おしゃべりながんの図鑑 病理学から見たわかりやすいがんの話

小倉加奈子 / CCCメディアハウス
(9件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
4
5
0
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • makoto0302book

    makoto0302book

    このレビューはネタバレを含みます

    【内容】
    42/構造異型と核異型 「異型」
    47/良性腫瘍は「周囲の組織を破壊することなく局在し、その部分のみ切除すれば治癒する」
      悪性腫瘍は「周囲の組織を破壊しながら増殖し、他の部位へ転移をきたしうる腫瘍」
    53/「がん」=「悪性腫瘍」、「癌」は「上皮性の悪性腫瘍」
    54/上皮細胞=外界と接している細胞
    55/血液・骨の細胞の悪性腫瘍は「癌」とは言わない。→「肉腫」「血液のがん」
    58/ポイントは「分化」
    105/脳のがん 良性腫瘍=「髄膜腫」、悪性腫瘍=悪性膠腫
    107/脳腫瘍は「原発か? 転移か?」 肺癌は脳に転移しやすい
    186/中屋敷均の「ウイルスは生きている」は、面白し例が満載。
       哺乳動物における胎盤の形成にウイルス由来の遺伝子が関与
    219/肝臓に腫瘍ができたときは、常に「原発」か「転移」かを考える。
       大腸癌は、肝臓に転移しやすい。
    220/肝細胞癌の原因は炎症
       ①ウイルス感染/脂質代謝産物→②炎症→③遺伝子異常→肝細胞癌
    221/白血球が血管の外に出て集まってくる状況を炎症という
    248/おわりに 「編集」とは、「情報を扱うことすべて」 イシス編集学校
    250/病理診断の状況は、「形態診断」と遺伝子異常の「分子病理的診断」の統合

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.06.07

  • komoda

    komoda

    病理学から見たわかりやすいがんの話
    http://books.cccmh.co.jp/list/detail/2347/

    投稿日:2020.05.24

  • ふるる

    ふるる

    以前読んだ、キリン解剖記と共に評判がよかったので
    ぜひ読みたいと思っていたもの。

    著者は病理医の先生で、患者から採取した生検から
    どんな病気かを判断するエキスパート。
    「がん」そのものの説明だけでなく、
    各身体の機能や働き、構造をしっかり説明している上に、
    中だるみがちな中間〜後半にかけても
    最初と変わらず読者の興味をそそる書き方をしてくれていて
    最初から最後まで面白く読めた。

    最初は色々情報が多いので
    サラッと流し読みしようかと思ったけれど
    逆にじっくり、理解しながら読み進めることで
    がんとは何か、細胞とは何か、という全体が理解できた。
    これくらい、優しく、わかりやすく書いてある専門書は
    あまりないと思うので、
    この本を手に取って読んでよかった、と思えた。
    続きを読む

    投稿日:2020.03.15

  • かりん

    かりん

    私自身が医師から「あなたは高分化がんだから、たちの良い方だ。未分化だったら大変でしたよ。」と言われた経験を持つ。敢えて調べることは無かったが、この本を読んで高分化がんが何かを理解できた。知識がなくとも興味深く、面白く読める。次作にも期待したい。続きを読む

    投稿日:2020.01.03

  • ukaiya

    ukaiya

    細胞レベルの振る舞いから
    がんを紹介する、これまでにないタイプの
    入門書。

    文章も平易で分かりやすい。
    “がん”と“癌”の違いとか、メジャーな病気なのに
    知らないことが多いと痛感した。

    続編を期待続きを読む

    投稿日:2019.11.03

  • 羽

    このレビューはネタバレを含みます

    未知のものは怖い。わたしにとって、がんは未知で怖いものだった。でも、筆者の手描きの細胞たちを眺めているうちに、怖いという気持ちは次第に薄れていった。がんの種類はたくさんあり、著者ですら何種類あるのか分からないという。"がん"と"癌"の違いやがんが治る人と治らない人がいる理由など、ためになる話が多かった。"遺伝子の小さな異常は毎日起こっている"が、"遺伝子自体がそれを修復したり、免疫機構が働くことで、発生したがん細胞が増えないような仕組みが働いて"いる。細胞って働き者だな。

    p50
    一方、次の代に受け継がれる遺伝子に異常が起こり、腫瘍が生じる場合があります。そのような遺伝子異常によって生じるがんを、「遺伝性腫瘍」あるいは「家族性腫瘍」と呼び、現在、11種類ほどの遺伝性腫瘍が明らかになっています。
    遺伝性腫瘍の場合は、受精卵の時点で遺伝子に異常が生じています。先天性の異常というのはこの時点の異常をいい、生殖細胞、つまり受精卵に異常をきたすことを意味します。1個の受精卵からすべての身体の細胞ができていくので、その遺伝子の異常は、身体全体の細胞にくまなくいきわたってしまいます。遺伝性腫瘍の患者さんで、複数の臓器でがんが生じやすいのはそのためです。

    p53
    まず、「がん」とひらがなで表記される場合は、一般的に悪性腫瘍をそのまま指していることが多いです。ひらがなの「がん」=悪性腫瘍、と考えていただいてかまいません。

