組織力 ──宿す、紡ぐ、磨く、繋ぐ

高橋伸夫 / ちくま新書
(18件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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ブクログレビュー

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  • kurapapa

    kurapapa

    このレビューはネタバレを含みます

    久しぶりに本読みました。
    旧来の日本式の仕組みへの賛辞のように感じました。
    現実の世界の組織の意思決定って、最適な選択肢を選ぶ、みたいな幼稚な意思決定は少ない。決定内容自体よりは、みんなの合意を得られるような決め方の方が、決定した後、スムーズに実行できる。意思決定は問題解決以外の決定もある。
    本質的な問題をやり過ごして、目先の小さな決定を行う。(やり過ごしモード)
    もしかすると、あるかもしれない本質的な問題を見過ごして決定する。(見過ごしモード)
    勢いで決めるような不合理な決定もよくある。特に重大なものほどこうなる。こうしたケースでは、決定した後にその決定の合理性を補うような理由付けが行われる。
    組織で必要なのは、仕事ができる人、ではなく、仕事を任せられる人。任せられる人は一朝一夕にはつくれない。上司はこれを見極めるために、部下を良く観察する必要がある。アフター5も重要‼️
    日本的な仕事の報酬は賃金ではなく、次の仕事。より大きな、重要な仕事を任される。結果的に賃金は上がっていく。
    最後の捕章は難しすぎて読むのを諦めました。
    きれいな机上の理論ではない、生々しい現実を教えてくれる、感じがしました。ただ、全ての人には当てはまらないですねぇ。

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    投稿日:2020.05.16

  • bookkeeper2012

    bookkeeper2012

    具体的な著者の見聞を交えて面白く読めるが、アネクドータルな感じも。とはいえ、取りあえず統計とってみました的な経営学よりよほど良い。

    一緒に仕事をする時間を夜を含めてタップリ持つことにより、テイストを共有するとか、組織に長い時間軸でコミットすることで職務内容がレベルアップさせられるとか、体感的に納得させられる話が多い。

    一方でいわゆる日本的経営には、内向き体質の弊害や、労働力の流動性がないがための不況時のショックや、格差定着も明らかであろう。必ずしも日本的組織経営とアングロサクソン的個人主義との対立ばかりでなく、良い所取りも狙えないものか。
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    投稿日:2018.11.05

