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コルム・トビーン, 栩木伸明 / 新潮クレスト・ブックス (6件のレビュー)
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Shion.K
なんか、こう、女の強さと弱さとしたたかさと脆さがいい塩梅で描かれていて、なにも取り繕ってない感じが素敵でした。 女の嫌なところ、素敵なところ、だめなところ、良いところが、所狭しと詰まってました。
投稿日:2019.04.13
shogotanaka
地味な物語である。夫を失った46歳女性が4人の子と一緒に生活を立て直す話なのだが、これといってドラマチックなことは起こらない。全てがちゃんと時間をかけて少しずつ変化していく。関係が消失するということは…、守るべき義理やしがらみのような制限もなくなり、自由になることでもある。また、主人公がわりと人を突っ放したような性格で容易には共感できないのもすごい。音楽に出会ってからの活きいきした描写は読んでいて楽しい。続きを読む
投稿日:2018.05.12
mishuranman
このレビューはネタバレを含みます
年頃が近いからだけでない深い共感と、感情抑制への敬意。連れ合いの死の喪に3年は長いか短いか。SNSのある時代にこれを読む不思議。いや、今だからこれが小説としての力を持つのか。
投稿日:2018.03.03
Menina
コルム・トビーン。アイルランドを代表する作家だそうだ。ノーベル賞の下馬評にも名前が挙がっているとか。はじめて読んだのだが、こういう作家さんがノーベル賞をとってくれたら嬉しいなあと思う。 『ノーラ・ウェ…ブスター』は自伝的小説だそうである。主人公は作家の母と同じく46歳で夫に死に別れ、父の死後、吃音症になった息子は作家本人に重ねられる。 それまでは世の煩いごと…お金を稼ぐということから、小さい村での人づきあいまで…を人望の厚い教師だった夫にたのみ、それを「自由な生活」だと居心地よくおさまっていたノーラ。夫の死からすべてが現実的に彼女の双肩に乗ってきた。 頭の切れそうな妹には「言いたいことが何もない人間だ」と思われている、と自覚していたノーラだが、本当はそんなことない。次第にその深い洞察力と観察眼が表に出てくる。 夫の死後、上の娘たちは社会への一歩を踏み出し、息子たちは思春期という難しい時期にはいっていく。目も手もかけねばならないこの子たちを、ノーラの妹たち、おば、亡夫の兄姉が気持ちよく手助けする様子がよい(ときに『違うんじゃないか』とノーラは思っちゃうところも)。ノーラの周囲の人たちの個性が良くも悪くも、丁寧に書き込まれている。ここにはいない夫ですら、その人となりが伝わる。 夫の死からの数年、少しずつノーラにあらわれる変化をつぶさにとらえた、ただそれだけといえばそれだけの物語なのに、胸の奥深くに残る、忘れがたい作品だった。続きを読む
投稿日:2018.02.07
fuutw
夫を亡くしたノーラの3年間。 お金のこと、仕事への復帰、子どもたちのこと、親戚のこと、政治、音楽。考えなきゃいけないこと、やらなくてはいけないことがたくさんあった。 3年なんてあっという間だということ…が驚くべき筆致で描かれている。(ヨーロッパ的な節目に疎いせいもあるのだろうけど、一回忌などもしないし、そんな感傷にひたるひまもノーラにはないので、恐るべきスピードで年月がすすむ。読み終えた時、はじめてこれで3年も経ってしまったの?と感じるのだ。)続きを読む
投稿日:2018.01.21
アヴォカド
この人も、ハズレのない作家だなあ。 ノーベル文学賞に近い1人。 手に入りにくくなっているものもあるのが惜しまれる。 人生には大なり小なり避けることの出来ない荒波があるわけだけれど、静かに骨太に揺られ…る。続きを読む
投稿日:2017.12.13
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