【感想】昭和史講義【戦前文化人篇】

筒井清忠 / ちくま新書
(3件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
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ブクログレビュー

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  • 涼風紫乃@草紫庵

    涼風紫乃@草紫庵

    思想家や作家など色々な分野から戦前日本の文化に貢献した人の短い伝記集です。

    各伝記は短いながら、きちんとした学術的資料に基づいて執筆されており、かなり良心的です。ただし、一人の人物につき15ページ程度で紹介されているため、詳しい内容は十分に書かれているとはいい切れず、詳しく学びたい場合は「さらに詳しく知るための参考文献」という書籍が各人物ごとに紹介されているため、そちらも合わせて読む必要があります。

    本書の特徴として、マンガ家の田河水泡や作家の江戸川乱歩など通常文化史では無視されがちなサブカル分野からも人物が紹介されている点にあります。こうした人物(特に田河水泡)は、十分な伝記を探すことは難しいため、そうした人物に関心のある人は読んでみるといいのではないでしょうか。

    【こんな人におすすめ】
    戦前日本の文化に興味がある人
    下記の一覧で示した人物に興味がある人

    【目次】
    石橋湛山 言論人から政治家へ
    和辻哲郎 人間と行為の哲学
    鈴木大拙 禅を世界に広めた国際人
    柳田国男 失われた共産制を求めて
    谷崎潤一郎 今の政に従うは殆し
    保田與重郎 偉大な敗北に殉じた文人
    江戸川乱歩 探偵小説四十年という迷宮
    中里介山 戦争協力の空気に飲まれなかった文学者
    長谷川伸 地中の紙碑
    吉屋信子 女たちのための物語
    林芙美子 大衆の時代の人気作家
    藤田嗣治 早すぎた越境者の光と影
    田河水泡 笑いを追求した漫画家
    伊東忠太 エンタシスという幻想
    山田耕筰 交響曲作家から歌劇作家へ
    西條八十 大衆の矜情のために生きた知識人
    続きを読む

    投稿日:2023.05.24

  • mamo

    mamo

    日本の近現代史の大疑問として、「なぜ日本は勝ち目のないとわかっているアメリカとの戦争を始めたのか?」というのがあるわけだが、このシリーズは、最新の研究成果を踏まえつつ、多様な視点を提示しつつ、現時点での答えをだしている感じ。

    そうしたなかで、文化人、知識人はなにをやっていたのかという話し。

    たくさんの文化人(いわゆる思想家や小説家だけでなくて、音楽や絵画、漫画などの分野の人もカバーしている)が紹介され、各人の戦前、戦中、そして戦後がごく簡単に整理されているわけだが、人物ごとに著者が違うのもあって、あまり全体としてどうなのかはよくわからなかったかな?

    面白くはあったが。。。

    日本人って、やっぱ世の中の空気というかに影響されやすいんだろうな。あるいは、そういう状況のなかで、違和感を感じつつも、苦しんでいる普通の人々がちょっとでも元気になれるよう、結果として、国のプロパガンダに協力してしまうんだろうな。
    続きを読む

    投稿日:2022.07.08

  • tagutti

    tagutti

    <内容>
    戦前の文化人を読み解く、あまり前例のない歴史本。一つ一つは短いが、戦争にどう向き合ったか、どちらかというと協力した系の人が多く載る。また、山田耕筰や西条八十のように、評伝的にあまり知らなかった人が面白かった。続きを読む

    投稿日:2019.08.07

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