【感想】「こころ」はいかにして生まれるのか 最新脳科学で解き明かす「情動」

櫻井武 / ブルーバックス
(21件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
4
6
5
1
0

ブクログレビュー

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  • 蛍烏賊@行き当たりばったり

    蛍烏賊@行き当たりばったり

    このレビューはネタバレを含みます

    脳地図や伝達系のよくわからない名前はたくさん出てきましたが、そこはそれなりに流して読了。

    こころってどこにあるのか。
    普通に考えたら脳だろうけど、でもこころが痛む時って、心臓の付近が痛いと私は感じる。


    情動はこころで感じる感情のきっかけになるもの。

    五感から得た情報は大脳辺縁系を介して、意識下で自動的に情動をもたらす。
    脳内の状態に変化を与えると共に、自律神経系や内分泌系を使って全身の情報を変化させる。
    それを自我や意識の首座である大脳皮質の前頭前野が認知することによって、こころという機能は完成する。
    つまり、身体全体が著者の考えるこころなのだといってもいいのだろう。

    喜怒哀楽のない人生はつまらないことは、分かる。
    できれば楽しいこと、嬉しいことだけで構成されていて欲しいけれど、痛みが生体防御機能として重要であるのと同様に、危険や失敗を避けるため、繰り返さないために重要なのだという。

    そして報酬系についての話は、本当に恐怖でしかない。
    報酬に囚われて、他の全てがどうでも良くなってしまうって怖すぎる。
    思い通りにいかない状態…自己とは何かみたいな所に最終的に行きつきそう。
    もうそれは科学じゃなく倫理の世界。
    そういえば「分類」についても極めていくと倫理と繋がっていた。

    そもそも自己という存在からしか世界を見ることができないのだから、想像することしかできなくて、さらにそれを確かめる術さえない。。
    生きることは死ぬまでの暇つぶしだ、とかいうけれど確かに一理あるのかも知れない。


    モノアミン類は気分に関係する物質でGPCRに作用するらしい。
    って?聞いたことある!って調べたらGタンパク質共役型受容体って懐かしい。
    昔そんな関係の事調べてた‼︎もう忘れたけどw

    モノアミン類のレベルがチューニングされることによって、気分を大幅に変動させることができるらしい。
    受容体一つで一夫一婦制になって子育てするようになるとか、なんていうか(頑張れ語彙力‼︎)…そんな簡単な(簡単じゃないけど)機構なのかと結構ショックでした。
    一つの受容体のあるなしで、性質がごろっと変わってしまう恐ろしさと同時にうまいことできてるよなぁと感心します。

    本書でもヘビが恐怖の対象として何度も出てきました。
    昔々にヘビとの間で一体何があったんだ⁉︎
    知りたくなりまする。


    備忘録
    モノアミン系(カルボキシル基の取れた形)
    ノルアドレナリンのレベルが上がれば興奮状態になり、緊張する。
    ドーパミンは興奮を緩め、動きを大きくする。
    セロトニンは調整役として働き、適切な状態にとどめる役割をしている。

    1番嬉しいのは、最初の嬉しい瞬間。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.02.11

  • モチヒロ

    モチヒロ

    意識の問題

    神経科学からみた「こころ」の働き方、いわば生体の機能としての「こころ」の働き方

    ●ドーパミン

    ドーパミンが前頭前野や前帯状皮質に放出されると「気持ち良い」という情動認知、つまり、快感が生まれる。
    そしてドーパミンが側坐核という部分に放出されると、その放出に至った原因となった(と脳が認知した)行動が強化される。報酬系では、これがキーイベントとなる。


    ●脳のモード調節

    「気分」に作用するモノアミン類(アミノ基がひとつだけ)
    脳全体のモード調節

    ノルアドレナリンのレベルが上がれば興奮状態になり、筋緊張は高まり、一般的に「緊張している」という状態が生まれる。ドーパミンは緊張を緩め、動きを大きくする。セロトニンはすべての調整役として働き、適切な状態にとどめる役割をしている。これらのレベルがチューニングされることによって、動物は「気分」を大幅に変動させる
    続きを読む

    投稿日:2022.10.31

  • sachi302010

    sachi302010

    「こころ」は進化する。現代社会での承認欲求にまで話は及んで、面白かった。 「嫉妬」について、「ある報酬を他者が得られ、自分が得られないことを理解できる」共感性によるもの、という部分を読んで、なるほど嫉妬とはそういうことか、ここまで客観的に書かれると「嫉妬」が孕んでいる荒ぶる感情のようなものが一気に色褪せるなあ、「嫉妬」に振り回されてしまうことの馬鹿らしさが際立つなあと思った。続きを読む

    投稿日:2022.03.11

  • izumowol

    izumowol

    脳科学において今までわかったことから「こころ」の仕組み
    に迫る。最新の研究から推測されることではなく、現に判明
    している事実をひとつずつ積み重ねて今までにわかってきた
    ことをわかりやすく説明しているという印象。その分間違い
    はないが新しい発見もないという感じかな。人の脳という
    ものが増築に増築を繰り返し、最初の古い母屋の部分も未だ
    に活用しているという事実には中には驚く人もいるのかも
    しれない。
    続きを読む

    投稿日:2021.09.27

  • 新米読書マン

    新米読書マン

    中々書いてある内容が頭に入ってこなくて難しい本でした。脳科学の分野に携わっている人が見るとすごく面白いと思えるのだと思います。
    ただ、こころはヒトにとって動物にとって大切なものなのだと分かりました。また、こころも進化していっている事が分かりました。続きを読む

    投稿日:2021.09.01

  • こ

    こころに関して、脳科学的観点から詳細にかつわかりやすく書かれている。かなりオススメ!
    たとえば、旧脳である大脳辺縁系と新脳である大脳皮質の前頭前野の機能比較や相互連関、脳内の神経回路、神経伝達物質についてなど、様々な角度からこころについて言及している。私にとっては知りたいことの宝庫であったので、この本をベースに知識を定着させていけるように、努力していきたい。続きを読む

    投稿日:2021.06.19

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