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倉沢愛子 / 中公新書 (5件のレビュー)
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osawat
このレビューはネタバレを含みます
1965年のインドネシア共産党員の虐殺で50万人とも200万人とも言われる命が失われた。1970年代末のカンボジアのポルポトの虐殺にも匹敵する。当時、西側は共産党の一掃の望ましかったため沈黙を守った。
投稿日:2022.03.19
ym0263
これまで知らなかった事件。 残虐さと犠牲者の数に比してあまりにも知られていないという事実に戦慄する。
投稿日:2020.10.23
中央公論新社
1960年代、インドネシアで起きたクーデターと大虐殺。戦後史に残る謎多き事件の真相に、長年の調査と最新資料から迫る。
投稿日:2020.09.08
korisu3964
久しぶりに夢中で読んだインドネシアに関する中公新書の新刊です。 1965年9月30日、当時のスカルノ大統領の親衛隊が7人の陸軍将軍を殺害。彼らは革命評議会と名乗り、「国軍が大統領転覆をはかっており、…それを防ぐための行動である」と声明を出しました。しかし、スハルト少将(当時)率いる国軍が革命評議会を粉砕。国軍は、この殺害をインドネシア共産党(PKI)が引き起こしたものとして、PKIに対して猛攻撃を行いました。後に九・三〇と呼ばれるこの事件をきっかけにスカルノはだんだんと権力を剥奪され、1968年の三・一一の政変でスハルトが第2代大統領に就任します。 その間、逮捕や虐殺によって、少なくとも50万人、一説によると200万人以上のPKI関係者が命を落としたと言われています。 奇妙なのは、カンボジアで起きたポル・ポトの大虐殺に匹敵する深刻な人権問題にもかかわらず、世界は抗議の声をほとんど上げなかったことです。また、事件も風化していて、インドネシアの歴史教科書にもこの大虐殺については触れられていません。したがい、本書の出版は意義のあるものと思います。 本書がこの大虐殺について論じるのは、以下の点です。 ①なぜ、これほどの大虐殺になったのか? ②大虐殺に対して世界はどんな反応を示したのか? ③大虐殺はどのように進められたのか? ④大虐殺から逃れた元PKI党員はどのように生きてきたのか? ⑤学校教育において大虐殺はどのように教えられているのか?(この部分は半ページだけ) これらの点が、インタビュー、現地調査、膨大な資料を使い、平易な文章で論じられています。 著者の倉沢愛子さんはインドネシア社会史を専門とする研究者で、多くの被害者と同世代。「この歴史を正確に記述し、日本の若い世代に伝えたいという個人的な思い入れ」により、「この本が完成した」とあとがきで述べられています。その思い入れは本書で十分感じることができました。 私自身、インドネシアに2000年から19年いました。98年のジャカルタ暴動の話、また私自身が体験した2012年のインドネシア金属自動車労連の工場侵入を伴う大規模デモを通じて、インドネシア人の集団ヒステリーについては恐怖を覚えました。本書はこういったヒステリック状態を「アモック」(インドネシア語)と説明しています。すなわち普段おとなしい人が、何かの拍子にずっとこらえてきた怒りが制御不能になり、急にヒステリックな興奮状態になるという現象です。この現象はマレー系の人々によく見られるとのことです。大虐殺はひとつの村落で、非共産党員が隣人の共産党員を殺害するということが頻繁に起きました。こんなことが、政治イデオロギーの違いや「アモック」だけで起きるものなのでしょうか?やはり、未来のためにも、インドネシア大虐殺はもっと研究されるべきテーマと思います。 本書は、あまり知られていないインドネシア大虐殺をコンパクトにまとめた力作です。インドネシアに興味のある方、関係のある方には是非読んで頂きたいと思います。続きを読む
投稿日:2020.08.21
近藤克彦
1965年から1996年の間にインドネシアで起こった政変 そして大虐殺がどの様なものだったかよくわかった
投稿日:2020.07.26
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