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アニー・バロウズ, 佐野晶 / ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル (2件のレビュー)
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幼馴染の伯爵家の子息(ヒーロー)と地主の娘(ヒロイン)が両親によって引き裂かれて10年。 その10年の間に男性恐怖症となったヒロインがヒーローに名ばかりの妻にしてほしいと頼みこむ。 継母は悪い人じゃないんだけど、実際こんな人と一緒にいたら息が詰まりそう。 ヒーローがヒロインに幸せになってほしいと、今までの習慣をなくして色々とお節介をやく姿が無自覚メロメロヒーローでした。 言葉に詰まると眼鏡を外して拭きはじめるという癖を持つヒーローが可愛らしかった。 邦題がとても内容にあっていて、この「蝶になれない」ってのはヒロインでもあるけどヒーローのことでもあるんだなぁと。 青虫な二人の成長物語。 関連作:「子爵の贈り物」「子爵の理想の花嫁選び」
投稿日:2018.11.29
megumi33
面白かったです。 最初はタイトルに惹かれて購入しました。しかし、内容は帯の紹介文から想像していたのとは少し違いました。 この物語りは幼馴染みの若き伯爵と地元の名士の娘の二人が大人たちの策略によって、引き離されてしまうという出だしで始まります。 大人になって再会した二人は、引き離されたことも知らず、互いに「約束を破った」と思い込み、哀しい誤解をしたままです。しかし、ヒロインは継母から意に添わぬ結婚をさせられそうになり、幼馴染みの伯爵に助けを求め、「契約結婚」を持ちかけ、すげなく断られてしまいました。 結局、紆余曲折の後、二人は誤解し合っていたことが判り、また互いの気持ちも確認して最後はめでたくハッピーエンドとなります。 私の当初の予想では、早い段階で二人が契約結婚して、仮面夫婦を演じる中の葛藤のなかで次第に夫婦らしくなってゆくのかなと予想していましたが、想像は見事なまでに裏切られました。 物語としては、二人が結婚に至るまでのプロセスを描いているといった方が良いです。 何よりタイトルが物語りの内容をとてもよく表現しています。 冒頭のまだ幼いヒロインが病気で寝込んでいる伯爵の部屋に忍び込み、捕まえてきた色鮮やかな蝶を部屋に放つシーンは、とても印象的でした。 色とりどりの蝶たちが室内を飛翔する光景が眼に浮かぶようでした。タイトルはそこから来ているのかなと思いきや、そうではなく、実は誤解に縛られていた、大人になりきれていないヒロインと伯爵が「蝶になれていない青虫」の段階である―、そのことからきているのだとラストの方で判りました。 心が温かくなるような初恋物語で、二人が最後に結ばれるシーンについても具体的な描写があるにも拘わらず、嫌らしい感じはまったくありません。 ありがちなハーレクインの王道パターンとはまたひと味違った作品だと思います。 後は、タイトルに「シンデレラ」とあるように確かにヒロインは継母と義妹がいて、継母はお転婆なヒロインを何とかレディらしくしようとするのですが、、、 この継母は、けして悪い母親ではありません。自分なりに継娘に対して良かれと思った仕付けをしていて、それなりにヒロインのことを思っているようです。 義理の妹は無邪気で、これもまた優しい娘です。 基本的に、この物語には悪人が一人も登場しません。そこが不自然のようにも思えますが、この作品の魅力でもあると思います。
投稿日:2018.06.02
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