  • levi

    levi

    読んでいるうちに深く内省させられた。
    知的で、手厳しい筆に、社会へのコミットメントを感じる。
    きっと読み返す日が来る。

    【読書メモ】
    ・ 人生は、勢いでしか決められない「重大な意思決定」と/熟慮に基づいた「つまらない意思決定」とで彩られている p12
    ・ ゴミ箱モデルが提示した三つの意思決定モード
       ?問題解決による決定 ?見過ごしによる決定 ?やり過ごしによる決定 p35[more]
    ・ 師匠の行動を説明するのにもっともらしい理屈を事後的に作っては変え、作っては変えを繰り返すことで、師匠の「合理性」が回顧的に分かってくるのである。つまり、その師匠のテイストのようなものが分かってくるのだ。/このテイストこそが、研究者として生きていく上で、一生の財産になる。その学問分野のまともな研究者がもっているテイストとは、まさにその学問分野のもつ「合理性」そのものだからである。/こういうのを正統的周辺参加とも呼ぶようである。 p61
    ・ ここでいう外部から見た「○○らしさ」とは、行動パターンのことではない。具体的な行動パターンの裏側・背景にある○○の意思・精神のようなものである。つまり○○の行動や反応を合理的に説明できる何か、すなわち事後的・回顧的に見出される合理性、テイストのことなのである。それを「組織文化」と呼ぶこともある。 p63
    ・ つまり。最初から「組織で仕事をする」わけではない。逆説的な感じがするが、まるで糸を紡ぐように−綿、毛、繭から繊維を引き出して、撚りをかけて糸にするように−「仕事を共にすることで、だんだんと組織らしくなってくる」のである。 p69 
    ・ つまり、このような経験・観察をすることで、一群の集団のなかに因果ループや因果回路の存在を見出すことができたとき(より正確には、因果回路のなかに複数の因果ループが埋め込まれている)、人は、相互依存的な関係にあるその一群を「組織」だと認識するようになるのである。 p92
    ・ 「仕事を任せられる人」こそが企業にとっての希少資源であり、企業の成長を決める決定的な要因なのである。 p99
    ・ 仕事を共にする経験を持たせない限り、仕事を任せられるようにはならない。それには時間がかかる。とにかく時間がかかるのである。 p99
    ・ ?コミュニケーション ?貢献意欲 ?共通目的 この3条件が満たされたとき、われわれはそこに「組織」を見る p116
    ・ すなわち、組織としては、自分たちでできる最大限の仕事を受けることがベストなのである。組織はこうやって、組織力を最大限かつ有効に使える居場所を環境・市場のなかに「〜できる」スケール観で探していく。その居場所のことを、経営戦略論では「ドメイン」(domain)−組織の存在領域−というような言い方をすることもある。 p121
    ・ 認知心理学では、このような、たとえば「つかめる距離」「すり抜けられる隙間」のような環境のなかに実在する知覚者にとって価値のある情報は「アフォーダンス」と呼ばれる。 p121
    ・ 私が挙げるいちばんシンプルでまとまな評価とは、「また君と一緒に仕事がしたい」である。 p164
    ・ 誰だって、20年も似たような仕事をしていれば、それなりに仕事もできるようになるし、自信もつくというものだ。そして、あなたがそんな美しい誤解を抱けるようになるまで、20年もかかったということを忘れてほしくない。/にもかかわらず、あなたは今の仕事に厳しすぎる。 p173
    ・ 同じ川の流れに二度足を入れることができないように、同じ仕事の流れのなかで二度仕事をすることはできない。こうした流れとか変化こそが、管理者が管理するものの本質なのである。 p184
    ・ 組織能力は企業によって異なる個々の企業に特有な能力である。(中略)組織能力は文字どおり組織の属性であり、組織に属する個人が持つ才能は組織能力とはみなされない。組織能力は個人能力の束ではあるが、それはその組織だからこそ身についた個人の能力が調整された体系である p216
    ・ 

    【目次】
    1.組織力を宿す −組織の合理性
     結論よりもプロセスの方が大切だよね
     そもそも問題解決だけが意思決定ではない
     組織の解剖学から生きた組織の学へ
     「組織の合理性」は意思決定の後で見出される
    2.組織力を紡ぐ −仕事を共にする
     コミュニケーション!
     組織化とは何か?
     組織の多義性の削減
     組織へと紡いでいくために
    3.組織力を磨く −経営的スケール観
     「~できる」スケール観
     学習曲線の秘密
     さまざまな経営的スケール観
     時間的射程距離が短すぎて経営的スケール観がもてない
    4.組織力を繋ぐ −あなたの仕事
     余人をもって代え難し
     組織力を繋ぐのはあなたの仕事
    付 組織化の社会心理学
    続きを読む

    投稿日:2018.10.14

  • junsugimoto

    junsugimoto

    いつもながら読みやすい語り口で、組織力を「宿す、紡ぐ、磨く、繋ぐ」ことの大切さを説きます。確かにじっくりと時間をかけることができればその通りだと思うのだけど…

    投稿日:2013.10.07

  • 「おやっさん」

    「おやっさん」

    組織力を宿す、紡ぐ、磨く、繋ぐということで、日本的働き方のすばらしさを訴える著者の考え方がよくわかる著作です。

    時間的射程距離が短すぎると経営的スケール観がもてない。

    年長者がきっちりと若者を育てる組織。

    そんな組織でないとゴーイングコンサーンはありえない。

    すばらしき日本の組織論、全世界に広めて行きたいものであります。
    続きを読む

    投稿日:2013.02.02

  • Hopi

    Hopi

    組織というものについてわかりやすい文章で書かれた本。
    シンプルで事例も多く再確認する意味ではよかったです。
    人と人との関わり方・影響・化学反応は、永遠のテーマです。

    投稿日:2012.10.28

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