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中島弘象 / 新潮新書 (42件のレビュー)
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総合評価:
九州男児
日本人に生まれて良かった…
ありきたりな大学院生と、昔でいう ジャパゆきさんと呼ばれる出稼ぎ フィリピンパブ嬢との、お付き合い から国際結婚までのドタバタ劇。 さすがはあのドゥテルテ大統領を 輩出したお国柄、フィリ…ピン人の 社会学の逞しいこと。 その逞しいパブ嬢を嫁にもらおうと いう大学院生も、はたまた逞しい。 出稼ぎフィリピンパブ嬢の裏で動く マネーの仕組みや、複雑な暴力団 組織等との絡み。 普通の日本人ならおよそ関わること がないだろう内容が、とても 面白かった。 フィリピン人には悪いが、純日本人 に生まれて良かったと、心底思える 作品でした(*´艸`)続きを読む
投稿日:2017.09.16
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のんのん
映画にもなっている。 「普通」とか、「みんなは」と日本人はよく言う。 頭の中の常識を引っ張りだしても通じない世界もある。 インバウンドで街には外国人の方が多い。 花見に友人と出かけ…たが、四方八方から、別の言語が聞こえてくる。 このノンフィクションの世界は凄まじい。偽装結婚なんて当たり前。つながる闇組織。 弱肉強食を地で行く。 なんでだろ?ジメジメした暗さがない。 興味深く読めた。 続きを読む
投稿日:2024.04.15
8
フィリピン家族の価値観の違いに最初は戸惑いながらも、違いを理解しようとする姿勢、理解できなくても認める、話し合って互いに歩み寄ろうとする姿勢が印象的だった。 お金をせびりまくる家族、なんでも言う通り…にしてしまうミカ、それが普通。何をどれだけ言われても自分が苦しんで稼いだ金でも助けるのが家族。あとは、フィリピンの中で日本へ出稼ぎに行った人は日本人と話して酒飲んで簡単に大金を稼げるという認識の違いに驚く。でも当事者からすれば心配されたくないから何も言わずに要求を飲む、こちらから見れば負の連鎖に見える。 ドュテルテさんが人身売買だと警告した結果何かその認識に関しては変わったのだろうか。 フィリピンにどんどん沼っていく様子にとても共感。続きを読む
投稿日:2024.04.10
ひまわりめろん
ゆうこさんの本棚から 面白かった! 昔から真実は小説よりなんちゃら(そこまで言ったら最後まで言いなさいよ)言いますけどね ほんとノンフィクションとは思えない?いやノンフィクションだからこその面白さ…でした ただ読みづらいw 巻末の解説によるとこれでも相当頑張ったみたいだけど、正直出版できるレベルじゃない拙さ んでもそこを乗り越えればね フィリピン人の価値観みたいなんに驚きつつも楽しめます 明るくそして強いフィリピン人のミカに引っ張られ、お尻を叩かれ、ぐじぐじ考えながらも少しづつ進んでいく日本人の著者 そしてちっぽけなプライドを持ち続ける情けない日本人男子に少なくない共感を覚えながら彼女の言葉に勇気づけられたりするのです 「だいしょうぶ!何とかなるよ!」続きを読む
投稿日:2024.03.17
Tomoyuki
名古屋の大学院生22歳が、栄のフィリピンパブ嬢25歳との交際をつづった、5年間のルポルタージュ。 タイトルは『社会学』だが、学術的な研究報告とは言いづらい。 とはいえ肌で感じ…る社会学、国際関係学、文化人類学という感じで、まあ一言でいえば恋愛ノンフィクション! 客観的には、金なし非モテ(失礼)が、研究と称して接近したものの、彼女の魅力にやられ「ミイラ取りがミイラになる」を地でいったものだ。 交際するなかで実地的に知るフィリピンパブ嬢の実態は興味深い。 フィリピンパブ嬢を取り巻く環境は2005年の法改正で一変した。 かつては「興行ビザ」で、曲がりなりにも「プロ」として来日していた彼女たち。その道を塞がれてからは、非合法の手段で来日を果たす。 それは偽造パスポート、日本人との偽装結婚だが、その背後にはもちろん反社会的勢力がいる。 また、フィリピン人の家族観、金銭感覚は日本人からすると理解に苦しむ。熱帯に暮らす民族の特徴なのだろうか。産業がないという国家の課題とともに、問題の根深さを感じた。 紆余曲折、トラブルを乗り越え、ふたりはどんな結末を迎えたのか。前途多難にもみえる将来は。 「愛があれば大丈夫」。そう、信じたい。 ※先日、映画が公開されたみたい。続きを読む
投稿日:2024.03.04
ゆうこ
『さらばのこの本ダレが書いとんねん』で著者が出演されていて、ずっと読みたかった本。これが新書なの!?ってぐらい、ほぼ小説。面白くて一気読みしました。 大学院で「在日フィリピン人の女性の生活」をテーマ…に勉強していた著者。研究のために入ったフィリピンパブで出稼ぎ労働者ミカと出会う。彼女とプライベートで会い惹かれ合うようになったときに、「私、本当は結婚しているの」と告白される。彼女は日本に出稼ぎに来るために偽装結婚をしていのだ。3年間の契約があり、逃亡防止のため決まった時間にしか出かけられず、月6万の給料しかもらっていない。 心配する著者にミカは、「私のこと弱い人間と思っているんでしょ。ばかにしないで、助けなんかいらない」というものの、もちろん彼女の周りには怪しげな人間がいて…。 真面目で前向きなミカと著者の恋愛はとても微笑ましく、マネージャーに見つからないかドキドキ。 フィリピン人の家族観の違いには戸惑います。毎月仕送りをし、里帰りした時に現地の家族からモノや金銭を要求されるミカ。要求に応えるミカに対してなんでそんな価値観なの?と思うのですが、フィリピンと日本の社会の違いが関わっています。この本が書かれたのが2017年なので、今の円安の状態ではどうなっているのか気になるところ。 3年間搾取されても日本に来たかったミカの強さと彼女の人柄の良さ、人に甘えるのが上手い著者。続編『フィリピンパブ嬢の経済学』も読まなくちゃ。続きを読む
投稿日:2024.02.28
Lyoosuke
本書は著者とフィリピンパブ嬢の出会いから結婚までを描いたドキュメンタリーである。フィリピンパブ嬢はエンターテイナー(興業)ビザによりかつては多数来日しており、それが日比関係にも良好な影響を与えていたと…いうが(帰国したフィリピンパブ嬢が日本の発展ぶりや清潔さ、民度の高さ等を故郷に広めることで日本に対する良好な見方の形成に寄与した)、アメリカから当該ビザが人身売買に繋がっているとの指摘から、2005年に要件が厳格化され、現在では当該ビザによるフィリピン人の入国は激減している。 したがって、今フィリピンパブで働いているフィリピン人は主に日本人と結婚している者か、あるいは不法滞在や偽装結婚により入国した者になっている。本書では当該点の学術的な側面には触れつつも、あくまでも自伝小説的な娯楽面に重点を置く。その意味で非常に興味深く読み進めることができた。続きを読む
投稿日:2023.11.27
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