謙虚なコンサルティング ― クライアントにとって「本当の支援」とは何か

エドガー・H・シャイン, 金井壽宏, 野津智子 / 英治出版
(28件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ピンクミィ

    ピンクミィ

    仕事に役立つかなと思い読んでみた本。
    お医者さんのようにこちらから専門的な方法を伝えるのではなく、本当の支援とはレベル2の関係を築き、クライアントが答えを出せるように問いかけをして答えを導きだすこと。
    色々なケースの例がありわかりやすかったですが実際やるとなると難しいなと思う。
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    投稿日:2021.07.29

  • NAMI

    NAMI

    1.最近のサービス業はコンサル化していることを強く感じたのですが、今までのようなコンサルでは仕事にならないと思い、自分なりにどのようなコンサルとなりたいのかを考えた結果、提案よりもヒアリングを重視したやり方がベストだと思いました。そんな中で、本書に出会い、今までとは違うコンサルのスタイルを学びたいと思いました。

    2.コンサルの中で最も重要なのは「役に立ちたい」というマインドです。これまでのコンサルは、ヒアリングと分析を行い、答えを導き出すスタイルが主流ですが、会社を経営しているのが人である以上、感情を持っています。そのため、ヒアリングしたことがすべて正しいとは限りません。そこで、より正確に深くヒアリングをし、課題を見つけ出すためには「謙虚なコンサルティングの姿勢を学ばなくてはならない」ということが本書の目的です。
    これを実現するためには「相手が答えを見出す問い方と聴き方」を身に着けていく必要があります。今までのコンサルがこれを怠ったわけではありませんが、現代は問題がより複雑かつスピーディーに変化しています。また、コンサルが大量発生したため、どの会社を選べばよいのかがわからなくなることもあります。その判断基準として、本書ではレベル2の信頼関係、つまり、仕事だけではなく、プライベートも仲良く(決していつも一緒にいるということではない)するほど良いとされています。これらを実現してきた事例として、人材育成の視点から様々な経験が語られます。

    3.ちょうど、今日上司と子会社に指導を行ってきました。やはり、旧世代のやり方を踏襲していたので、その子会社の結果は何も変わってませんでした。数字で見せて指摘を入れても長らく改善していないそうです。「相手を変える」という視点を脱却し、「自分から変わる」「相手に気づきを与える」という方向性で仕事をしなければ状況は改善しないと確信しました。本書では、相手に興味を持つことや自分が無知なふりをして相手に気づかせるテクニックについても幅広く説明しています。私は、まずは「マインド」から鍛えていきたいです。そしていつかは一言で相手に気づきを与え、相手が成長するきっかけを与えられる人間でありたいと思います。
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    投稿日:2021.04.30

  • sagami246

    sagami246

    問題には2種類ある。それは、「技術的課題」と「適応を要する課題」である。
    「技術的課題」は、正解がある問題。その問題の専門家が存在し、問題の所在に関して探るための診断をしてくれるし、その解決策を提示してくれる。例えば、医師と患者の関係が分かりやすい。健康診断、あるいは、場合によっては、精密検査を受けることにより、医師があなたの病気を特定してくれる。そして、投薬によって治療するのか、外科手術を施すのか、あるいは、しばらく様子を見るのか、などの解決策を提示してくれる。問題は簡単ではないことも多いが、正解を見出すための方法論が存在すると考えられている。
    一方で、「適応を要する課題」とは、最初から正解が分かっているわけではない、あるいは、そもそも、問題が何かが分かっていない課題。色々なことを試みてみたり、あるいは、自分自身が変わったり、問題の関係者間の関係が変わったりすることによって、物事が良くなる方向に動いたりするもの。人間社会で起こる問題は、殆どが、これに属すると思う。例えば、コロナ禍における緊急事態宣言発出の可否。最初から正解が分かっているわけではないし、そもそも正解があるのかどうかも分からない。関係者・利害関係者も多いが、利害が同じであっても、意見が異なったりする。それでも、緊急事態宣言を発出するかどうかを決めなければならない。
    私は、会社の中で人事の仕事をしている。会社の中の人に関する問題は、殆どが適応を要する課題である。会社の中の人事スタッフ、あるいは、他の職能のスタッフは、ある意味で、現場にとってのコンサルタントである。技術的課題に対応するのは、簡単ではないが、やれないということはない。人事で言えば、例えば、労働法の適用関係を問われる問題。条文があり、判例があり、それでも分からなければ弁護士に相談してみれば良い。一方で、例えば、「どうすれば、この職場の人間関係は良くなるのだろう?」とか、「若い人たちの育成にあたるマネジャーにどのように振る舞ってもらえば良いだろう?」など、正解があるかどうか分からない問題も多く、どちらかと言えば、こちらの問題の方が多い。

