積読こそが完全な読書術である

永田希 / イースト・プレス
(21件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • bukutaku0502

    bukutaku0502

    積読せずに読了してしまった。
    ・情報の濁流(マクロな積読空間)から、自分だけのビオトープ(ミクロな積読空間)を作り出す。
    ・まずは本を手元に投資として集め、積む。手当たり次第に読まずに集め、まずはビオトープを作る。
    ・ショーペンハウアー:自分で考えることが大事。他人の書いたものを乱読して、何かを語るな。むやみな多読は不要。まずは自分の頭で考えて、考えるのに疲れたら読書をすればいい。
    ・バイヤール:完全な読書は不可能と言っている。重要な書物を見極めて、「書物と書物の関係」を把握することが大事。ただ、どのように重要な無数の濁流から、重要な書物を見つけ出すかは書いていない。
    ・アドラー:基本的な読書について語っている。初級読書(最初から読む)、点検読書(つまみ読み)、分析読書(精読)、シントピカル読書(複数の似たトピックの本を読む)
    ・ジャン・リュック・ナンシー:本は、閉じと開かれの間にあるもの。
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    投稿日:2021.08.16

  • 屁鉾

    屁鉾

    無職になって読書が捗る。哲学の劇場で読書について語られていて、それから読書のハードルが下がり、今月はよく本が読めている。この本も読書についての本で、今月になって読んでいる本とリンクスする点も多く、興味深く読めた。アドラーの点検読書というのは、ポストトゥルースの時代には一番嫌われるものだと思うけど、そこを恐れず読んだ(しかし未読)の本について語る勇気を持ちたい。続きを読む

    投稿日:2021.06.08

  • コナン.O.

    コナン.O.

    永田希(1979年~)氏は、米国コネチカット州生まれの書評家。書評サイト「Book News」を運営し、「週刊金曜日」、「週刊読書人」、「図書新聞」、「HONZ」等でも執筆している。
    本書は、著者がかつて「時間銀行書店」を名乗って刊行した『サイコパスの読書術-暗闇で本を読む方法』を下敷きに全面的に改稿され、2020年に出版された。
    私は元来、不必要に断定的だったり、奇をてらった書名の本(「~しなさい」、「なぜ~なのか」等々)は敬遠する方で、本書も書名自体は好まなかったが、書店でめくってみると、多数の著名な読書術の本を引用しており、面白そうで購入した。
    このチャレンジングな書名について、著者は「おわりに」で次のように語っている。「人間が読んでいない状態=「積読」の状態のままで、書物は言うまでもなく完結しています。人間の読書は不可避的に不完全なものですが、積読の状態は唯一、完全性を認められる状態です。本書の書名はこの逆説に基づいています。したがって、わたしは「人間が積読をすること」が「完全な読書」をする方法であると主張したいわけではありません。人間は完全な読書を成し遂げることはできません、読書は、単に積読の一部でしかありません。人間の不完全な読書は、それ自体で完全である積読の一部で、局所的に、かりそめに展開されるだけなのです。」
    著者はまず、現代という時代は、本に限らない、動画コンテンツ、音楽、ゲーム、演劇などの様々な情報が日々大量に供給され、それを体験したり消費したりできないままに時間だけが過ぎていく「情報の濁流」の状況(「情報が積まれる(=積読)」の状況)にあるという。そして、その情報の濁流に飲み込まれないためには、無秩序に増大していく他律的な積読環境から、ある程度の独立性を持った自前の積読環境(それを「ビオトープ的積読環境」と呼んでいる)を自律的に構築する必要があると説く。
    次に、なぜ「読書」が「積読」の一部なのかについて、ピエール・バイヤールのベストセラー『読んでいない本について堂々と語る方法』をメインに、M・J・アドラーの『本を読む本』、ショーペンハウアーの『読書について』、加藤周一の『読書術』、山口周、若松英輔、小林秀雄、橘玲、斎藤孝、鎌田浩毅、小飼弾などを引用しつつ、持論を展開している。(私はそれぞれの原本のいくつかも読んでいるが、この章では、原本から著者の意図に合う部分が取られているようにも見え、それぞれの原本は別途読んだ方がいいかも知れない)
    また、後半では、積読の概念が少々拡散していく印象があるのだが、これは著者の好奇心・関心の広さ故か。
    本書で奨める実践術をシンプルにまとめると、読書において最も重要なのは、世の中にある本を手当たり次第に読むことではなく、自分なりのテーマや基準で選択し、常に中身(関係性含め)を確認しつつ入れ替えなどのメンテナンスも行う蔵書(=ビオトープ的積読環境)を持つことであり、本を読むという行為はその延長線上にあるべきということなのだろう。
    (2021年2月了)
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    投稿日:2021.02.12

