【感想】瑕疵借り

松岡圭祐 / 講談社文庫
(62件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
8
30
17
3
0
  • 瑕疵物件を通して泣ける物語

    今回は久々の現代もの

    瑕疵物件と聞くと孤独や悲しさが想起されますよね
    まぁ、そこはその通りなんですけど…

    それはなぜ瑕疵物件となってしまったかの物語
    その物語を読んだときにはほろっと泣ける事実が待っています

    賃貸物件に関しては基本的には前の住人が住んでいたはず
    つまりは住んでいた人の人生の一部がが詰まっているんですね

    自分が住んでいる物件は瑕疵物件ではないけれど、
    前の住人はどんな人だったのかなとつい思いを馳せる物語です


    なお、短編なのですごい読みやすいです
    おすすめです
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    投稿日:2018.05.16

  • 今の時代の家とは?家族とは?

    ネットで専用のサイトもある瑕疵建物。
    みなさんも自分が引越する時に検索したこともあるのでは?

    事件やその他なにかが起きたことで報道され、その直後にその部屋に住む「瑕疵借り」のある人物が、その「瑕疵」を「剥がす」
    ・・・瑕疵剥がしって言葉はあるのか?
    登場人物に、今の日本の闇とも言える社会問題を絡めている所が早筆の松岡圭祐さん流石です。

    長編もよく読ませていただいていますが、短編の方が細かい描写は描き込んでるように個人的には思えました。
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    投稿日:2018.06.06

ブクログレビュー

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  • ルーーク1125

    ルーーク1125

    難しい内容かと思ったが、1人の男を中心とした短編集だったため飽きずにサラッと読むことができた。

    事故物件=怖いとだけ思っていたけど、そこに至る様々なストーリーは普段なかなか知れない世界なので興味深かった。続きを読む

    投稿日:2024.04.09

  • RYO

    RYO

    怪談やホラーには良くある瑕疵物件(所謂いわく付きの部屋)をテーマにした短編集。
    そのため、ホラー風ミステリ小説かな、と思って読み進めたところ、予想に反して期待を裏切る泣けるミステリーでした。
    ただ、それで評価が下がることはなく、逆に全編面白かったです。
    キーワードとしては「瑕疵物件」と謳っていますが、なぜその部屋に住んでいた人物は亡くなることになったのか、といった背景を探っていくミステリーだと思います。
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    投稿日:2024.03.02

  • Chacha

    Chacha

    「瑕疵借り」
    事故物件が起きた物件に一定期間入居し次の入居者への告知義務を軽減する人のことを指す隠語。
    告知義務が無くなるわけではない。

    どの物件にでも起こりうる事件。4篇の短編集。
    原発関連死、賃借人失踪、謎の自殺、家族の不審死…
    賃貸物件に住んでいる誰にでも明日訪れるかもしれないお話。

    面白かったです。
    勝手に表紙とタイトルからホラー系だと思って購入したんだけど、人情系でした。
    ホラーだと思って読み始めてしまったから、え?とはなったけどそんなことどうでも良いくらい心に染みました。

    色んな理由で入居した人、遺された人、託された人、名義人になった人。
    色んな人で色んな理由で色んな人生で、「瑕疵物件」ってだけで怪訝したりするけれど、その裏では何があったのかを考えるとそれはまた違う気がした。

    藤崎がなぜ瑕疵借りになったのか等の言及がないのもいいのかもしれないけど、この人を深堀した話があっても良さそうだと思った。
    続きを読む

    投稿日:2023.10.03

  • あや

    あや

    これ、面白かったです。表立って不動産やさんも認めていない瑕疵借り。事故物件に住むことで心的瑕疵を解消しようとするものですが、この小説に出てくる瑕疵借りの藤崎という男は、その部屋で亡くなった人の家族が訪ねてきたときに、家族も知らなかった事を気付かせる方向に導く不思議な人物です。読んでいてどの話の人物も、どこにでもいそうな感じで、身近な感じがするのもこの小説の良さなのかもしれません。続きを読む

    投稿日:2023.04.15

  • nami

    nami

    このレビューはネタバレを含みます

    著者の社会派の新境地とあって期待しながら読んだ。面白かった。短編の構成になっているが藤崎達也という興味深い人が登場しそして彼にも惹かれる。『瑕疵』という言葉、意味を初めてしった。現代社会の問題が盛り込まれていてその謎もしっかり藤崎が解いてくれてスッキリする。各編の内容は解説で丁寧にされている。著者の他の作品にも興味深い。こちらの続編も期待している。

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    投稿日:2023.01.12

  • masato

    masato

    訳あり物件に意図的に住む人→瑕疵借りをテーマにした短編連作。
    ホラーや嫌がらせ系の話と思いきや、想定と違って胸打つ物語でした。

    ■土曜日のアパート
    福島の除染作業員が亡くなった物件
    そこに残されていたものとは?

    ■保証人のスネップ
    名義貸しして賃貸の保証人になった男に家賃の催促
    借りていた女性の正体は?
    そして彼女が残したモノとは?
    これ、一歩踏み出す気持ちがもらえます

    ■百尺竿頭にあり
    音信不通の長男がアパートで自殺
    人付き合いが苦手でブラック企業に勤めていた理由
    そして、自殺の真相
    そこにあった想いが哀しい

    ■転機のテンキー
    パティシエになりたかった娘。その母親が突然死。
    母親と父親が娘に隠していた秘密
    これは悲しい

    真相を明らかにするのが、瑕疵借りを本職とする藤崎。
    そしてその藤崎によって、残された人たちが癒されることになります。
    不思議な設定の物語ですが、とても良いです。
    シリーズ化されないかしら..
    続きを読む

    投稿日:2022.11.20

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