【感想】やってのける

ハイディ・グラント・ハルバーソン, 児島修 / 大和書房
(74件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
22
30
12
1
1

ブクログレビュー

"powered by"

  • ちこ

    ちこ

    このレビューはネタバレを含みます

    正しい目標設定の仕方が分かる本。

    ひとことで内容を説明するなら、『やり抜くひとの9つの習慣』✕『やる気があがる8つのスイッチ』(どちらも著者の本)といった感じだと思う。
    第1章を読んだら第2章、第2章を読んだら第3章と、次々に読み進めたくなるような、魅力的な内容だった。

    第6章と第9章だけでも読む価値がある。
    第6章には、どのタイプの目標(獲得型・防御型、証明型・習得型、何・なぜ)をどのような場合に選べば良いのかが詳しく解説されている。
    また第9章には、目標達成のための具体的な行動計画の立て方が書いてあるので、この章を読むだけでも有効な計画を立てることができそう。
    章末にそれぞれポイントがまとめてあり、手っ取り早く習得したければより詳しく知りたいところだけを抜粋して読むのもアリかと思う。

    今回の内容は、単純に「証明マインドセットから成長マインドセットにシフトしよう」と書かれているのではなく、目標の種類によっては証明マインドセットも役に立つということが書かれてあり、なるほどと納得する部分も多かった。

    フィードバックについても書かれてあり、自分だけでなく子どもに対してや新人育成にも活用できそう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.12.04

  • hiromiyanase

    hiromiyanase

    このレビューはネタバレを含みます

    著者の別の書『やり抜く人の9つの習慣』が、ビジネス本として、すごい実践的だったので、この著者をもうちょっと知ってみたいと手に取ってみた。

    目標を達成する為の手段・方法・考え方が、心理学的な観点から網羅されている印象。チャプターごとに要約があるのも実践的かも。
    特に様々な実験や参考文献も多く紹介されているので、この本から興味関心を広げることも出来るなぁと感じた。


    --------------
    遠い将来について考えるとき、わたしたちは現実的な考えより、メリットを優先させる理想主義者の視点に立ちます。近い将来について考えるときは、ビジネスライクな現実主義者の視点に立ちます。(略)つまり、予定を決めるときは、近い将来か遠い将来についてどちらについて考えているかを自覚し、それが自らの思考にどう影響しているかを考慮すると、よい判断がしやすくなります。(P48)

    ほとんどの人は獲得型と防御型のどちらかの思考にフォーカスが偏っています。(略)これまでの人生で重視してきたのが「達成や称賛を求める」なのか「義務と責任を果たす」なのかなどによって判断できます。P101

    獲得型は、探索的で、抽象的な思考を好みます。あれこれとアイデアを思い浮かべ、多くの選択肢から理想的な方法を見つけるという創造的なプロセスを得意とします。防御型の人にはこのような抽象的な思考や想像力は、無謀で時間を浪費するものにうつります。危険を避けるためには、何よりも行動が必要です。(略)
    獲得型の目標には獲得型のアプローチを、防御型の目標には防御型のアプローチをすることで、動機づけを高めやすくなります。ヒギンスは、最適なアプローチによって目標が達成しやすくなるだけでなく「正しいことを行っている」という感覚が得られると指摘しています。P117-118

    「人間の基本的欲求とは何か」(略)「自己決定理論」には、多くの心理学者が同意しています。基本的欲求は「関係性」「有能感」「自律性」の三つであると定義っします。P127


    内発的動機づけは、自らの意思で選択していると感じるだけでも生じます。デシとライアンは、自分の意志で選択できる、もしくは選択できると感じられる状況で、自律性が高まると述べています。P132

    難しいことをするときは、小さなステップを意識する。P144

    自制心の回復を早めたり、回復させる余裕がない場所に使える方法があります。一つは、前にも紹介した「伝染力」の活用です。目標達成を目指す他者を思い浮かべることでその行動への意欲を高められるのと同じように、自制心が優れていると思われる友人や知人を思い浮かべることで、その自制心に伝染できるのです。(略)自制心をよく鍛えている人を観察するだけで自制心が高まることを示す研究結果もあります。自制心が必要なときは、誘惑に負けない、意思の強い知り合いを思い浮かべてみましょう。自制心の優れた人と積極的に付きあうようにすることも効果的です。P200

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.10.22

  • ゆる幸

    ゆる幸

    このレビューはネタバレを含みます

    【内容】
    『目標達成』のやり方について。各章にポイントがまとめられていて読みやすい。個人的にはイントロの『自制心』についての話が面白かったので感想述べます。

    【ビフォー】
    ダイエットに失敗したり、やる事を先延ばしてしまったりと自分は意思力が弱い人間だと思っていたが、『意思力が弱い』のではなく『自制心が減っていた』からできなかったのだと学べた。

