【感想】勁草

黒川博行 / 徳間文庫
(30件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
6
11
9
2
0
  • 読めないこのタイトルは何を言い表しているのかな?

     正直言って、タイトルは読めませんでした。「けいそう」と読むそうな。広辞苑によれば、「風雪に強い草。節操・意志の強いことのたとえ」とありました。さて誰を指しているのでしょうか。
     物語は、貧困ビジネスにも触れながら、詐欺グループと警察の息詰まる攻防を描いたものです。双方の視点に立って描かれているのが、大変興味深いものでした。
     しかし、単なる詐欺グループであった主人公が、殺人死体遺棄に巻き込まれたというか、その隠蔽工作に加担したところから、読者は、唾棄すべき詐欺犯の一人である、この「橋岡」という男に感情移入するようになるところが、作者のうまさですよね。
     なんとか逃げ延びてくれと、願いながら読んでいる自分がいることに気がつきます。しかし。。。。。
     きっと、この「橋岡」の相棒?であった「矢代」のような男は、な~も感じず、図太く、したたかに生き延びていくのでしょうね。と考えると、勁草とは、この男のことだったのかなぁ。
     それにしても、あの私書箱代行会社における張り込みについては、あまりに警察はお粗末だよねぇ。あんなに簡単に見破られてはいけませんよね。大体、なぜ一人くらい社員として中で待機していなかったのかなぁ。どーも読んでいて、そこに引っかかりました。
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    投稿日:2019.10.04

ブクログレビュー

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  • law

    law

    このレビューはネタバレを含みます

    個人的には関西メイン=関西弁、あと土地名が何て読むのかわからなくなってこんがらがってしまう笑
    映画化された作品だからなんとなく本屋で手に取ってみた作品。
    時間はかかったけどなんとか読み切った、、、
    前半よりは後半の逃亡劇ごスリルとスピード感があって面白く楽しめた!
    まさか最後はあんなクライマックスになるなんて、、、
    どうせなら最後まで逃げ切って欲しい気持ちとちゃんと捕まって罪を認めて欲しいの両方だったから、少し寂しく感じた。

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    投稿日:2024.02.20

  • ちょうこくどう

    ちょうこくどう

    映画BAD LANDSの原作と知って読んでみた。お馴染みの黒川ワールド。勁草(けいそう)とは、風雪に耐える強い草のこと。何故この題名にしたのだろう?哀れな生き様の受け子役のイメージだろうか…。

    投稿日:2024.02.11

  • NFCC図書館

    NFCC図書館

    進化するニセ電話詐欺手口を克明に描き尽くす。追う刑事、逃げる詐欺殺人犯。直木賞作家が挑む迫力の犯罪サスペンス!(e-honより)

    投稿日:2024.01.16

  • wiz_meee

    wiz_meee

    結構、時間を忘れて読んでしまった。というか、この本を読み進めるために睡眠時間一時間くらいなら削ろうかとか、気が付いたらこんなに時間が経っていたとか、そんな感じ。映画を先に観たのも良かったかもしれない。いや、良かったのかなぁ。良くも悪くも映画の印象に左右されそうな。橋岡が男だと言われようが私の中ではやけに安藤サクラさんがチラついた。ただ事件の経過をなぞる話かと思いきや、最後はそう来るんだ。久しぶりに、一気に読み進めたいという焦りとわくわくで楽しい本だった。続きを読む

    投稿日:2023.12.31

  • kohei1813

    kohei1813

    映画「BAD LANDS」の出来がすこぶる良かったので原作も読んでみた、するとただの犯罪小説でがっかりした、そこにはドラマらしいドラマがひとつもなくただただ犯罪がるる綴られているだけだった、原作者は映画脚本の方が数倍良い場合どう感じるのだろう、近頃は原作レイプ作品が多い中、本作のように原作を凌駕する映画も偶にあるのだなあと感じた、この原作者の作品を読むことはもうないだろう。続きを読む

    投稿日:2023.12.17

  • Modest Tapir

    Modest Tapir

    原田眞人監督の『BAD LANDS』がとても良かったので原作にも手を出してみた。
    基本的なストーリーラインは映画と同じなのだが、登場人物は原作は男性主人公で映画の方は女性主人公である。バディは共に男性だが、映画の方は兄弟である。
    原田眞人監督は登場人物を魅力的に描くことに長けており見た目や話し方、仕草一つとっても面白い。原作はそういう描き方はほとんどないので一番の魅力の部分が欠けた感じ(原作がこちらなので欠けたも何もないけど)

    良かったのはやはりオレオレ詐欺の細かい描写部分。
    黒川博行作品は初めて読んだが、他の著作を見てみるとその道のプロフェッショナルを描いた作品が多い。そういう描写は映画では見えないところも多いので、面白かった。
    それとこの分厚さながらとてもリーダビリティが高く、あっという間に読めてしまった。

    全体を通すと原作の方が綺麗にまとまっていて完成度は高い。だが余りにも綺麗にまとまりすぎていて面白くないのが欠点。
    映画の方は原田眞人監督らしい粗さがあるのだが、そこがとても魅力的だ。
    映画から見ると原作に面白みは感じないかな。ただ原作が好きだと、今度は映画が全然違うじゃねえかみたいなことになりそうではある……笑
    続きを読む

    投稿日:2023.10.30

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