    癌は、「上皮性の悪性腫瘍」というのが正しい定義です。(中略)
    つまり私たちの身体は、中心に管が一本貫いていて、ドーナツのような中空構造をしているのですね!よって、消化管の内側を覆う細胞は上皮となります。

    p55
    (前略)骨や血液の細胞に生じる悪性腫瘍は癌ではないのです。代わりに、骨肉腫や白血病等、癌とは異なる名前がついています。

    p59
    例えば、大腸癌は特に高分化な癌が多いのですが、高分化な癌とは、もともとの大腸の粘膜の構造に類似した特徴を有しているものをいいます。元の細胞の特徴からどんどん逸脱していくと、中分化、低分化、未分化......となり、分化度が落ちる、分化度が低くなる、と表現します。分化度が低いGaba、先祖返りするような状態に近いですから、無秩序に増殖しやすく、悪性度が一般的に高くなります。
    同じ臓器に発生したがんでも、治る人と治らない人がいるのは、実は、この分化度が深く関係していることもあるのです。

    p71
    粘膜内癌という名前は、もしかしたら加入されている「がん保険」などで見かけたことがあるかもしれませんね。「粘膜内癌は除く」と書いてあったりします。これは、「粘膜内癌の段階で見つかった場合は、がん保険はおりません」という但し書きです。
    粘膜内癌という状態は超早期癌であり、完全に切除することができれば、ほぼ100%治せる癌です。

    白血病は、主に白血球ががん化した悪性腫瘍です。だから「白」血病なのです。

    p97
    骨髄は、年齢によって細胞密度が異なります。生まれたばかりの赤ちゃんは細胞だらけで、面積でいうと100%近くが細胞で占められます。一方、80歳くらいの高齢者になると、健康な方でも細胞密度は30%程度となり、残りは脂肪細胞に置換されていきます。

    p105
    脳腫瘍は、脳のあらゆる部位に発生する可能性があり、発生部位によって症状も異なります。

    最初は頭痛や吐き気などの症状が認められ、次第に意識障害に進んでいきます。頭蓋内圧は健常者においても多少の変動があり、夜間睡眠中に若干高くなるので、頭蓋内圧が亢進したことによる頭痛は、起床時がいちばん強いことが多いです。肩こりなどで起こる筋緊張性頭痛とタイミングが異なるため、それのサインがあれば、早めに専門医を受診するとよいと思います。

    p106
    脳は、主に脳神経細胞とグリア細胞という細胞から構成されています。グリア細胞は、神経細胞と神経細胞の間を埋め、脳の支柱として存在しているだけではなく、水分やイオンなどの物質の輸送をはじめ、神経細胞を保護する役目を有しています。

    p107
    特に肺がんは、脳に転移をきたしやすい腫瘍です。

    p110
    肺癌の転移の場合は、肺癌と同じ形の癌細胞が脳にも認められます。

    p111
    悪性の細胞は、増殖のスピードも速いですが簡単に死んでしまいます。壊死が目立つ腫瘍は脳腫瘍に限らず、一般的に悪性の場合が多いです。

    p112
    最近、脳腫瘍における遺伝子異常がどんどん解析されており、形態的な診断に加え、遺伝子検査の結果を合わせて診断することが必須となってきています。

    p122
    好奇心は本当に大事。

    何より大事なのは、引き出しをいっぱい持っておくことですね。若い頃にいっぱい引き出しを作っておくべきです。そうすると、人生がおもろくなる。

    p130
    腕や足にできる場合は、患者さん自身がさわって気づくこともありますが、さわって気づくほど表層にできるものは、良性のことが多いです。

    p135
    高分化型脂肪肉腫は、放っておいたり再発を繰り返していると、「脱分化」を起こすことがあります。
    (中略)
    一般的に、すごく悪いやつに変化してしまう場合が多く、脱分化脂肪肉腫は予後不良のことが多いです。

    p140
    胃がんの場合で有名なのは、ヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染です。ピロリ菌は、食べ物や飲み水から感染することがほとんどで、多くが幼少時に感染すると考えられています。日本の場合は、衛生環境が十分整っていなかった時代に生まれた方の感染率が高く、60歳以上の約80%の人はピロリ菌を保菌しているといわれています(比率については諸説ある)。現在は衛生環境が改善されたため、若い人の感染率は減少傾向です。胃癌を発症する人が少しずつ減っていくことも、予想されています。

