【感想】心の傷のいえるまで

キャロル・モーティマー, 霜月桂 / ハーレクイン文庫
(1件のレビュー)

総合評価:

平均 5.0
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ブクログレビュー

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  • megumi33

    megumi33

    このレビューはネタバレを含みます

    とても良いお話でした。

    ヒロインのシャーリーは女性実業家・女社長ですが、過去に交通事故で夫と愛娘を1度に失うという哀しい過去を持っています。
    そんな彼女はボヤで住んでいたフラットに住めなくなり、友人の医師マットのフラットに棲まわせて貰っているのすが-。
    ある日、彼女の前に突如として現れ、
    -君はマットの愛人だろう。
     決めつけ、彼女を侮辱した男アーロン。

    彼もまたやり手の企業家であり富豪で、マットとその妻モリーの共通の友人。その立場ゆえに、モリーが夫とシャーリーの仲を勘ぐっているため、シャーリーをマットの愛人と決めつけ、モリーに余計な心労をかけまいと「一時的に見せかけの婚約者同士」になることをシャーリーに強要したというわけです。

    話を読んでいると、このアーロンという男性、どこまで思い込みの激しい独りよがりなのかと関係ない読者までヒロインの立場に共感して腹立たしくなります。
    しかし、最後まで読めば、これは彼がシャーリーにひとめ惚れして強く惹かれたからだと判ります。男の独占欲のために、マットだけでなくシャーリーが拘わるすべての男たちとの仲を邪推し、嫉妬するのですね。
    私はシャーリーの「悲惨な過去」とは、愛する夫と娘を失ったことかと思ったけれど、彼女は夫ジェームズにはさんざん浮気され、貶められ、酷い目に遭わされていて、離婚の条件にシャーリーが応じなかったので、娘の親権をカタに彼女を脅迫したのだったのだと判りました。かつては夫を信じ愛していけれど、夫が亡くなる前は夫婦仲は最悪になっていました。

    ラストで辛い目にばかりあってきたシャーリーが女性としての幸せを掴めたことが自分のことのように嬉しくなりました。
    また、実はマットが事故で瀕死の怪我をした愛娘の主治医だったこと、娘に尽くしてくれたマットのためにシャーリーが病院を建てようとしていることなどが次々に明らかになり、感動すら憶えました。
    王道ストーリーのロマンスに食傷気味の方にオススメの、読み応えのある感動物語りです。

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    投稿日:2019.07.08

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