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伊東潤 / コルク (3件のレビュー)
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総合評価:
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マサユキ
☆☆☆2020年3月☆☆☆ 走狗。川路利良の生涯を表すのに、悲劇的だがふさわしいタイトルだと思う。幕末から明治にかけての陰謀を川路の視点から見る作品。 フィクションを交えながらも、あの時代はこんな…感じだったのかな、と思う。川路は、西郷・大久保に引き立てられて「出世したい」という野心に駆り立てられ、命がけで戦う。 P334~335を境目に、川路の性格がガラっと変わるのに驚きを隠せない。フランスで、元シークレット・オフィスの人間と会い、話すことで私心を捨て国家のために「鬼」となることを決意するようだ。 そのため、大恩人である西郷を倒すことを決意。それを大久保にけしかける。その後の川路は本当に恐ろしい。「正義」の名のもと、手段を択ばないような人間になっていく。 フィクションだろうが、伊藤博文が大久保暗殺の黒幕というのは驚きだ。確かに、伊藤博文にとって、大久保の死は好都合だったのかもしれない。 川路は最終的には時代の「走狗」だった。 「狡兎死して走狗煮らる」という故事を持ち出すまでもない。彼もまた時代の流れに翻弄されて人物の一人だった。続きを読む
投稿日:2020.03.29
中央公論新社
西郷隆盛と大久保利通に見いだされ、幕末の表舞台に躍り出た川路利良。警察組織を作り上げ、大警視まで上り詰めた男が見た維新の光と闇。〈解説〉榎木孝明
投稿日:2020.03.23
DJ Charlie
「表舞台に出た」とは言い悪いのかもしれないが、薩摩の島津家中に在って、寧ろ低い身分であった川路利良が明治初期の警察のトップとなって活動するという経過の物語で、色々な意味で興味深かった。夢中で素早く読了…に至ったのだった。 物語は<禁門の変>―政変で京都を追われ、<池田屋事件>でのダメージも受けた長州が京都へ出兵し、京都に在った諸藩の軍勢と衝突した…―の辺りから起こる。薩摩勢の中に在った川路利良は、長州勢の有力な指揮官の一人であった来島又兵衛を狙撃して斃すという勲功を挙げて注目されたのだった。 そして川路利良は揺れ動く幕末の情勢下、西郷隆盛や大久保利通の下で働き、戊辰戦争の時代を駆け抜けて行く。やがて明治政府の中で、川路利良は警察機構を整えて警察の指揮を執る仕事に携わり、大久保利通の下で歩むことになる。 現在にも受け継がれている「警察」という制度の礎を築く大変な努力というようなことの他方、かの<西南戦争>を巡る動き等は…何か凄いモノが在る… 題名の“走狗”という言葉は、作中の川路利良が自問する、望んだか、望まなかったか、彼が歩むことになった「生き方」を形容した表現ということになると思う。その辺りに関しては、何となく色々と考えさせられるものも在る… 非常に面白い幕末・明治初期を扱った物語である。広く御薦めしたい。続きを読む
投稿日:2020.03.07
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