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鷲田清一 / 晶文社 (9件のレビュー)
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正木 伸城
メモ→ https://twitter.com/nobushiromasaki/status/1626131903115042821?s=46&t=lbg5uS0QeG6-p_mvPKFPiQ
投稿日:2023.02.16
田中太郎
グローバル化に伴う均質化やイノベーションの加速の中で感じる違和感について、鷲田清一の滔々とした語りをまとめた本。1年半ほど塩漬けにしていたけど、今になって一気に読めた。 思索集なので特定のテーマにつ…いて語られる訳ではない。 しかしその語りの根底には「共通の対価を稼ぎ、対価を持ってサービスを買う」ことに慣れたため自らの「いのちの世話」が出来なくなった現代人への不安と、「難民化」を想起させその脆弱性を浮き彫りにした東日本大震災の経験がある。 各々が当たり前のように肩代わりをしあい互いの「いのちの世話」を成立させていたコミュニティが機能を停止し個人の「自立」が進んだ現代では、ヒト同士の対話、摩擦の機会が失われた。自立したはずのヒトは摩擦による方向感覚を失い、自己の足元が覚束無い不安に苛まれるとする。 伝えたいという気持ちがないのであれば「対話技術」などは意味を持たない。そして伝えたいという気持ちは「分かり合えない」という痛い経験の最中にあり、その経験が今の子どもには不足している。という教育信念を紹介しているのだけど、個人の自由が何よりも優先されてしまう今の世界には強く刺さる。 自分が広く広くと人と関わろうとするのは、他者の価値観を浴びる事で自己輪郭を自分に感覚させるためなのだけど、止まらぬリベラル化の波の中で自分の輪郭を失わず顔を上げて歩き続けられる人がどれほどいるのかとはもう何年も不安に感じているところであり、かなり共感がある本だった。 鷲田清一の本って難解で「なに言っとんねん…」みたいなのが多いんだけど、この本は縁側でおじいちゃんの語りを聞いているような感覚だった。語りの根底には経験があり、それを押し付ける訳でもなくボヤいているような。 世の無機質さに嫌な感覚がある人は、読むと腑に落ちるものがあるかもしれない。 続きを読む
投稿日:2021.11.26
小島康平
哲学者 鷲田清一先生がせんだいメディアテークの館長として体験した東日本大震災がもたらした変化、京都芸大の理事としての学生たちとの触れ合いから紐解く芸術とは。私たちの社会に蠢く哲学について書かれています…。「濃霧の中の方向感」、まさに。続きを読む
投稿日:2021.08.08
すう
鷲田先生のような碩学が紡ぎ出す言葉は、とかく自分たちが置かれている状況を見失いがちになるところへ、確かな道しるを示してくれている。
投稿日:2021.03.25
pean1269
対話をするために必要なのは、伝える能力ではなく、価値観を摺り合わせていく能力だという言葉に納得した。正確に伝える技術ばかり意識していた自分にとって、自分の対話の仕方を見直そうと思った。折に触れてぱらぱ…らと読み返したくなる本だった。続きを読む
投稿日:2020.03.09
kouama
エッセイ詰め合わせなので細切れだし重複もあるが読みやすい。 自らのいのちの世話ができなくなってしまった(消費者に成り下がってしまった)ことについてがとても重く響いた。自分の不安を言い当てるものに感じた…。続きを読む
投稿日:2019.12.22
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