    p158
    膵臓がんの画期的な治療法は、見つかっていないのが現状です。

    p162
    喫煙は、肺がんに限らずほとんどのがんの危険因子です。喫煙歴が長ければ長いほど、がんのリスクが増します。肺の場合は、がんだけではなく、たばこの有害物質によって肺の構造が壊れていきます。それらは、肺気腫をはじめとした慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれる疾患として知られています。

    p166
    肺がんは、日本においてもまた米国においてもがん死因のトップです。
     
    肺癌は、まず小細胞癌と非小細胞癌に大別されます。
    (中略)
    実は、この小細胞癌、予後が不良で、ほかの組織型のがんと比較して、有効な治療薬も見つかっていないのが現状です。

    p173
    免疫療法薬は、肺がんがほかのがんの治療をリードしている分野です。最初に日本に登場したのがニボルマブ(商品名:オプジーボ)という薬で、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体というものです。
    PD-1というのは、細胞傷害性T細胞というリンパ球の表面にある受容体のこと。がん細胞にあまりに接していると、このT細胞の表面にPD-1がどんどん増えていき、T細胞が疲れてしまうんですね。
    さらに、がん細胞のほうもPD-1受容体(PD-1とPD-L2がある)というT細胞の攻撃を回避するシグナル(受容体)を出します。PD-1とPD-1受容体が結合すると、T細胞はがん細胞への攻撃を止めてしまいます。これは、「免疫寛容」と呼ばれるものです。
    このニボルマブという薬はPD-1にくっつき、がん細胞が持つPD-1受容体が結合するのを阻止します。すると、T細胞が元気を取り戻し、がん細胞を攻撃し出すのです。

    p183
    ウイルス感染は、ときとしてがんを引き起こすことがあります。感染による発癌の原因は主に二つあり、ウイルスの遺伝子が我々人間の遺伝子に組み込まれることによって遺伝子異常が生じ、細胞増殖の調節が効かなくなることに起因するもの、そして感染によって慢性的な炎症が生じ、細胞にダメージが生じることに起因するものがあります。

    p185
    ウイルスは、基本的に核酸(DNAやRNA)とタンパク質からなる小さな病原体であり、単独では生物としての要件である自己増殖能を持たず、寄生して初めて自己増殖を行います。そのため、しばしば「生物と無生物の間にあるもの」と表現されることもあります。

    p208
    子宮頚がん検診は、綿棒で子宮頚部の粘膜を擦ってガラススライドに塗布する細胞診検査です。痛みもありませんし、比較的簡便な検査ですから、一年に一度くらいは受けてください。

    p219
    肝臓に転移をきたしやすいがんは大腸癌で、進行大腸癌の患者さんは手術後も肝臓(あるいは肺のこともある)に転移をきたしていないかどうさ、CT検査等で定期的に確認していく必要があります。 

    p220
    がんを引き起こしやすい代表的なウイルスは、C型肝炎ウイルスです。
    C型肝炎ウイルスは、ウイルスに汚染された血液で作られた血液製剤のほか、注射針やメスといった医療器具から感染することが多いといわれています。近年製造されている血液製剤は、ウイルスの検査の精度が向上したこともあり、まず安心といわれていますが、1994年以前の血液製剤はウイルスのチェックが不十分な場合があります。

    p222
    A型肝炎、B型肝炎は、感染直後に急性肝炎を起こす場合が多いのですが、C型肝炎の場合の多くは、症状が出ずに気づかないことが多いのです。そして、60~80%の患者さんがそのまま治癒せずに知らないまま慢性化し、慢性肝炎の状態になります。慢性肝炎も症状がかなり進まないとほとんど症状が出ないため、「なんとなくだるいなぁ」という程度の軽い症状のまま、じわじわと進行してしまいます。
    慢性肝炎の患者さんの20~30%が20年の経過で肝硬変に至ります。肝硬変に進展しまうと、年率7%ほどの頻度で肝がんが発症するということが、統計学的にわかっています。

    p230
    実は、遺伝子の小さな異常は毎日起こっているといわれていますが、遺伝子自体がそれを修復したり、免疫機構が働くことで、発生したがん細胞が増えないような仕組みが働いています。ただ、細胞が老化すると遺伝子の小さな異常が蓄積したり、その頻度が増したり、修復機構がうまく働かなかったり、免疫の働きが落ちたりしていきます。高齢になるとがんになりやすいのは、細胞の老化が原因です。

    p248
    情報があふれかえった時代に、どう情報を収集して、それをどう伝えるか。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.09.26

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

本棚の開き方(スマートフォン表示の場合)

画面左上にある「三」ボタンをクリック

サイドメニューが開いたら「(本棚アイコンの絵)」ボタンをクリック

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。