【感想】たとえる技術

せきしろ / 文響社
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
6
5
8
1
1
  • 『単三電池が必要なのに間違えて単四電池を買ったような本』ではない。

    何かを人に伝える時、“たとえる”ことで、より具体的にかつより感覚的に理解してもらうことができます。燃えるような紅葉、のように使い古された表現は便利ではあるものの、ある一定のイメージは伝わっても本当に皆が同じ景色をそう感じているのかという疑問も残ってしまいます。

    本書で著者が指南してくれるたとえる技術は、もっと具体的で豊かで、斜め目線で、ユーモラス。又吉直樹や西加奈子といくつも共著があることも納得です。

    「視点を変える」という項目は、まるでお笑い番組「IPPON」で松本人志やバカリズムの回答の構造と成り立ちをそのまま示してくれているようです。伝わりやすくすることが目的である“たとえ”は、そのあり方を突き詰めていくと、言葉とものごとの関係そのものを問い直すような作業でもあるのかもしれません。

    『単三電池が必要なのに間違えて単四電池を買ったような本』なのかもしれないが、いつか『「あっ、前に買った単四電池が引き出しにあったはず!」と役に立つような本になることを願っている』と、著者があとがきで書いていますが、まさにそんな本なのかも。
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    投稿日:2016.12.05

ブクログレビュー

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  • Modest Tapir

    Modest Tapir

    何で手にしたのか覚えてないが、タイトルからしてビジネス書や自己啓発のような薄っぺらい本を想像していた。
    だが読んでみると良い意味での薄っぺらさというかユーモアがあった。
    それこそ人は話すときや文章を書くときに比喩を使ってなにかに例えてわかりやすく物事を表現するが、その例えって大体の場合誰かが使っていたり聞き馴染みのある表現が多い。はっきり言って手垢に塗れていて新鮮な例えに触れることって滅多にない。
    本書はそんな例えの新鮮さを新しい例えを使って引き出すのではなく、既存の例えにプラスαを付き足すことで新鮮さを引き出している。
    なかなか耳にすることはないが、言われれば理解できる例えが多く出てくる。
    正直笑ってしまうようなものが結構あるのだが、それでもこういうアプローチって結構大事かもって感じた。こういうアプローチから自分なりの表現が見つかったりすることもあるだろうから。
    持ち帰るものが思っていた以上に多い本だった。
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    投稿日:2024.01.10

  • 1682271番目の読書家

    1682271番目の読書家

    季節の挨拶なんかも載っている。
    さるかに合戦で飛び出してくる栗のように盛り上がってますかー?
    お湯が沸く寸前の電気ケトルの中のように盛り上がってますかー?
    エアー抽選器の中で回っている三角くじのように盛り上がってますかー?
    大浴場の使用済みタオル入れのように盛り上がってますかー?
    マジシャンに1万円札を貸したのに、マジックが終わっても戻ってこないときくらい驚く
    オダギリジョーが本名だと知った時くらい驚く
    知り合いかも、に父親が表示された時のように驚く
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    投稿日:2023.05.14

  • りえこさん

    りえこさん

    会話の中で使うには、なかなか難しい表現もいっぱいあるけど、発想力を磨くのに楽しい内容でした。

    自分なりにアレンジ、発想力を身につけて、会話の中に組み込んでいけるようにしたい。

    色々と思考して想像することで、脳活・脳の体操にもなりそうです。続きを読む

    投稿日:2023.01.09

  • sshige

    sshige

    会話や文章の中で使う「たとえ」をどうやって発想すれば良いのか、例文と共に解説した一冊。後半に入ると著者のエッセイが混じってくる。

    紹介している例えが面白い。しかしその面白さは、聞き手との共通理解があって初めて成り立つ。ある芸人を使ったたとえを紹介しているが、私はその芸人を知らないのでたとえの面白さがわからなかった。年齢や属性によって人々の興味関心がバラバラになりつつある今、個人的には年をとりつつあるし、他人とたとえが通じないことが増える気がする。

    例として紹介しているたとえの中には、笑わせるためとしか思えない例も多い。個人的は「視点を変える」の章にあった「農作物を荒らすようなアイドル」で大笑いした。おそらく、お笑い芸人はこの本に書かれたようなメソッドでネタをひねり出しているのだろう。シュールな笑いを産む発想方法が勉強になった。ただ、ここで紹介しているようなたとえは、頭の回転が速くないと会話の中で繰り出すのは難しそうだ。

    読み終わって、著者は本当にたとえが好きなのだろうなと思った。「俺が考えたたとえを聞いてほしい!」という心の声が聞こえる。ところで、この本はたとえて言うならどんな本なのか。考えているのだが、いいたとえが思いつかない。クレイジーケンバンドの「タイガー&ドラゴン」で「俺のたとえを聞け!」と歌っているような本、でどうだろう。伝わる気がしない。
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    投稿日:2022.02.23

  • けん

    けん

    やや子供向けのように感じた。
    何も考えず読むとあまり楽しく無いが、いちいち本を閉じて自分ならどう例えるかを想像しながら読むと楽しめた。

    投稿日:2020.11.20

  • momo

    momo

    たとえることの魅力を、ゆるーく伝えてくれる一冊。
    本書に書かれているような例えを会話で使ったらびっくりされそうだが、
    自分の感情を整理するときに例えは有効だと思った。

    最後に。
    この本は、LEDライトがあるのにわざわざ持っていったガスランタンみたいな本である。
    必要性はないし少し手間がかかるけど、生活に面白みを与えてくれる。
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    投稿日:2020.08.04

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