【感想】手の倫理

伊藤亜紗 / 講談社選書メチエ
(48件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
17
12
9
1
0
  • 体感するスポーツの翻訳?

    ダリアン・リーダーが手を、時に自他の境界を超え、身体に回帰しようとするままならぬ対象と捉えていたのとは対象的に、著者は距離をマイナスに縮め、不埒で道徳をゆさぶる対象と捉える。
    読んでてまったく面白くなかった。
    特に自分にまつわるエピソードがとことんつまらない。
    前作の『記憶する体』が良かったのは、インタビュー相手の障害者の人たちが語る身体感覚の独特の表現や、折り合いの付け方に惹かれたからで、著者の分析はほとんど読み飛ばしていたことに気づいた。
    中でいろいなスポーツも語られるが、その紹介の仕方も嫌悪感を覚えた。
    続きを読む

    投稿日:2021.03.24

ブクログレビュー

"powered by"

  • shinshu

    shinshu

    ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC03001391

    投稿日:2024.03.01

  • 土木D&I2.0

    土木D&I2.0

    ・東京オリパラを機に急に市民権を獲得した「多様性」について、これを重視し過ぎると、「我関せず」「不干渉」がとなってしまう、と警鐘を鳴らす著者は、だからこそ「さわる=一方的な行為」「ふれる=相互作用の行為」という、「介入する行為」が必要と、主張します。読んだ時、「これは今年の1冊」と思ったけど、誰かに説明するのが難しい…ので、もう一度、読みます。(菊)続きを読む

    投稿日:2023.11.15

  • モトユ

    モトユ

    倫理と道徳を区別して、倫理とは一般の存在しない、個人が線引きを行うことで作られる、ある種の創造性を含んだものであることが提示される。「多様性」のような、ビッグワードやスローガン的なものに吸収されていく、あわいのある存在を見落とさないようにしたいと考えようになったのは、本書の指摘が大きかったかもと思う。
    具体的な状況と普遍的な価値のあいだを行き来することで、倫理的な行為を深化させることや、他者性についても言及があり、一章だけでもパンチライン多数。ってかまえがきの時点でめっちゃおもしろい。

    ふれるという行為の相互性、また介入性が、いかにさわるという一方向的なものと異なるか。
    伊藤さんは利他という概念について話すときも、常に自己へと向かう矢印に他者を経由させるようなイメージを展開している気がする。

    信頼と安心の違いについて、安心というものは保険をかけるような一方向性の願望であり、信頼とは一方向の願望の中にも、相手がそれを裏切ったとしてもよしとする、双方向的な考えがあることを指摘している。これも自分にとって人間関係の大きな指針になる考えだった。
    100%の安心はありえず、それを求めるがために複雑化するシステムの無限後退を、信頼というものがどこかで堰き止めてくれる。仕事しててもめちゃくちゃ感じる。

    例として挙げられる注文を間違えるレストランや、ブラインドランの話などもとても興味深い。

    ユマニチュードという革命を読みながら、改めて手に取った一冊
    続きを読む

    投稿日:2023.09.08

  • めい

    めい

    特に触覚に興味があったとあるタイミングで、後半を読み終えた。
    不道徳な触覚が持つ倫理性。私はどのようにして社会的成熟度を操ることができるだろう。

    投稿日:2023.08.22

  • mahalonorinori

    mahalonorinori

    さわるとふれるの違いは奥が深い。
    多様性のところの
    多様性を象徴する言葉としてよく引き合いに出される「みんなちがって、みんないい」という金子みすゞの詩は一歩間違えば「みんなやり方が違うのだから、それぞれの領分を守って、お互い干渉しないようにしよう」というメッセージになりかねません。
    つまり、多様性と不干渉は表裏一体であり、そこから分断まではほんの一歩なのです。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.09

  • noi

    noi

    道徳の倫理の違いについて初めて考えたし本書を通して理解できた、パンチラインは沢山あったけど1番最後の章「不埒な手」でそれまで論じてきたことの根本をもう一度問い直そうとしているのが構造として面白かった、伴走ランナーや身体で感じるスポーツ観戦を実際に体験(体感?)してみたい続きを読む

    投稿日:2023.02.18

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。