【感想】極北クレイマー2008【電子特典付き】

海堂尊 / 講談社文庫
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • レモン

    レモン

     財政破綻都市の市民病院の惨状を想像して書かれたらしいが、想像がノンフィクションになってしまったらしい。やる気のない病院職員や不潔な病棟はこんな病院には絶対お目にかかりたくないと思うが、似たような状態だったなんて信じられない。続編も読んだがまだ再建の真っ只中だったので、モデルになった市は実際どうなったんだろう。姫宮は今作ではドジっ娘封印?三枝部長が医者の鑑のような人物なだけに、なぜこの人が逮捕されなければならないのか…。医療崩壊は現在も着々と進行中なのだろうか。続きを読む

    投稿日:2023.05.07

  • Bフォレスト

    Bフォレスト

    このレビューはネタバレを含みます

    実在する地方都市を彷彿させるような内容。
    最初からかなり粗悪な病院の状況が描かれ、そこに赴任した若き外科医:今中が病院の立て直しを図って行くのかと思いきや様々な思惑が入り乱れ最終的には主な病院スタッフが去ってしまう展開。
    今中に特別な能力も劇的に環境を変える力もない普通の医師として書かれているのが興味深い。最後に登場した世良とどのように融合し、他の桜宮サーガの面々と関わっていくのか楽しみである

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    投稿日:2022.06.19

  • yohko_barF

    yohko_barF

    このレビューはネタバレを含みます


    桜宮サーガの原点
    「世良シリーズ」から約20年後



    財政破綻寸前の町、極北市

    バブル期に市が力を注いだ
    観覧車は、週末しか稼動せず

    スキー場は、大量の積雪により
    リフトが埋もれて、営業できず

    極北大学病院は、隣町に誘致され
    市の人口も流出するという


    そんな極北市に
    ポツンと取り残された
    市民病院に派遣された、今中医師


    極限まで削減された予算で
    辛うじて運営されている市民病院は

    不衛生で、古臭く
    スタッフのやる気も、全くない


    そんな中
    数年前に、東京からやってきた
    産婦人科医の三枝医師と
    3年前に、地元に戻ってきた
    並木看護師

    この二人が、市民病院唯一の良心だった


    そんな市民病院に
    更に、東京から派遣されてきた
    皮膚科女医

    本業は
    厚生労働省大臣官房秘書課付医療過誤死関連中立第三者機関設置推進準備室室長補佐

    なんとも長々しい肩書を持つ姫宮だが
    赴任初日に、気難しい院内スタッフの
    気持ちとやる気を掌握する  
     
    破綻寸前の、市民病院に
    姫宮が派遣されてきた目的は

    院内に
    「医療事故調査委員会」を設置させる事だった


    数年前に院内で起こった、出産事故

    医師の懸命な処置にもかかわらず
    イレギュラーな症例の前に
    母子共に死亡

    病院側の説明に
    一旦は納得した父親だが

    医療ジャーナリストと名乗る
    西園寺さやかの策略に
    まんまとハマってしまう

    財政破綻目前の極北市で起こった
    医療事故を引き金に
    医療に介入して来る司法

    のっぴきならない状況を打破するために
    送り込まれてきたのは
    あの世良ちゃんだった…


    医療好きには、堪らない
    司法と医療のバトル

    院内の、ミニマムな争いとか
    未来の医療とか、格差とか
    医療従事者の苦悩とかを描いた
    作品も、もちろん大好物だけど

    もっと大きな枠組みを
    ダイナミックに描いてる
    海堂尊作品は
    マジ、興奮させられる

    医療技術の進歩により
    お産は、安全なものだと信じてやまない人々

    最善を尽くしても
    救えない命があることを理解している医師

    医療に、司法が絡んでくることの危険性

    既得権益と権利を主張する者

    などなど

    有象無象が蠢く中
    姫宮の行動には
    ほっとさせられる

    一見、ピントがズレてるように見える発言も
    しっかりと本質は捉えていて

    ズレてるが故に
    意外とすんなり聞き入れられるという笑

    恐るべき記憶力の、優秀な頭脳と天然
    嫌味のない謙虚さが

    重たいテーマの作品に
    清涼剤的なアクセントとなってる







    #極北クレイマー
    #極北シリーズ
    #海堂尊
    #桜宮サーガ
    #厚生労働省大臣官房秘書課付医療過誤死関連中立第三者機関設置推進準備室室長姫宮香織
    #読書好き
    #ブクログ

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    投稿日:2020.09.26

  • smile0930

    smile0930

    再読2回目。
    面白かった。市民病院の破綻は少し前に相次いだ医療崩壊だけど、今でも変わらず問題はある。どんどん読めた。

    投稿日:2019.09.29

  • mikan101

    mikan101

    このレビューはネタバレを含みます

    やっぱり、海堂尊の小説は面白い。

    極北市が財政破綻し、市民病院も再建されることになる。
    再建請負人が着任したところで、終わってしまって中途半端だなと思ったら、「極北ラプソディ」という続編があった。

    今中医師は、バチスタシリーズの田口医師と似た感じ。非常勤、月収20万円ぐらいの薄給でなのに、よく働き、破綻した病院を見捨てずに残るところが偉い。破綻後は、今中が中心となって病院の再建にあたるのかと思ったら、外部から再建請負人が来ることに。

    面白かったが、こういう終わり方をするのであれば、「極北ラプソディ」は続編ではなく、「極北クレイマー」の下巻にすればいいと思う。

    姫宮がいい味を出していた。

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    投稿日:2019.05.03

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