【感想】迷宮百年の睡魔 LABYRINTH IN ARM OF MORPHEUS

森博嗣 / 講談社文庫
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
3
9
2
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ブクログレビュー

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  • tomoo

    tomoo

    女王は繋がりあって、遡るとどこにたどり着くのしょうか。四季じゃないかな、だったらいいな、と思っています。
    殺人に動機がないのは森ミステリィの王道ですが、今作では合理性がありました。よくこんなこと思いつくなと関心しきりでした。続きを読む

    投稿日:2023.04.03

  • きゃろらいな

    きゃろらいな

    このレビューはネタバレを含みます

    再読。数年前に訪れたモンサンミッシェルを思い出しながら読みました。人が首を斬られて死んだりしてるのに、幻想的でなぜかロマンチックな世界観になるのがさすが森ワールド。ロイディがとてもとても愛らしい。

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    投稿日:2023.02.02

  • WA

    WA

    このレビューはネタバレを含みます

    文字通り、睡魔と迷宮に突き落とされ沈められた気分。

    ひとつの躰に、ふたつの独立した精神がある。
    理解と同時にじわじわとゾッとした。多重の人格の意味、そしてそれは、実験。
    結局、頭脳だけを抜き取られた状態では半永久的に死ぬことがない?wシリーズがこの先の未来であるのなら人類はすべて、ゆるやかな自殺を強いられていて、例え実行したところで結局死ぬことがない。みんながみんな、夢の中にいる。

    頭脳を生かすために躰は存在している。
    人間が機械になるのでなく、機械が人間になり得るということ。
    「人間としての誇りを持ちなさい」と繰り返すメグツシュカ。
    機械が人間になるのが怖いのではなく、人間という名前の椅子取りゲームに敗北する恐怖。共存ではなく、淘汰される存在になるのか。

    それにしても「人間として認識できなかった」から攻撃された、というのは背筋を這いのぼる寒気を感じるな…。人間という定義を徐々に人がはみ出しているのか、ウォーカロンと人の区別がつかなくなっているのか。ただ純粋なバグか。浦沢直樹のPLUTOでいう「機械が人に近づき過ぎた」のか。

    人間、機械、クローン、ウォーカロン。
    クローンの定義が掴めなくて、終盤に向かうにつれて大混乱。
    やっぱり名前が共通してたことには意味があったのか

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    投稿日:2022.09.20

  • aya

    aya

    このレビューはネタバレを含みます

    220703*読了
    メグツシュカ様、シキ様!!
    百年シリーズを読む前に Wシリーズを読破してしまったのだけれど、今作でその二つが繋がりを見せて、テンションが上がりました。

    島の機構がダイナミックすぎる。これもマガタ・シキのなせる技。
    メグツシュカ(シキ)様が束の間滞在し、実験を行なっていた、その島での出来事。
    密室殺人が起きるのだけれど、それが霞んでしまうくらいのことが起きてしまう。
    ミチルがロイディの視点になるシーンは、私が読んできた小説の中でも経験したことがない表現。
    でも、それに違和感を感じさせず惹きこませるのが森博嗣先生の力。ひれ伏したい。

    Wシリーズでのウォーカロン、クローンの先駆けとなる実験をしているシキ様。
    ミチルとメグツシュカのやり取りはただの会話とは思えなくて、事実、親子の会話でもあるわけで。
    そこに漂う想い、天才のシキ様はどう感じているのかと予想してみても、きっとその予想は当たらない。

    私は先にWシリーズを読んでいるから、そちらでのロイディを引き取る場面が何度もよぎりました。
    あのシーンにどう繋がっていくのか。ああ、気になる。

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    投稿日:2022.07.03

  • nomitomo13

    nomitomo13

    100年の間、外部に様子が伝えられたことのない宮殿より取材許可を得て、伝説の島を訪れたサエバ・ミチルとウォーカロンのロイディ。伝説の島で起きた事件に2人は巻き込まれていきます。

    百年シリーズ第2作。生とは何か、人間とは何かを問う物語。続きを読む

    投稿日:2021.11.14

  • ASHITAKA

    ASHITAKA

    このレビューはネタバレを含みます


    こういった小さなプライベート・ソサイエティ(私設社会)は、世界中でさまざまな形態が試行され、模索されている。
    第1章 海はいかにして押し寄せたか より


    人に支配されることが嫌いなのに、なんとか自分を支配しようとしている。

    僕からの光は直進して彼に届き、彼からの光は反射して僕に届く。
    第3章 王はいかにして君臨したか より


    テスラが人型のロボットを作ることを発表したのが
    つい先日。作品内の舞台は22世紀。アジアが遠いと話していたので、ヨーロッパのどこか? 人口は(ちょうどいいくらいに)減り、エネルギー問題もクリア。トヨタのウーブン・シティのような実験都市がそこかしこに、というイメージ。またメグツシュカ、デボウと真賀田四季との関連性があるのかな、と考えつつ読み進めました。
    本作は今から約20年前の2003年刊行という驚異的な耐久力。また、そうとは感じさせない想像が尽くされているように思えました。未来は一人ひとつのAIを持つようになる、とまで話しているくらいなので、幻想小説とはいえ作者の想像上の未来が描かれているのかもしれません。

    一般的にSFの未来ものはディストピアを描きがちですが、言ってしまえばそれは現実からの乖離と想像力の欠如を補った結果のようにも思えます(そしてなぜかアジアンテイスト)。少なくとも森博嗣さんの描く未来の方が現実の延長線上にある気がして、まだ読んでいないW,W2が楽しみです。

    クローン、人間、ウォーカロン、機械。境界は今よりずっと曖昧になるのかもしれません。機械が人間になる、という台詞はその境界も幻だという示唆であり、ひとつの真理。だんだんスホが真賀田四季に思えてくるのが不思議です。

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    投稿日:2021.08.24

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