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三浦哲郎 / 新潮文庫 (6件のレビュー)
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総合評価:
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setsusan3
このレビューはネタバレを含みます
すごいおもしろかった。たぶん三浦の言う北の悲劇に該当する話なのだろう。当たり前なのだが現代小説として読んでいけるその当たり前さに、この作家が生涯現役で作家として居続けた事実をおもわずにはいられない。昔の作品を読んでいる、ないし今の時代でないものを読むときの硬さがなく、それでいて作家性をかんじる。僕は今まで三浦を読む時に、「忍ぶ川」や「白夜を旅する人々」のような彼の根底にあるテーマ性と直結したところで読みがちだったが、この小説はただただ読めた。すごくいい意味として。つい最近、「愛しい女」を読んでから、あそこに出てくる登場人物のことを時折ふとおもいだす。そうだそうだ、小説ってこんなだったかも、と忘れかけていた感覚を呼び起こしてくれた。本作も何日か後になって作中の彼らを思い出しそうである。
投稿日:2022.02.26
♡♡♡
十年ぶりの再会をした姉弟。会うたびにお互いへの愛の深さに慄く。しかし、そんな二人に危険な人間関係が絡みつく。 清くて、切なくて、終始重苦しい雰囲気だけれどさらりと読める。ああ〜〜好きです…。比佐と砂夫…は心の奥底では男女の気持ちでお互いを見ているけれど、最後まで姉弟の関係を貫いた。あのラストは今なら古臭いと感じるけど、これが書かれたのは20年近く前だからね。何にしろ好きです。ただ、鳥子の父親はもうちょっと娘の身を案じよう??これ鳥子の父親がもうちょっと藤夫対策をしてくれればあの結末にはならなかったと思う…。続きを読む
投稿日:2017.10.30
peroperosarenai
暗い田舎で暗い生活を送る不運で暗い姉弟愛の話。暗すぎる。新聞で連載していたらしいけど、朝っぱらからこんな救いようのない話を読むのはどうなんだと思った。よくまとまっていると思うけど暗すぎた。
投稿日:2015.03.26
H
読み終わった、と言うか、途中まで読んで、まどろっこしくなって一飛びに最後数ページまで飛ぶという荒技をしてしまった作品。 もともと不幸な姉弟が最後まで救われない、と言うかむしろあの方法でしか救われないの…が辛い。 最後の日なんて最早悲壮感が無くて、肩の荷が下りた後の爽快感さえ感じる。 でも哀しい。こんな決断をしてしまうこの姉弟が、ただただ哀しい。続きを読む
投稿日:2013.05.08
より
図書館で適当に。 登場する人が生気が無くて生命力の薄そうな人が多いなあなどと思いながら読みました。感情移入していないので事件が起こってもそうなんだ~と淡々と読み進めることが出来ました。ある意味先の読め…る展開とそうはならないんだ、と言うような展開と言うか。それでも最後までよまさせられてしまうのだから凄いものです。 個人的には「あの男」が登場シーンから嫌いだったので弟君の「姉ちゃんがあんなヤツに」と言う気分はよっくわかりました(笑)トリコちゃんも結構迂闊だし叔父さんは論外だし。それにしても叔父さんとお姉ちゃんがあやしい関係じゃなくってヨカッタ。 儚げな姉弟が身を寄せ合って生きていくにはもう少し逞しくなければ難しいんだろうなあ。でもあんな武器を作った時点である意味弟君は破滅だった気がします。その辺りまで含めて終わりしか見えていなかった二人の物語を綺麗にまとめたのかなと思いました。晒し餡のような読後感のお話でした。続きを読む
投稿日:2013.03.12
ちえ
2011.04.26. 印象的なタイトル。激しい姉弟です。ついつい読ませる力あり。三浦さんといえば「ユタ」のイメージが強いけど、雰囲気が違います。解説は、石井好子さん。
投稿日:2011.05.15
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