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中沢新一 / 講談社学術文庫 (10件のレビュー)
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wespo
南方熊楠の事が知りたくて購入したけど、一冊目にしては少しハードルの高い内容だった。前書きにある通り伝記ではなく、その思想を掘り下げ後継していくことに主眼が当てられている。それを正確に理解しこれだけの書…籍に仕上げる中沢さんも凄いと思うが、南方マンダラなる思想に辿りつき、この時代から広く俯瞰した視点をもっていた熊楠さんはとても先進的で異端だったのだと思う。続きを読む
投稿日:2021.04.28
takeshishimizu
南方熊楠について書かれた本です。とは言っても、南方熊楠の伝記というわけではありません。熊楠の生涯に触れながら、熊楠がそのときどきで、何を体験し、何を考え、何を伝えようとしていたのか、そういう点を掘り下…げて行こうとされています。さて、南方熊楠とはいったい何者だったのでしょうか。いまで言う文化人類学についても考えていたようですし、いわゆる民俗学的な研究もしている。さらに粘菌を調べたりもしている。写真を見る限りでは存在感のある不思議な人物です。私と熊楠との出会いは30年ほど前で、暗黒舞踏の白虎社(いまでも活動しているのだろうか)主催合宿に参加したときのことです。主宰者の大須賀さんが、「ミナカタクマグス」を知らないのか?と言っていました。私の頭は「・・・」人の名前とも思えなかった。そう、合宿をしたのも熊野の山奥の廃校でした。(熊楠は熊野で粘菌を調べていました。)それ以降、気になって熊楠についてかかれたものを少しは読んでいたのですが、どんな思想を展開していたのか、じっくり考える機会はありませんでした。では本書を読んでよく理解できたかというと、それも全く自信はありません。(燕石の話しのあたりまではなんとなくついていっていたのですが、仏教の話が多くなるとさっぱりイメージできなくなりました。)ただ現在にも通じることを、早い段階で考えていたのだろうということだけは伝わってきます。ミナカタクマグスの思想を現在によみがえらす必要があるのでしょう。続きを読む
投稿日:2015.04.13
bax
[ 内容 ] 生物学・民俗学から神話・宗教学に精通、あらゆる不思議に挑んだ南方熊楠。 那智の森の中に、粘菌の生態の奥に、直観された「流れるもの」とは何か。 自然や人間精神の研究の末織り上げられた南方マ…ンダラの可能性とは?後継者のいない南方熊楠の思想、「旧石器的」な思考の中に、著者は未来の怪物的な子供を見出す。 対称性理論への出発点となった記念碑的著作。 [ 目次 ] 第1章 市民としての南方熊楠 第2章 南方マンダラの来歴 第3章 燕石の神話論理 第4章 南方民俗学入門 第5章 粘菌とオートポイエーシス 第6章 森のバロック 第7章 今日の南方マンダラ [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]続きを読む
投稿日:2014.10.05
kobao
6月に読み始めて、途中で休読期間もありながら、読了するのに3ヶ月かかってしまった。 20世紀初頭を生きた、南方熊楠という、生物学・民俗学・宗教学に精通した不思議な人物の伝記。 思想というのは、アカデ…ミズムに依ることで収束してしまいがちだが、彼の思想は、まさにその対極に位置し、収束せずに結実する、「南方曼荼羅」にたどり着いた。 レヴィ・ストロースに代表される構造主義思考がほぼ無意識的に思考回路の底となっている昨今において、南方の原始性を損なわない発散的思考は、情報に溢れた現代において、むしろ参考となる点が多い。 またじっくりと読んで、より深く理解したいものだ。続きを読む
投稿日:2011.09.14
マイコ
ここから、中沢新一の「対称性人類学」へ繋がって行く、と。 南方熊楠「燕石考」について興味深く読みました。
投稿日:2011.08.16
yuikooo
今まで読んだ熊楠関連本中でも一番いいとおもった。 熊楠と中沢氏の2つの個性的な知の融合ってかんじ。 すごい生命力が溢れてて、ワクワクした。
投稿日:2010.04.05
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