【感想】透明な迷宮

平野啓一郎 / 新潮文庫
(22件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
3
9
4
1
0

ブクログレビュー

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  • にこ

    にこ

    このレビューはネタバレを含みます

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    奇妙、官能的、美しい短編集。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    深夜のブタペストで監禁された初対面の男女。見世物として「愛し合う」ことを強いられた彼らは、その後、悲劇の記憶を「真の愛」で上書きしようと懸命に互いを求め合う。その意外な顛末は……。表題作「透明な迷宮」のほか、事故で恋人を失い、九死に一生を得た劇作家の奇妙な時間体験を描いた「Re:依田氏からの依頼」など、孤独な現代人の悲喜劇を官能的な筆致で結晶化した傑作短編集。

    ⚫︎感想(ネタバレ)
    平野啓一郎さんの作品は、静かで美しい空気が感じられて好き。

    1.消えた蜂蜜 レアな特技、ハガキ全写し。
    2.ハワイにさがしに来た男 毎日自分を探している男
    3.透明な迷宮 双子
    4.family affair 拳銃
    5.緋色の琥珀 火への性的興奮
    6.Re:依田氏からの依頼 時間が遅く流れる

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.11.19

  • kazuhisachiba

    kazuhisachiba

    愛の形を思考する過程を,6篇の短編で紡ぐ.どのようにしてその思考過程に至ったのか,が語られないため,表層的にしか捉えることができないが,その考え自体,愛に画一的な答えがあることを前提にしているのか,と思い至る.自然と考えに耽させる本書のような作品を,文学的と表現するのかも知れない.続きを読む

    投稿日:2023.08.30

  • sinsekai

    sinsekai

    久しぶりに本屋(蔦屋書店)でジャケ買いした
    本です。
    平野啓一郎さんという作家も初めてだったので
    予備知識もなく、ちょっとワクワクしながら
    読み始めました。

    「透明な迷宮」は短編小説で、どの話も少し奇妙で妖しい世界観が感じられて自分的に大好きな作品でした。

    表題にもなっている「透明な迷宮」はまさに妖しい世界観とエロス、サスペンス的な要素が入り混じっていてとても面白かったです!
    ブダペストっていう場所もなんか、こういう事が起こりそうっていう漠然としたイメージがあって
    すごくしっくりきました。
    「ホステル」ていう映画を少し思い起こさせる
    雰囲気もあって、ちょっと興奮しました。

    「火色の琥珀」という話も好きな作品でした。
    村上春樹の「納屋を焼く」を思い起こさせる感じで
    でも、こちらの方がより変態性を感じられて
    江戸川乱歩と村上春樹のハイブリッド的な感じで
    大好きです!

    平野啓一郎さん!
    初めて読みましたが、この世界観は大好きなので
    是非とも他の作品も読みたいと思いました。

    この猛暑の中、涼しいカフェで読むのにオススメな
    読みやすい短編小説なので、ぜひおすすめです!
    続きを読む

    投稿日:2023.07.20

  • マスターヨーダ

    マスターヨーダ

    記憶の連続
    寝て起きたときの自分は、昨日の自分の続きである。疑いもなく信じている。その人が、その人であることを支えるものとは何なのか。記憶なのか、記録なのか。
    日常のすぐそばに紛れている非日常を描くことで生み出されるリアリティ。人にはどこか思い当たることがあるのではないかなぁ。短編6話。

    続きを読む

    投稿日:2023.03.09

  • ゆきんこ

    ゆきんこ

    平野啓一郎短編集。「冒頭〜消えた蜜蜂」と「火色の琥珀」がとくに耽美で好みでした。とても。妖艶さを感じる。

    投稿日:2022.08.25

  • Akiko

    Akiko

    このレビューはネタバレを含みます

    表題作を含む、6編の短編が収められています。
    どれもちょっと不思議で、背中をぞわぞわ感が這いあがってくる平野氏らしい物語。「火色の琥珀」は、火に性的興奮を覚える(?)いわゆる火フェチな男性の話。リアルで怖い。本当に変態的な(失礼)フェチの人とかに取材して書くのかなぁこういうの。想像力のたまものかなぁ。
    「透明な迷宮」は海外で変な集団につかまってしまった男女のその後…。これも最後が怖い。AをBと思って行動していたら実はBはAだった、それで今度こそ本当にBをAと思って行動しようと思ったら今度はAがBだった、みたいな。結局どこからどこまでが自分の真実の感情なのかわからない、どうすりゃよかったのかもわからない~。こわーい!
    「Re:依田氏からの手紙」は時間感覚に異常をきたした男性の物語。1時間が1分に感じられたり、逆に1分が1時間に感じられたりする。退屈な授業が長く感じられて、楽しいことをしていると時が経つのがあっという間に感じられる…という経験は誰でもある。それがすごぉく極端になって、日常生活に支障が出てくる。これも描写がリアルでぞぞぞぞっとする。小説の構造も、本人になりかわって、その体験を小説風に仕立てた人物が、最後に本人に「ところで、いまの一、二分のやりとりはどれくらいに感じられるのか?」と聞くと、さらりと恐ろしい答えが返ってくる、という展開でスゴイ。

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    投稿日:2021.08.08

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