン、アウシュビッツについての本をもっと読み、自分なりに出来ることを探していきたいです。
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    投稿日:2024.03.11

  • Tomomy

    Tomomy

    テレジン収容所の子どもたちの絵に恋をした筆者の30年の記録。
    子どもたちの絵を日本中に知ってもらおうと活動し続けている筆者が、テレジン生還者への取材を中心に、その他リディツェ村やナチス高官の家族、レーベンスボルンについても触れながら、その「声」を届けてくれる。

    生き残った人たちの「声」。
    生き残った人たちが自分たちの義務として伝え続けようとしている死んだ仲間たちの「声」。
    多くの人たちを死に追いやった側の家族の「声」。
    そして、彼らの声を聞いた現代の私たちの「声」。

    時間で言えばたった数年。
    いまご存命の方々は、その時期よりも長い時間を過ごしているはずなのに、そのたった数年が、残りの何十年を縛り続けている。
    そしてそれが、戦後に生まれ実際にあの壮絶な経験をしたわけではない人たちさえ苦しめている。
    彼らにとって「戦後」とはいったいいつを指すのか。
    彼らのなかで「解放」された人はいったいどれだけいるのか。
    そんなことを考えさせてくれる一冊。
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    投稿日:2022.06.15

  • 探耽(たんたん)

    探耽(たんたん)

    第二次世界大戦中のテレジン収容所で描かれた死にゆく子供たちによる絵と出合った著者の、30年にわたる活動記録と見聞録となる一冊。
    他著作『テレジンの小さな画家たち―ナチスの収容所で子どもたちは4000枚の絵をのこした』、『フリードル先生とテレジンの子どもたち―ナチスの収容所にのこされた4000枚の絵』を読了した際の衝撃と感動の入り混じった複雑な感情を本書でも体験しました。
    テレジンの生還者ディタは様々な媒体で取り上げられる有名人ですが、もしかしたら著者以上に親密なやり取りが続く取材者はいないのではないでしょうか。
    個人的で強固な信頼関係があってこその情報量の多い記録となっているように思えます。
    今回は生還したチェコ出身の画家イェフダへの取材や、全員殺戮され消滅した村リディツェの調査も含まれます。
    取材に協力的なイェフダの章は印象的でした…。

    「ドイツ軍は、次々と布告を出しました。鉄兜に軍服のドイツ兵が、サイドカーでやって来るんですよ。はじめは、かっこいい!と思った姿でしたが、もう、そのころには、彼らが来ることは恐ろしい知らせなのだと分かりました。街の真ん中の広場に立って、大きな声で布告を読み上げるのです」
     ユダヤ人は、電車やバスに乗ってはいけない。
     ユダヤ人は、ラジオや自転車を持っていてはいけない。
     ユダヤ人は、ユダヤ人が経営する店以外で買い物をしてはいけない。
     ユダヤ人は、公園に入ってベンチに座ってはいけない。
     ユダヤ人は、プールやサッカー場に入ってはいけない。
     ユダヤ人は、劇場や映画館に入ってはいけない。
     ユダヤ人は、学校へ行ってはいけない。
     ユダヤ人は、………

    イェフダの子供時代は、“してはいけない”ことばかりだったのです。
    理不尽ですよね。
    信じられない、許されないことが当然のように行われていた歴史を知ることができ、我々が当然のように享受している自由や権利について改めることができる良書です。
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    投稿日:2021.02.19

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