シェイクスピア 人生劇場の達人

河合祥一郎 / 中公新書
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • tetsuya44

    tetsuya44

    前半でシェイクスピアの人物像を、時代背景とともに、生立ちから亡くなるまでを概観。後半は作品を通して、その魅力や哲学、伝えたかったテーマなどを解説。

    プライベートに関する資料は、本人が多くを処分したという下りがある。そのため、残っている記録などに推測を補って前半が構成されている。ロンドンで時に猛威を振るう疫病の恐怖、カトリックの弾圧、イギリス王位の交代による派閥の盛衰などが大きな時代背景。抜群の記憶力を駆使して、すらすらと美しい文章を綴ったシェイクスピアの作品は、人の心を強く打つ力を持っている、と締められている。

    後半部分から
    「場所が自在に変わり、時間を飛び越える」のも観客の想像力次第、これが魅力。
    理屈を超えた面白さ、頭で理解するのではなく、感じるもの。
    道化的な矛盾、主筋と副筋、二重のアイデンティティを可能にする変装、 暗さに支えられた光の劇。
    悲劇の本質はヒューブリス(神々に対する思い上がり、傲慢)にある。
    心の目で見る、信じる力、人は常に明日を信じて生きる、「信じる」行為には新たな世界を拓く力がある。

    空き時間に少しずつ読んだので、前半と後半を並行して読んでいった。意外にも2〜3年前に出版された新しい本。
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    投稿日:2018.12.30

  • ljsz

    ljsz

    足跡を追う前半と、
    世界を解く後半。シンプルにして満足いく構成。

    妻の名はアン・ハサウェイ。
    (ちなみに現代の女優の夫がシェイクスピアの肖像に似ていると話題 笑)

    シェイクスピア(槍)が、
    シェイクシャフト(槍の柄)と間違えられた手紙。

    二人のウィリアム。
    1603年 イングランド国王ジェイムズ一世がシェイクスピアを取り立てる
    同年、徳川家康のもとにウィリアム・アダムズ(三浦按針)。
    二人の長女の名前は同じ。

    リーフデ号オランダ人航海士ヤン・ヨーステン
    和名「耶楊子」の屋敷のあった場所が「八代州」のちに「八重洲」
    いかに紅毛人が重用されたかを示す一例。

    シェイクスピアの悲劇の世界は、To be or not to be.に代表されるように、
    強靭な精神があれかこれかの選択をし自らの判断にそぐわないものを否定するところから生まれる。ギリシャ悲劇の本質であるヒューブリス、神に成り代わって運命を定めようという傲慢さにあるといえる。

    【目次】
    1.失踪の末、詩人・劇作家として現れる
    2.宮内大臣一座時代
    3.国王一座時代の晩年
    4.シェイクスピア・マジック
    5.喜劇 -道化的な矛盾の世界
    6.悲劇 -歩く影法師の世界
    7.シェイクスピアの哲学 -心の目で見る
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    投稿日:2018.10.21

  • bigbang234

    bigbang234

    シェイクスピアの生涯を辿る前半はやや退屈だったが、筆者が「シェイクスピア・マジック」と呼ぶその手法を解説する後半からは俄然面白く読めた。

    ・観客に興奮させたい場面ではわざと時間を速く進める。客観的時間の「クロノス」と主観的時間の「カイロス」を巧みに使い分ける。
    ・言葉一つで瞬時に場所を移動できる。
    ・自由自在な場所設定。場所の設定は観客の想像力に任される。
    ・オクシモロンであるうちは喜劇、悲劇の本質はヒューブリス

    シェイクスピアの時代、舞台に幕はなく、狂言と同じ張り出し舞台だった。
    プロセニアム(額縁)舞台が主流となった西洋近代演劇では、『三統一の法則』(時の統一・筋の統一・場所の統一)を守る写実性が志向されたが、シェイクスピアの時代は違ったのだ。
    シェイクスピアは高校時代に読み漁った。もちろん面白いと思ったからこそ何冊も読んだわけだが、その全てを理解できたわけではないし、違和感を覚えることも少なくなかった。違和感を覚えるとはつまり、マジックにうまくはまれなかったということだが、それも仕方ない。シェイクスピアはお芝居なのだ。舞台で見てこそ真価を発揮する。しかも、三統一に慣れた感覚で読むことに間違いがあった。

    ところで、「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」
    あまりに有名な翻訳だけど、これは罪作りな訳ではないか。自分含め誤解してる人は多いと思う。直球で「やるべきかやらぬべきか、それが問題だ」の方がまだ原文の意図は伝わったのではあるまいか。詩的でないという問題が残るけど。
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    投稿日:2017.04.22

  • 本≒人生

    本≒人生

    シェイクスピアの生い立ちや当時の演劇、政治と宗教事情が半分、喜劇と悲劇についての解説、そして、シェイクスピア作品の哲学。

    作品論について、もっと突っ込んだものが読みたい。

    投稿日:2017.04.05

  • 0541

    0541

    よくまとめてあって面白かったし、勉強になった。最終ちかくになるところでは、最近学んだこととかが繋がったしおもろしかった。
    時代を反映させることや、哲学的なとこ。

    投稿日:2017.01.12

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