【感想】思いつきで世界は進む ──「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと

橋本治 / ちくま新書
(16件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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ブクログレビュー

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  • 5552

    5552

    私はバカって言われるのたとえ本のタイトルでも帯でもすごく嫌なんだけれど、橋本治の本にだったら言われてもいい。
    昔読んだ橋本さんの本で、橋本さんが「この言葉だけ覚えておけばいい」と書いていた言葉を今でも時折思い出し、あの言葉ってどういうことなんだろう?と、考え続けています。
    この新書は晩年となってしまった2014年から2018年の時事コラムをテーマ別にまとめたもの。
    今となっては懐かしさすら感じる事柄も、確実にいまに繋がっている。

    橋本さん、ロシアとウクライナ、戦争始めちゃったよ。
    安倍さん、殺されちゃったよ。

    橋本さんの早逝が惜しまれます。
    失われた知性は大きい。
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    投稿日:2023.07.25

  • raga-movie

    raga-movie

    "勝ち組" "負け組" 同様嫌いな言葉が "オール◯◯"。みんなひとつになって頑張ろう、というスローガンはとても胡散臭い。どうしてわざわざ足並みを揃えて同じ方向へ向かわなければならないのだろう。"連れション" や "行列ができる店" も見送る私は、違う思想や言動があってこそ素晴らしき世界じゃないか、多種多様…そうだ "多様化" を推進してるの飾言かいな、とツッコミ入れたくなる。
    言葉だけでその場をやり過ごす・誤魔化す、にも関わらず、そこで自己陶酔する輩がいかに多いことか、恥を知ろうとしない裸の王様は忠言を聞く耳持たず今日も闊歩する。それでも私たちは心折れずに声をあげるよ、とどのつまりマイノリティーの性分。
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    投稿日:2021.11.06

  • panpii

    panpii

    このレビューはネタバレを含みます

    世間のニュースに鋭い切り口で疑問を投げかけています。
    タイトルの通りバカを恥じないようになってしまっては成長できないことになるのでしょう。
    平成という時代を区切りに亡くなられたあたりは、本人が仰った通り、自ら体現したことになってしまいましたね。
    まだまだ生きて書いてほしかったです。

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    投稿日:2020.10.31

  • chineseplum

    chineseplum

    このレビューはネタバレを含みます

    筑摩書房のPR誌に掲載された時評集
    2014年7月から50回分

    ニュースなんか見ていてちんまりしてしまう事象について「ああ、そんなもんか」と思わせてくれる
    知性っていいな、と思う

    橋本治、最高
    この方が亡くなられたのは本当に惜しまれる

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    投稿日:2020.10.20

  • eisaku0330

    eisaku0330

    今回の著作は秀逸、歴史物ではなく、「失敗の本質の検証」に対する想いが伝わる。
    310万人が亡くなった太平洋戦争
    大きな戦略が明確でないと最終的な勝利は覚束ない
    戦場の指揮官ばかりではなく、陸海軍の枢要な部署にある連中の戦略構想が大事

    太平洋戦争においては不思議なくらい日本の軍人さんは決断ができなかった
    統制好き 上からの命令遵守の指揮官が多かった

    しかし「組織の目的を明確に」することはなかなか難しい
    真の目的を部下と共有すること、プロジェクトリーダーとして最も重要
    それこそがリーダーシップ!


    西南戦争が終わり、山県有朋は「統帥権の独立」を制度化した
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    投稿日:2020.07.24

  • キじばと。。

    キじばと。。

    2014年から50回にわたってPR誌『ちくま』(筑摩書房)に連載された著者の記事を、テーマ別に編成して収録している本です。そのときどきの世の中をにぎわしている出来事について、著者がみずからの感想をつづっています。

    『「わからない」という方法』(2001年、集英社新書)以降の著者の本には、啓蒙的な性格が強く出ているように感じています。世界は無限に複雑な襞をもっており、その細部へとどんどん入り込んでいくことで真理に近づいていくというのが、元来の著者の議論のスタイルでした。その後、著者はそうしたみずからの思索のスタイルを、「「わからない」という方法」として、ハウツーものならざるハウツーものとでも呼べるようなしかたで提示するようになる画期をかたちづくっているのが、『「わからない」という方法』だったというのがわたくしの理解です。

    しかし本書では、著者の議論が「わかってしまっている」立場に著しく接近しているような印象を受けます。たしかに著者らしい視点の鋭さが随所に示されてはいるものの、すこし斜に構えた世間の見方という、ありがちな議論に堕してしまっているのではないかと思えるところも見受けられました。正直に言って、著者のエッセイのなかでは精彩を欠く印象がいなめないように思います。
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    投稿日:2020.07.02

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