御社のチャラ男

絲山秋子 / 講談社
(56件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
3
19
24
1
1

ブクログレビュー

"powered by"

  • tamazusa_do

    tamazusa_do

    このレビューはネタバレを含みます

    初読みの作家さんだったけれど、とても気に入った。
    チャラいタイトルだが、おふざけ小説ではなかった。

    江戸時代からの油屋を前身とした「ジョルジュ食品」の社員たち及びその関係者が、自分とその巡り、会社を語る。
    当然、語る人が変わるごとに視点が変わるわけだが、私はつい、語り手に感情移入し、同じ視点で見てしまう。
    次の章になって、別の人の視点に変わると、「えええっ、こんな風に見られていたの?!」と、ショックを受けることになる。

    社員たちが皆、もうこの会社ダメなんじゃないかと思っている。
    頭の中が昭和の社長。
    新しぶってる40代のチャラ男・三芳も頭の中は昭和。

    さまざまな人が語り、さまざまな方向から光を当てると、思いもよらない形の影ができる、会社という名の生き物。
    この会社、ほとんど死に体?

    みんな、自分を語ると長くなる。同じ意味のことを何度も違う言葉で言い換える。
    対して、他人がその人を診断するときは、サクッと単純明快に容赦ない。

    山田が何というか、暗くて壮絶だった。
    チャラ男の妻の元夫と、かな子の母は割とまとも。
    特にかな子の母親の語るあれこれは共感できるところが多い。
    女性の立場が何も変わらずにここまで来てしまったのは、自分たちが声を上げることをせずに、唯々諾々と慣例に従ってきたせいだ、娘たちの世代、今の若い女性たちに申し訳ない、と悔やんでいる。

    差別をなくすのは良いことだが、全世界的に、社会に寛容性が無くなった。
    マイノリティを差別するなと言う一方で、「差別をする人」を、差別している。

    ぐるっと一周して、語り手は再び岡野。年齢を見るに1年経ったらしい。
    死に体じゃないかと思われた会社は・・・

    ノアの箱舟かと思ったら、タイタニックだったね!
    会社という、いや人生という船に乗るには、泳ぎ方を覚えるか、救命胴衣を身につけておく事が必要だ。


    2019年8月までの連載が本になったもの。
    しかし、マイナス思考のキャラが、元号が変わったら何か良くない事が起きる、「平成の時はまだマシだった」ときっと言われる、と語る場面で・・・
    それが悲惨なテロなのか内戦なのか天災なのかパンデミックなのかわからないけれどと言っている。
    何?パンデミック?作者、預言者なんですか?!と思ってしまった。


    さまざまな人の内面読むにつけ、人は何を考えているかわからない、他人の内面なんて分からない、と思った。
    むしろ、分からないのが当たり前なのだ。
    「誰もわかってくれない」という嘆きは耳にするけれど、「それがどうした」
    そういうのは、中学生までにしておこう。
    相手を理解できないのが当たり前。
    だから、自分も理解してもらえないのが当たり前。
    むしろ、分かった振りの方が要注意。
    分からないけれど受け入れる、というのが、人間関係の成立なのだろう。

    おっと!
    この作品においてチャラ男とは何だったのだろうか・・・?
    悪目立ちしすぎたマスコット?
    チャラ男は中身のないハリボテ?
    みんなが色んな意味で痛痒い感じの迷惑を感じていたが、謝罪会見で小中学生のようにブチ切れたマスコミへの発言は、グッジョブ!と思うところもあり。
    しかし、「チャラ男」は、人間が何度も生態を変える途中での、一つの姿であったのだ。
    チャラ男は発展途上である。
    そしてどこにでも居る。
    温かく見守って・・・は、まあ、ちょっと自分に余裕がないと無理かな(笑)

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.02.13

  • rockvalleystudio

    rockvalleystudio

    いろんな人から見た、同僚のチャラい中堅男性

    複数の人が語っていく中で
    その人の人となりが浮き彫りになる感じが
    部活やめた桐島くんをおもいだしたが(笑)
    本作では本人の視点もあるのが面白かった

    とはいえ
    誰が誰だっけ
    ってなってしまい
    もう少し短くてもよかったとか思ってしまった
    続きを読む

    投稿日:2021.01.29

  • Kindleと図書館とわたし

    Kindleと図書館とわたし

    つまらなかった。タイトルはものすごく面白そうって期待させるのに。
    そもそもチャラ男に愛着が持てず、キャラが立ってないから、その周りの人のストーリーが続こうと、だから?って感じ。

    投稿日:2021.01.28

  • mfmf1127

    mfmf1127

    思っていたのとは違う、生きていく中で誰しもが感じたことのある理不尽(特に男女不平等な部分)や、こういう人いるよなぁというあるあるが散りばめられた小説。
    作者は女性なのに、男性にしかわからない辛さの描写がすごく的確でびっくり。
    特に、男性がしがみついている猿山を、女性やチャラ男はいとも簡単に降りてしまうことへの恐怖や嫉妬の描写に、なるほどと思わさせられた。
    続きを読む

    投稿日:2021.01.23

  • tomojuju

    tomojuju

    タイトルほどの軽さはなく、読んでいてむしろしんどくなってくる本だった。
    理不尽なのはチャラ男なのかなんなのか、よくわからなくなってくる

    2021.1.19
    7

    投稿日:2021.01.19

  • すー。

    すー。

    うんうん。いるよね。こういうヒト。

    あ、チャラ男さんのことだけじゃないですよ。
    若手の女性社員も、ベテラン女性社員も。
    男だってね、いろいろあるよ。そりゃ。

    自分の身近にも同じようなヒト…。いるよ。あのヒトみたいなタイプ。続きを読む

    投稿日:2021.01.17

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

本棚の開き方(スマートフォン表示の場合)

画面左上にある「三」ボタンをクリック

サイドメニューが開いたら「(本棚アイコンの絵)」ボタンをクリック

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。