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太田光, 中沢新一 / 扶桑社BOOKS (1件のレビュー)
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テムズの畔にて
下火になっている憲法改正論議をよそ目に日本国憲法、日本人論、天皇制について中沢新一と太田光が 議論。切り口が新鮮でとても良かった。 そもそも、安倍晋三はなぜ自衛隊を9条3項で位置付ける案に後退したの…か、これなら面白い議論にならないじゃないか、いっそのこと交戦権を肯定して自衛隊を国防軍くらいにするくらいじゃないとちゃんも議論が出来ないなんてことから始まる。 また、日本人論として、元々縄文と弥生のファジーな一体化で、天皇陛下もその間の中空にいるような存在として位置付けられ、そういう曖昧な存在で何とかやってきたのに、明治の天皇制度が西洋や中韓型によった変な制度であったことから、変なことになってしまった。 戦後は、日米ともハイテンションの中で理想論を高く掲げて作った日本国憲法は元より矛盾だらけ、それが日本人の感覚ともあっている。軍隊無しで乗り気るのなんてそもそも無理筋で、それを自衛隊という存在で政治の智慧で乗り切ったんだろうと。 一番納得したのが、中沢先生の次の発言、 「日本人、嫌なこと強制されたら適当なこと言っているうちにもとに戻しちゃいますから。だいたい、そんな立派な国軍にされちゃったら自衛隊自身がイヤでしょう。曖昧な存在であるからこそ、彼らだって家族の理解を得て自衛官をやっている訳だろうし。その点、改憲派もリベラルも良くない。「はっきりしろ、白黒つけて変えろ」でも「一字も変えるな」でもなくて、「言ってることは矛盾したしているのかも。だけど、役に立つんだからいいじゃないですか」っていうのが、一段階上に立った考え方なんじゃないでしょうか」(154頁) そのような面白い憲法を、自衛隊を書くだけという至極つまらないことで直して良いのかね。楽しくなるように議論しないとというもの。 現状回っているし、無理して理屈に合わせなくても良いと思うようになってきた。 続きを読む
投稿日:2021.03.07
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