【感想】ボコ・ハラム―イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織―

白戸圭一 / 新潮社
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • pomet

    pomet

    2014年に数百人の女子生徒を誘拐したテロ組織、ボコ・ハラム。自分もそれではじめて聞いた名称だった。
    だが、それ以前にもそれ以後にも多くの残虐な活動をしている。それが先進諸国でなぜ話題にあがらないか。逆にどういう事件だとニュースになるのか、という分析が丁寧になされている。
    ナイジェリアの国の成り立ち、政治の不安定性、イスラム教とキリスト教。イスラム教の中での対立。とてもわかりやすく解説されている。
    また、後半のサブサハラアフリカ(サハラ砂漠より南の地域)の現状と今後の展望も大変興味深かった。
    人口の3分の1がサブサハラアフリカになるという人口予測には驚かされた。haあたりの生産量など、分析が細かく大変勉強になった。
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    投稿日:2022.11.28

  • sacty

    sacty

    西洋を挑発しイスラーム世界と西洋世界の対立に持ち込む為に女子生徒を集団誘拐?だが誘拐した女子生徒をイスラムに改宗させ奴隷として売買するのはイスラム的にも誤っている。(ISは多神教徒の奴隷売買してた)
    また誘拐した少女に自爆攻撃を強制し、あのISからも批判された。

    ■なぜ結成されたか
    ボコ・ハラムが出現した経緯は他のイスラーム組織同様、現地のガバナンス不全(失業、腐敗政治)に失望しイスラームに解決を求めたタイプ。
    1999年以降、彼らの要望通り州単位でシャリーアが導入されたが、厳格な運用は回避する州が多く当局に憤っていた。しかし当時の指導者は武力行使に批判的だった。しかし前指導者は司法手続きを経ずに警察に殺害され彼らは過激化した。
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    投稿日:2022.05.15

  • midnight1124

    midnight1124

    このレビューはネタバレを含みます

     著者は「ルポ資源大国アフリカ」(東洋経済新報社)で、アフリカの苦悩は、根源のところは、というか始まりはやはり列強の植民地支配であり・・・・ということを暴いた。そしてこの本で明らかになるのは、ボコ・ハラムの出現までに至るまでのナイジェリアとその周辺の困難・苦悩は、やはりイギリスを始めとする列強の植民地支配から始まっているということである。

     貧困や差別、格差などが社会変革の運動となっていくのは、いつもそうである。しかし、経済成長がテロの芽を積むことには決してならないことを著者は明らかにする。「テロを企てる際には、無辜の民を殺害する自らの行為を正当化する理論的・思想論的武装が重要である。その意味で、テロとは思想の産物で(中略)知的作業を行い得るテロ組織の中心人物たちが、高等教育を受けた中間層以上であるのは自然なことである。」「テロ組織の中枢が経済的貧困と無縁な人々によって占められている」「経済の急成長で人々の生活や価値観が急激な変容を迫られ、富や雇用機会の偏在が進むと、これを是正しようとする反体制的性格を帯びた運動が台頭し、その中から暴力を厭わない過激主義者が生まれるリスクを、我々は考慮しなければならないのである。」。日本を含めた世界のテロ組織はかつても今もそうなのである。

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    投稿日:2018.01.14

  • hosinotuki

    hosinotuki

    アフリカのことは筆者の言うように遠い世界の出来事であまり知らなかったが,このような過激な組織のことを成立時から書かれたものを見ると,歴史の必然とも言えるのかもしれないが,何かできたのではないかという思いにかられる.とにかく弱者を虐げる者に正しいものがあるはずもない.そして,日本が結構お金を出していることにも驚いた.このお金が武器や爆弾に変わらないことを信じたい.続きを読む

    投稿日:2017.10.05

  • mishuranman

    mishuranman

    このレビューはネタバレを含みます

    アフリカってどうなってるかというのは日本にいると本当に見えない。中国がアフリカで伸びているのもなんか理解できた。この人注目していこう。

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    投稿日:2017.10.02

  • call4

    call4

    女子生徒271人の拉致、イスラム国以上の殺戮など世界で最も人を殺した武装組織と言われるボコハラム。

    日本ではほとんど知られていないが、本書を読むとその実情がわかる。

    中でも驚きなのが推定支持率5%という点。
    なぜ殺戮を繰り返すボコハラムが世論を集めることができるかが疑問だったが、根強い治安当局への不信、とあって、現状が悪いことでそれを壊してくれるものに期待が高まるのだということを理解した。

    ボコハラムはグローバルなテロ組織に成長しているとのことでいつまでも無関係ではいられないのかもしれない。
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    投稿日:2017.09.03

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