【感想】ノベライズ この世界の片隅に

こうの史代, 蒔田陽平 / 双葉文庫
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
8
7
0
0
0
  • 戦時中の話なのに、なぜかほのぼのする物語

    太平洋戦争前後の広島を舞台にした主人公すずの物語。
    もっとボロ泣きする話かと思ったら、意外にそうでもなかった。
    むしろ笑いのほうが多いかも。
    それはすずの天然キャラに救われているのかもしれない。
    すずを取り巻く人たちもみんな優しく、殺伐とした雰囲気や理不尽さに憤ることもない心温まるストーリー。
    親しい人が死んでいったり、自らも右手を吹っ飛ばされたりしているのに、いつまでも悲嘆にくれることなく、常に前向きに生きてるすずの姿に元気をもらえる。
    ただ、ノベライズ専門の作家さんだから仕方ないのかもしれないが、描写がちょっと粗雑かな。
    アニメを観ていないと情景がイメージしづらい。
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    投稿日:2017.03.12

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  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    「広島の江波で生まれ、18歳で呉に嫁いたすずは、戦争が世の中の空気を変えていく中、前を向いて生きていく。そして昭和20年の夏がやってきた…。2016年11月公開の同名映画の脚本、絵コンテ、及び原作をもとに小説化。」続きを読む

    投稿日:2023.03.10

  • ぶちょー

    ぶちょー

    このレビューはネタバレを含みます

    すずさんの、微笑ましいのんびりした生活が戦争によってあっという間に変わっていく。
    お使いに行ったら妙な人攫いに遭い、そこで運命の男の子に出会う。
    子供だけで浅瀬を歩いて親戚の家に遊びに行ったら、不思議な座敷わらしに出会う。
    お兄さんを海難事故で亡くした幼馴染を気遣う。
    急に来た嫁入りの話。
    お義父さんもお義母さんも優しいけど、出戻りの意地悪なお義姉さんに虐められながら頑張るすずさん。
    防空壕を作ったり、敵機が見えたあとに遅れてくる警報、「被害は極めて軽微」というラジオ放送など、戦争の中にも日常が見える。
    そして、突然の晴美さんの死。
    右手を失ったすずさんは、それでも一生懸命できる事をやる姿勢が凄い。
    そして、8月6日。
    笑顔で別れた家族は、お母さんは行方不明。お父さんは原爆症で亡くなり、妹さんも謎の目眩に…。
    そんな中で、出会ったヨーコちゃん。お母さんと別れ、ずっと一人ぼっちだったのかと思うと、胸が締め付けられます。すずさんに会えて、本当に良かった…。
    そして、このドラマ版は晴美さんが「ちむどんどん」の子役に、ヨーコちゃんが「舞いあがれ」の子役に登場していたのが凄く嬉しかった!

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.01.05

  • あるちゃん

    あるちゃん

    呉から見た原爆。おっとりしてちょっとおっちょこちょいで絵を描く事が得意な「すずさん」。呉にある家に嫁ぐことになり、ボケをかましながらも暮らしていく。ワンシーン毎は短く軽いタッチで進んでいくが戦時中の「生活や暮らし」というものがすずさんの目を通してリアルに伝わってくる感じ。アニメ映画にはなかったシーンもあり作品の深みも増して満足。内容知ってても最後らへんは泣いてしまうね…。人類はどこに向かうんだろうね…人と戦ったり、ウィルスと戦ったり、病と戦ったり、社会問題と戦ったり…戦いの連続。どう生きても何かしらの問題は浮上してくるよね。生きるって大変よ…。そんな中で自分はどう生きるか見直すいいきっかけになる作品かと思う。続きを読む

    投稿日:2021.02.09

  • よっさん

    よっさん

    僕は元来読み飛ばす癖があるのか、深読みが出来ないのか。ダメですね。
    この小説を読みコミック(それにアニメ)で読み取れなかった部分が補完されて満足しました。

    投稿日:2020.07.21

  • ヤマタケ

    ヤマタケ

    連綿と続いていく生活

    朝と夜をなぞるだけの毎日で、ただただ消化していく時間。
    学校や仕事で家を出て、終われば帰ってくる。そんな繰り返し続いていく毎日が詰まらないものと思っていた。

    でも、そんなことはないんだと思わされる。

    理不尽に大切なものを奪われたりしたことがないからか、当たり前に過ぎていく毎日を、当たり前に感じてしまってる。
    それがダメだとか、昔を忘れないとかではないけど、昔は良かったではないけど、もっと大切に生きていきたい。
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    投稿日:2019.06.05

  • 花

    戦時中の人たちは本当に現代の私達とは比べものにならないくらい、タフだったと思う。

    配給制の食料、竹槍の訓練、警報、防空壕、消火活動

    それらが“日常”である日々は、どれだけのストレスを抱えて、神経を擦り減らして生活していかなければならないのだろう。

    すずさんの、天然でぼんやりとした感じが大好きだったから、右手を失う事故があったあの日を境に、すずさんが変わってしまったのか悲しかった。

    誰のせいでもないのに大切なものが失われて、奪われていく。明日は自分かもしれない。それでも今日を大切に大切に生きていこうとする人々の懸命な姿勢が丁寧に描かれた作品でした。

    映画を先に見ましたが、細かな描写や聞き取れなかった方言の部分の補填用にノベライズ版も読んでみました。映画の中の風景がそのまま文章に落とし込まれたような感じで、非常に読みやすかったです。
    続きを読む

    投稿日:2019.06.03

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