    本書は、コンサルタントが、クライアントの問題を解決するにあたって、どのようなことを心がけるべきかを示してくれる。特に、「適応を要する課題」について。
    会社の中のスタッフ部門の人は、読むべき本だと思う。
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    投稿日:2021.03.06

  • cmano8

    cmano8

    ・謙虚なコンサルティングに必要なのは、人間関係、信頼、率直さの3つ。
    ・3つの前の前提に、積極的に力になりたいという意志→好奇心、が必要。
    ・レベル2の関係性になって初めて解決に迎える(論理でいける、と過信しない)
     ・レベル2の信頼:約束をして守ること
     ・レベル2の率直さ:取り組みに対してお互いに協力し嘘をつかないこと
    ・雑談を場つなぎとかアイスブレイクのためにやろうとするとズレる。相手と信頼関係を結ぶための自己開示や興味の理解が大事。
    ・なぜかを問うときは、コトとトキで考える。
     1.対象は何が最適か?状況、その人の感情、行動
     2.時制は何が最適か?過去、今、今後
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    投稿日:2020.07.18

  • qqnz7fr9k

    qqnz7fr9k

    このレビューはネタバレを含みます

    クライアントを支援するとはどういうことか気づかされた。

    コンサルタント(自分) の手助けによって、クライアント(相手) が、 (1)問題の複雑さと厄介さを理解し、 (2)その場しのぎの対応や反射的な行動をやめて、 (3)本当の現実に対処すること  が、本当の支援なのである。

    支援者としての私自身の経験から言えば、重要なのはおそらく、どんな問題に悩まされているかをクライアントが隠さず話せること、それも遠慮なく安心して話せることだった。

    新たなスキルのうち最も重要なのは、これまでとは違うタイプの「聴き方」である。このスキルの向上をテーマとする書籍やプログラムを検討してわかったのだが、新たなタイプのコンサルティングを行うには、一般に推奨されるのとは別の聴き方を身につける必要があり、さらに言えばその聴き方は対応の仕方を知るためにも欠かせなかった。また、二種類の共感力を伸ばす必要もあった。一つは、クライアントが話している現況や問題について、好奇心をもって傾聴する共感力である。もう一つは、クライアントが状況や問題を説明しているまさにそのときに、クライアントを本当に悩ませている問題が何かを見きわめようとして、好奇心をもって傾聴する共感力である。

    概念に関する質問 基本的に「なぜ」と問う。この問いによって、クライアントは、コンサルタントに話した内容のさまざまな面について考察・検討し、原因について考えをめぐらせるようになる。   感情に関する質問 クライアントが話した出来事に関して、「それについてどのように感じたか」を基本に、質問をする。   行動に関する質問 クライアントの話にあったいくつかの分岐点について、「どんな行動をとったか」を基本に、質問をする。

    謙虚なコンサルティングが最も役に立つのは、クライアントの「思考プロセス」を、次の一つ以上の方法によって再構築する場合である。(一)問題をもう一度、説明する。(二)クライアント自身の役割が何かを再考する。(三)コンサルタントがすべきことは何かを再考する。これらのプロセス領域でこそ、たとえ初めて会話をしているときであっても、驚くほどすぐに支援できる場合がある。再構築によって、自分が今何を知っているかということに、クライアントが気づくからである。コンサルタントは、クライアントが最初に考えた、あるいは提案したことを上回る、コンサルタントを活用するメリットを示して支援するのだ。

    中心にあるのは常に、クライアントがどんなことを懸念しているのか、本当に欲しいものは何か、どんな問題に取り組む必要があるか、という問いに対する答えの見つけ方だ。

    アダプティブ」と呼ぶことによって強調しているのは、それが「問題」に対する解決策ではなく、状況を改善したり、次のムーヴへつながるより診断的なデータを引き出したりすることを目的とした行動だということである。「ムーヴ」と呼ぶことによって伝えたいのは、それが壮大な計画でも大規模な介入でもなく、状況を改善するためのちょっとした取り組みだということである。

