国境の南、太陽の西

村上春樹 / 講談社文庫
(527件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
116
180
141
30
3

ブクログレビュー

"powered by"

  • スミレ

    スミレ

    このレビューはネタバレを含みます

    珍しく主人公が最後まで好きになれない…。過去の幻影に引っ張られて一時は今の幸せを手放したいとも思い、「中間」を失ってしばらく虚無に生きて、でも結局帰するべき所に帰する「僕」。全体的に彼の人生は心惹かれる女性の「たぶん」や「しばらく」という言葉の響きにある曖昧さという呪いにかけられている。不倫やそれに見せかけた純愛は珍しいテーマではないし、経験則と年齢を重ねるにつれて複雑さを増す理屈を捏ね回しながら出来事が語られる点なんかは通常運転なんだけど、いつも以上に「受け身」で、かつ周囲を必要以上に(しかも無自覚に、時には何をするでもなく実在そのもので)傷付けている。

    というか、女を舐めすぎ。妻も随分前から気が付いていたんじゃないのかな…。島本さんは最初から最後まで幻影?妄想?とさえ思える。会いたい気持ちが強過ぎて、途中から幻として再会したのでは?なんて。妻は紛れもなく現実世界=「こちら側」の女性で、島本さんは完全に幻影で、イズミはその「中間」にいて…。
    例によって残るは謎ばかり。中年男は誰?封筒は何だったの?従姉とのセックス狂いの時期、要る?

    もうなんというか読めば読むほど美しいのにみんな嫌いになってくるし最後が辛すぎた。誰かイズミを幸せにしてあげて。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.03.07

  • ころまる

    ころまる

    4度目?の読了。ジャズバーに行きたくなる。青春は帰ってこない。過去を変えることはできない。他人を変えることもできない。知らないうちに他人を傷つけている。そして傷つけられている。気持ちを表現できずにもがいている。続きを読む

    投稿日:2021.02.14

  • つじまな

    つじまな

    “悪い星のもとに生まれた恋人たち”の物語。ハッピーエンドなのか迷う。内容関係ないけどジムでウェイトリフティングやって足が攣るってどういうことなの。

    投稿日:2021.02.14

  • いぬ

    いぬ

    このレビューはネタバレを含みます

    再々々々々々読くらい。
    好きな箇所は同じだけど、刺さるところは毎回違う。
    倫理的には褒められたことではないし、女の立場から言ったら「都合のいいこと言わないでよ」となる。

    けど!
    私はこの本が好きなのだ、それこそ"吸引力"を感じるレベルで。

    そのへんにある何もかもをお盆に載せて持っていきたくなるような笑顔を持つ島本さん。
    そして表情という名前で呼ばれるはずのものがひとつ残らず奪い去られていたイズミ。
    彼女たちは対照的ではあるが、ハジメにとって意味するところは同じなんだろう。


    そして、島本さんは「イエス」か「ノオ」しかないのよ、中間はないの、と言うが、それは幻想でしかない。
    現実世界を生きる私たちは、中間を取るしかない時もあるし、むしろその方が多いと思う。
    そうして生きているうちに、ある日自分の中で何かが死に、太陽の西へ西へ歩き続けて、自分自身も地面に倒れて死んでしまう。
    なんとなくだけど、そんな気がした。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.02.07

  • a00t0gam

    a00t0gam

    読んでいて胸が痛くなった。
    主人公の男性は、女性から見ると情けなく甘えている感じも受けるが、それでも等身大の人間を描き切っていると思った。この小説は、人間をどこまでも素直に愚直にありのまま捉えていると思った。
    登場人物全員の心情が分かる気がした。絶対にもう元に戻ることはないもの、中間のないもの、辛い思いをしているのは自分だけではないこと、確実にその通りだけど、いつもいつも見失ってしまうものばかりだ。
    立場が色々とあるが、主人公がものすごく大事にしていたものを永遠に失ってしまったのは間違いなく、その張り裂ける胸の痛み、喪失感、やがてくる無力感虚無感脱力感…どれも一度は感じたことがある感覚であり、共感するとともに、読んでいて辛くなった。
    どうすればいいのか分からない、何が正解か分からない、誰かを傷つけるかもしれない、自分が傷つくかもしれない、でもどこまでも自分は自分でしかない、命が続く限り生きていくしかない。そのような、ある種の諦めを受け入れる。でもそれが日々の営みであると思うし、普遍的なことだし、人間なんてそんなものだと思った。
    続きを読む

    投稿日:2021.02.05

  • サカイ

    サカイ

    このレビューはネタバレを含みます

    結局最後まで今の島本さんのことが何も分からず、本当に幻のような存在がとても良い。別れる度に、もう登場しないんではないこと思ってしまう。
    そしてイズミの怖さの表現がすごい。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.01.29

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

本棚の開き方(スマートフォン表示の場合)

画面左上にある「三」ボタンをクリック

サイドメニューが開いたら「(本棚アイコンの絵)」ボタンをクリック

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。