  • masamzo

    masamzo

    自分だけのビオトープ。積読に対する引け目は解消されるが、この本そのものが、何か積読したくなるくらい、著者の自己中毒的な論の展開のパートもあり、気になる。積読も不完全な読書の集まりなら、やっぱり不完全なのでは?続きを読む

    投稿日:2021.01.22

  • おこめ

    おこめ

     ずっと気になってはいたけど、積読しまくっている自分がこの本を読むのは自己弁護っぽすぎないか…?と思ってチラ見するに留めていたが、ついに読んだ。

     積読を2通りに大別すると、1つは大量の本、映画、動画コンテンツ、ゲーム、メール、サブスク…など「情報の濁流」に揉まれ、インプットしたいものが次から次へとあるにも関わらずそれを消化しきれない状況。2つはそうした情報の濁流の中で独立性を保った自前の積読環境を作る「ビオトープ的積読環境」。

     本書では積読について古今東西あらゆる著者の読書術から検討を進めているが、日頃から特別に意識せずともやっていることと重複する部分も多かった。
     ほぼ毎日本屋へ行くが、それは世界では今何が流行っているのか、どういうトピックスが熱いのか等について、一番中立な情報が並んでいるメディアが本屋だと思っているからである。インターネットやSNS等ではどうしても自身の思想に与しやすい情報の方が入ってきやすいが、本屋では割とニュートラルにインプットできる。
     そこから今興味のあるテーマについての本を買うが、その時はたいてい目次や「はじめに」や「おわりに」を読んでその本の大枠は掴んでいることが多い。
     そしてその本を家に帰って一定期間積む、…ということだが、積読における私にとってのうしろめたさは買った本が読まずして死蔵されていることではなく(そういう意味では買った本の概略はもう頭の中には一度入っていて思考回路の中から取り出せる状態ではあるので、"死"蔵とは思っていない)、もっと即物的な、それは収納スペースという問題である。「本棚に入るスペースがもうないのにまた買っちゃったよ…」といううしろめたさなのだが、これは適宜本棚を見直して新陳代謝を図るしかない…。

     しかしファスト思考とスロー思考という概念を持ち出して、ファスト思考に偏らないために読書及び積読をするという話があったが、それは本を読むのが好きな私にとっては大いに賛成である。が、本を読まない人にとってファスト思考に偏らないための方法として読書以外の代替案はあるのだろうか。やっぱり読書をするって所要時間がその他メディアと比べて長いし、自分にとって有益かどうかは読んでみないと分からない(その嗅覚は読む場数によって育つし、自分に合わなくても面白い本があるという感覚も場数あってのものでは?)のにそれに何時間もかける、あるいは積読するにしてもその本に500円~数千円は払わないといけない。そう考えると読書ってエントリーコストが高いな…と思えてしまうのだが、その辺りは今後ももっと考えたい。
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    投稿日:2021.01.17

  • nonchan53

    nonchan53

    装丁が好き。積めるように、紙の本で買った。
    様々な読書術の本が紹介されていて興味深い。
    人生は有限なのに、処理しきれないあらゆる情報がどんどん積み重なっていく。
    積読を「ビオトープ」として息づかせるためには、まず自分のテーマを決める必要があるらしい。
    情報の濁流の中から、テーマに沿った本を取り上げて積む。その中から、目次や前書き、後書きを参考に、選び出し読む。面白くなければ、ほかの本を選んで読む。今まで通り、そんな読み方でいいんじゃないか、と思うようになった。
    続きを読む

    投稿日:2021.01.10

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