【感想】炎上しない企業情報発信 ジェンダーはビジネスの新教養である

治部れんげ / 日本経済新聞出版
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • masabox

    masabox

    企業情報もそうですけど、実際に発信する際に受け手についてどこまで想像できるか。旧来の発信メディアでしか生きてこなかった、それで生きてきてしまった人がついつい気づかないで侵してしまう領域って結構多い。実際、なんで?反応見てから調整しようとしてたにしては、お粗末なってコトが散見する昨今。企業の側にたち、有名なプリンセス商法がいかにしっかりとした背景で展開されているか、ここまで考えて動いてこそな世の中になっているだぞと。気づかないのは旧時代な人間と括られてしまうのが今のご時世なんだろうな。続きを読む

    投稿日:2022.01.29

  • mmh

    mmh

    半分くらいディズニーの話なんだな、コンプラとビジネス、エンタメはみんな両立できる。自治体とかは事実上「倒産」することがないからどうしてもユルいよなあと思う

    投稿日:2021.12.05

  • tricken

    tricken

    1975-2018までの間にみられた日本の広告PRにおけるジェンダー規範的に問題がある事例を多数確認しながら、それらの広告PRのどこに問題があるのかを整理する。次に、2010年代ではカンヌのグラスライオン賞など、積極的に旧来のジェンダー規範を乗り越える広告PRが奨励され名声を勝ち得ている事例を紹介し、同時代の日本の広告PRが相対的に遅れている現状をさらに鮮明にする(著者は明確に「日本は遅れてる〜」などとは煽らないが、書籍の構成として日本の多くの広告活動がジェンダーの点で遅れている事は明らかだとわかる)。
    途中ではアプローチが変わり、ディズニーが1980年代以降になってからいかにして自社のジェンダー規範を更新して、世界水準の大企業であることと、ジェンダー含む社会的正義に関する信念を発信することとを巧みに両立させられるようになったのかが分析される。議論の主題となるのは、遅れた女性観が保持されているとしばしば揶揄される白雪姫・シンデレラ等の【ディズニープリンセス】の表現史である。治部によれば、ディズニーは1960-80sのアメリカで巻き起こった第一世代フェミニズム運動(ウーマンリブ等)を受けて、『リトルマーメイド』から『アナと雪の女王』に至るまで、プリンセスに託されるジェンダー観が少しずつ、ジェンダー中立的に書き換えられてきたということだ。

    総じて、「ジェンダーに気を遣っていたらビジネスなんてやっていられなくなる」などと溢すビジネスパーソンのいいわけじみた怠惰さを、語り口はソフトに、しかし実質としては手厳しく、掣肘する報告になっていると思われる。また、ジェンダーを世界が重視する時代になったことに対応してゆく必要を痛感しながらも、系統的な手がかりが身近に乏しく困っている各業界の人々にとっても、この本は導きの手となりそうだ。

    ところで広告関連の資料がWebにしかないことが多かったため、調べながら読んだ。内容はこちらに個人的なメモとして残している。https://min.togetter.com/AegfUw0
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    投稿日:2020.09.05

  • hidezoe

    hidezoe

    前半は自分でも覚えているCMなどの炎上事例。
    企画者のメンバー選定や少しの注意で炎上回避できそうな短期解決策。
    後半はディズニーの事例。企業全体で広範な調査、マーケティングをしてプロダクトに活かしていて興味深い。
    ここまでの力を入れられるかは、対象がその企業のメインプロダクトそのものなのか、プロダクトをアピールするための活動なのかで違うと思う。
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    投稿日:2020.04.16

  • しあわせキャリア支援センター

    しあわせキャリア支援センター

    誰もが知っておくべき今や世界共通言語のジェンダーの常識を、起業発信を軸に綴った1冊。成功・失敗する「女性像の発信」はどこにあるのか、具体的な事例が多数紹介され、自分の概念を顧みることができます。
    またシンデレラからアナ雪まで半世紀以上にわたり進化するディズニー映画のプリンセス変遷でたどる女性像の変化・進化はとても興味深く、ジェンダーを感覚として理解するのにうってつけです。続きを読む

    投稿日:2020.04.10

  • Tomota

    Tomota

    ・ジェンダーとは「社会的な性差」のこと。ジェンダーに基づく規範は、私たちの日常生活や職業生活に深く浸透しており、言動や意思決定に影響を与える。

    ・ジェンダー問題の1つであるセクハラについて、日本の基準と海外の基準にはギャップがある。例えば、上司が部下を食事に誘い、部下が断れずに一緒に行き、セクハラを受けた場合。日本では加害者に悪気はない。部下がノーを言わなかったから、相手も好意を抱いていた、と思っている。一方、欧米では「優越的な地位を濫用したセクシャル・ハラスメント」と見なされる。
    欧米では「明確なイエスがなければノー」が常識。

    ・ジェンダー炎上したCMは、女性に「社会慣習や男性に都合の良い“型”を押しつけている」点が共通する。
    例えば、資生堂のCMでは「女性の価値は年齢で決まる」という趣旨が、サントリーのCMでは、男性に迎合する若い女性との性行為を連想させる演出が、批判の対象となった。

    ・ジェンダー炎上したCMの背景には、次のような問題がある。
    └この表現で問題はないかといった配慮や、このCMを見て気分を害する人はいないか、といった想像力が欠けている。
    └女性の社員や管理職が少ない。そのため、企画が女性から見て炎上リスクがあっても、会議の場で意見を言いにくい。
    └働く女性が抱える問題をよく知らず、そのCMが描くリアリティは現実をどう解釈しているのかという視点に欠ける。
    └ジェンダー炎上が起こるCMは、テレビよりネットの方が多い。それはテレビに比べて、予算や人手、ルールが少ないネットでは、厳重なチェックが働かないことによる。
    続きを読む

    投稿日:2019.09.10

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