    組織という生き物がいよいよ複雑さを増し、今起きているあらゆるものごとがスピードアップしている現実を考えると、これぞアダプティブ・ムーヴだと思うのは、即興劇である。計画と仕組み、法則、型があれば安心はできるが、結局のところは役に立たないかもしれない。むしろ、率直に話をして、たしかな人間関係を築き、力を合わせて即興で行動を生み出すほうが、本当の支援をすばやく行ううえで効果が高いのである。


    すべての項目に共通しているのは、それらが、役に立ちたいという積極的な気持ちと、好奇心と、思いやりから生まれるものであることだ。そして、その根本には、尊重され大切にされたいと願うクライアントを前にしてなお、クライアントが直面している状況の複雑さと厄介さを前にしてなお、変わることのない謙虚な姿勢がある。これまでと、どんな点が全く違うのだろう。それは、 個人的な関係になる 必要があることと、プロセス全体の最大の原動力として 好奇心 を重視していることである。

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    投稿日:2020.05.10

  • rio-purple

    rio-purple

    このレビューはネタバレを含みます

    従来とは異なるコンサルティング手法について語る本。日本の大企業向けコンサルティングには当てはまらないことも多いと感じた。組織戦略やPMOをテーマとする場合には納得感があるかもしれない。
    内容が凄く目新しいわけでもなく、綺麗に体系だっているわけでもないが、実際のケースが多く書かれていて興味深い。困ったときにヒントを探してぱらぱらめくると良さそう。

    ==内容まとめ==
    「謙虚なコンサルティング」とは、クライアントが①問題の複雑さと厄介さを理解し、②その場しのぎの対応や反射的な行動をやめて、③本当の現実に対処すること、を支援すること。コンサルタントは答えを出すのではなく手助けをする。

    コーチングや傾聴のような手法。

    聞き方には三種類ある。
    ①自己中心的に聞く
    ・自分の知識や経験、スキルと照らし合わせて支援方法を探しながら聞く
    ・クライアントの本当に言いたいことが聞けない可能性があるので、良くない
    ②内容に共感しながら聞く
    ・問題の要素にフォーカスして聞く
    ・「従業員エンゲージメント」が本当に心配だ
    ③人に共感しながら聞く
    ・クライアントの感情にフォーカスして聞く
    ・従業員エンゲージメントが「本当に心配だ」

    質問の種類
    ①謙虚な問いかけ
    ・支援者が答えを知らず、クライアントが自由に答えることができる
    ・基本的な情報を得るために、ここから始める
    ②診断的な問いかけ
    ・支援者は一定の考えを持ち、対話を始める
    ・概念:「なぜ」×過去/現在/未来
    ・感情:「どのように感じたか」×同上
    ・行動:「どんな行動をとったか」×同上
    ③循環的な質問/プロセスへのフォーカス
    ・その依頼はどんな結果を招く可能性があるか
    ・目的は?/集まった情報をどうするのか?/長期的な展望は?
    ④示唆的な問いかけ
    ・提案やアイデアを質問の形でソフトに伝える
    ・早すぎると信頼を損ねるため、タイミングが重要
    ・信頼関係ができるまでは、示唆的な問いかけを用意して待つべき
    ⑤プロセス指向の問いかけ
    ・次の3つのうち少なくとも1つを行う
    - クライアントの問題分析の焦点を変える
    - クライアントの支援して欲しい事柄を変える
    - 今この場でのクライアントとの人間関係を確認する「私は役に立っていますか」

    支援の場では、顧客と仕事の域(レベル1)を越えた個人的な話のできる信頼関係(レベル2)を築くことが有効。
    そのために「謙虚な問いかけ」を行う。
    しかし、そこにはリスクもあり、そもそもレベル2の関係が不要なこともある。

    顧客の目的は当然尊重すべきだが、そのためのプロセスは間違っていることが多い。
    そのプロセスのオーダーを変えるには、レベル2の関係が必要。

    ==考えたいこと==
    「誰かに支援やサービスを頼むとき、その人を信頼できるかどうか、その人が本当のことを言っているかどうかを、どのような方法で判断するか」
    「どんな種類の会話ができれば相手を信頼できると思えるようになるか」

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    投稿日:2020.05.05

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