【感想】あなたが「金持ちサラリーマン」になる方法

この30年間追いかけてきた副島氏の本であることとタイトルに惹かれてネットで見つけたので購入してみました。文庫化されたのがコロナ前の2019年１月、元となる本は2001年に書かれていました。もしかしたら…レビューを書き始める前に読んだいたかもしれませんが、改めて読むことにしました。

この本の読者対象は４０歳以下と思われます、先週５９歳を迎えた私にとっては、この本で書かれていることを今までやってきましたか？と問いかけられるような本であったと思います。金持ちサラリーマンになるための極意は、お金を払っても頼みたくなるような結果を出すような仕事をする努力を続けなさい、不足している場合は、先輩・上司を見習うなり、自己啓発を通して自分を成長させろ、という厳しいメッセージだったと思いました。

世の中は平等ではない、金持ちになる機会だけが平等に与えられているのであって、出発点は人それぞれ異なることを肝に銘じて行動すべきだと今更ながら理解できました。

以下は気になったポイントです。

・あなたが金持ちになりたい、自分の人生を自分のために生き、やりたいことをやって生きたいと望むなら、まず「市場主義」と「金銭思想」を自分の頭
に叩き込むことだ、それなしに金持ちサラリーマンへの道はない（P５）金持ちサラリーマンとは、自分のサラリーマン生活を、精神的にも肉体的にも金銭的にも自由に楽しむことのできる人のことである。自分の生きがいや人生の目標を自分で自覚的に設定し、自分の人生を計画通りに経営できる能力をもち、かつ自分の余暇を十分に満喫できるように十分な報酬（収入）を会社から得ることのできる人である（p１９）

・人生の格付けという考え方とは、社会や周りが下す評価である、大金持ち・大企業のオーナー（上流階級）は１００万人、企業経営者層が４００万人、正社員サラリーマン４０００万人の中の５００万人が金持ちサラリーマンである、これ以外にパート・アルバイトが２０００万人（p３２）

・貴金属、車、不動産を含めて、２０分の１が原価である。それが世の中のカラクリであり真実である。倒産した会社に駆けつけた債権者が返してもらえるお金も、だいたい債権額の５％である（p５５）本当の価格はそれが実際に売れて処分できた時の価格である、そレは元値の５％程度である（p６３）

・会社や周りの人というのは、あなたを自分で自分を思っているほど、あなたのことを評価していない、せいぜいが「１０分の１」程度である。（p５６）自分を「１０」で売りたかったら、自己評価で「１００」の力を出さなければならない（p７１）年収１０００万円を確保するには、最低でも３０００万延の利益、売り上げは１億円を達成する必要がある（p８６）

・私たちは実際上、姿・形・肉体の能力差や財力に違いがある、人間は平等ではない、だからこそ人間は少なくとも政治的・行政的には平等に扱われなければならないとして、憲法をはじめ各種法律で「人間は法的な取り扱いにおいて平等だ」と定められている（p１３８）人間の絶対平等主義を唱えることは、大きな偽善となる（p１３９）
・人間の歴史は、１）市場経済＝近代資本主義、２）お上経済（国家主導経済）＝官僚統制経済、３）自給自足経済＝原始的生産消費社会である。今の日本はこの３つが混合した混合経済である、その中でも「お上経済体制」が大きな割合を占める。（p１５１）

・市場経済は、４つの市場に分けることができる、１）商品市場、２）金融市場、３）労働市場、４）不動産市場である。日本の商品市場は業界で過酷なシェア争いがあり優秀である。金融市場では完敗した、労働市場（転職の自由）はない、不動産も近代社会であれば土地が何倍にも暴騰したり下落することはない、欧米では４つの市場が出来上がっている）p１８４）

2023年4月8日読了
2023年4月9日作成続きを読む

副島さんの著書ということで中身を殆ど読まずに購入。取り上げられる事例が妙に古いなと思っていたら、2001年出版の本が元でした。アドバイスも一時代前の感覚で、現代のサラリーマンからすれば「当たり前でしょ…う」といったものばかり。
20年近くたってサラリーマンの働き方も変わってきていますし、転職が一般的になって来て会社との距離感も変わってきているので、著者の名誉のためにも、もう少し手を入れるべきでは・・・。私にとって初の評価「１」とします。続きを読む