    【気付き】
    人は誰でも『自制心』を持っており、日々色んなことでそれを消費している。自制心は筋肉のように鍛えれる。例えば、汚い言葉を使わない、姿勢を正す、などちょっとしたことでいい。さらに『自制心』は使うと減るので、低下した状態を見極めないといけない。例えば、リハビリ中の依存疾患者は、アルコールや薬物に手を出してしまう危険な状況を忘れないように、『HALT』という略語を使う。Hは空腹、Aは怒り、Lは孤独、Tは疲労を表す。これらの状況がもっとも自制心が低下しやすい。

    【TO DO】
    自分がHALTの状態になってないか確認して上手くコントロールしていく。自制心が低下している時は重要な判断はしないようにする。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.08.20

  • dattsu

    dattsu

    具体的かつ実践可能な行動計画を建てることが大事
    ★本の概要・感想
     コロンビア大学ph.dの著者が「目標達成」について語る。誰もが大事だと思っているが実践しづらいことはないか?「計画をたてること」「人の目を気にしないこと」「簡単に諦めないこと」等。そのような行動習慣について科学的見地から「それが大事なんです!」と解き明かしてくれるのが本書。学校が夏休みの宿題の実行計画を建てさせようとすることには、意味があったのだなぁ等と思う。モチベーションや目標達成率に関わる多くのTipsが紹介されている。どんな立場にいる人にも実践可能なことが書いてあるのでおすすめ。

    ★本の面白かった点、学びになった点
    *目標だけではだめ。具体的な行動計画をセットにする
     目標だけを与える場合と、具体的な行動計画をセットで与えた場合、目標率の達成率に大きな差がでる。休暇中の過ごし方についてまとめて提出してもらう課題を出したところ、具体的に「いつ、どこで書くのか」までをセットで書いた群は、かなり多くの人が書くようになった。したがって、どんな目標でも、そのために、具体的に何をどこで行うのか、までを考えなければならなないい。

    *「能力の習得」のために動こう。「能力の証明」のために動いても頑張れなくなる
    ・この世には習得型と証明型、動機づけに2パターンが存在する。習得型は自身の能力を伸ばし、新しい知識や経験を得ることを目的としている。証明型は周囲の人間に自分の優秀さを証明するために動いている
    ・端的に言うと、証明型を続けると不幸になる。したがって、できる限り習得型で動くようにしてもらいたい
    ※場合によっては、証明型の動機の方がよい場合もある

    *無意識に訴えかえける
    ・無意識で決定した通りに人は動くようになる。例えば、実験前にある調査をおこなって 

    *目標達成のために必要なのは才能よりもGRIT
     GRITという本が出てからこの「才能よりも努力し続けられるかどうか」が目標達成に必要である。この事実はある程度周知されつつあるなぁ

    *「自分で選んだ道だ」と思えると人は頑張れる 
    ・何をやらせるにしても、できる限り「自分で選んだ」と実感させることが大事である。カスタマイズ性や操作性をあげると、おなじ学習アプリでも生徒のハマり方が変わるのだ。名前やデザインを自由に変えられるようにした場合、より多くの生徒が学習アプリにハマるようになった
    ・ただやらせるのではなく「自分で選んだ」と思わせることでモチベーションは上がる

    ●本のイマイチな点、気になった点
     キャリア系研究者の本を何冊か読んだ人には目新しいことはすくないかも。スタンフォードのティナ・シーリグの本とか。行動経済学系の本とか。

    ●学んだことをどうアクションに生かす
    ・具体的な行動計画を手帳に書く
    ・フィードバックはきっちりとする。出来ていないことを慰めない
    ・無意識を形作るためにプロとして読み終えたい本を置く

    ●タグを設定しよう(evernoteにもね)
    続きを読む

    投稿日:2020.01.09

  • ☆

    自分はネガテイブだからって何でもかんでもポジティブに考えようとしてきたことを反省…
    「成功を確信すると同時に、成功のためには厳しい道のりを乗り越えなければならないと覚悟する」

    投稿日:2019.05.14

  • 二川項

    二川項

    自制心が筋肉みたいなものだという話,どこかで聞いたことがあると思ったら,『意志力の科学』でもそう言ってたのを思い出した.またこの手の本を買っていたことに改めて自分の意志力の弱さを感じてしまう.
    「なぜ」と「何」を考えることで,動き方が変わる.僕は「なぜ」にフォーカスを当てがちなので,「何」にも注目して動けるようになりたい.つい先日,第1四半期ですべきことを工程表に落とし込んだら確かに動いた.気がする.
    目標はあくまで自分が決めたほうがいい.少なくともそう思わせた方がやる気が出る.自律って大切なんだなぁ.
    あと面白かったのが,こんな時にはこんな目標を立てると良い,というもの.僕はスピードが遅いので基本的には「獲得型」の目標が最適.心しておこう.
    続きを読む

    投稿日:2019.01.27

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。