【感想】十五年前のぼく

笹原せつ / 竹書房
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 鈴雨

    鈴雨

    理不尽な理由の稚拙なイジメに端を発した、壮絶な復讐劇。最初はあらすじを読む限りそんな話なんだろうな、と思っていた。
    当たらずとも遠からずだが、ホラー&ミステリーレーベルなだけあって七不思議と絡めた展開はありきたりじゃなかろうか、と読み進めながら考えていた。
    設定はありきたりでも、進み方はありきたりではない。
    広げた風呂敷のたたみ方も、人物設定も細やかで流血表現に抵抗がなければ一読して欲しいかもと推奨できる。
    始まりが理不尽だけに、終わりも理不尽で子供ながらの残虐性がどこか強調されているように思えた。
    作中ではいじめっ子はその自覚があり残虐性がより強調されているが、無自覚ないじめっ子というよりも知らず知らずのうちに口車に乗せられていた側の末路も凄惨だ。
    思わず自分の学生時代を振り返ってしまうほどに。
    受け取り方次第では理不尽な出来事でも、いじめられた側にしたら当然の報いなんでしょうね、この出来事も。

    十五年かけて成熟された恨みが同窓会というきっかけで爆発。加害者にしてみれば対したことでなくとも、やられた側にしていれば何年経っても恐ろしさは変わらないどころか増していく。
    とても恐ろしい作品だった。
    普段は別名義で活動されているようだけれど、誰だろう。別作品も読んでみたい
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    投稿日:2014.02.14

  • ao-neko

    ao-neko

    不条理なホラーミステリ。かつてのいじめを引き金に、十五年後の同窓会で引き起こされた惨劇。あまりに異様なシチュエーションながら、そこに数々の法則が仕組まれているのが読みどころでした。特に「ある法則」によるラストの悲惨な状況には絶句。
    願いをかなえてくれる、でも頭がよくないので願いを間違えてしまう(笑)「ヤマヂくん」は、恐ろしいながらもどこかしらユーモラスで印象的。でもこんなん呼び出したくないなあ。
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    投稿日:2013.06.16

  • 文月

    文月

    竹書房の新しいレーベル「タソガレ文庫」の第一弾。別名義で活動中の作者の初ホラー小説。って、事は普段はどんな小説を書いているんだろう?ホラー&ミステリーのレーベルらしく、小学校校舎に閉じ込めらた元同級生達が謎の男に次々と殺されて行くもの。男の正体は?主人公の永島は無事に脱出できるのか?このテの小説は殺人が一定のルールで行われるのが定番。本作は15分以内に誰かが死ななければ、謎の男が残酷に誰かを殺すというもの。つまり男に殺されたくなければ、誰かを殺さなければいけない。小学校時代の陰湿なイジメ。学校の七不思議。行方不明になったのち、無惨な姿になって戻ってきた同級生。など興味をひくモチーフが次々と現れ、ここまで風呂敷を広げてきちんとたためるのかと不安になったが、見事にたたみ切った手腕に拍手!続きを読む

    投稿日:2013.06.01

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