【感想】帰還兵はなぜ自殺するのか

デイヴィッド・フィンケル, 古屋美登里 / 亜紀書房
(35件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
7
9
9
3
0
  • 暗い話題ばかりではない

    アフガニスタン、イランの戦争を取材した記者が、帰還した兵士からのメ-ルで、様々な問題で苦しんでいる人がいることを知り、丹念な取材を行ったドキュメントです。暗い話題ばかりですが、解決に尽力する人が少なからず存在し、それらの人々に救われる人がいることには、希望が持てる結末になっています。まだ、ヴェトナム戦争の後遺症に苦しんでいる人もいることには、驚きを隠せません。PTSD、TBIと簡単な言葉で表現される状態は、多種多様な内容を含んでおり、解決法も明確ではない現実が理解できます。
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    投稿日:2017.03.31

ブクログレビュー

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  • もん

    もん

    2022/07/26 読了

    戦争自体が終わっても、それによって受けた身体的な傷、精神的な傷の影響は終わらない。
    アメリカの5人の兵士とその家族に焦点を当てた、ノンフィクション作品。

    日本でも自衛隊の人は同じ傷を受けることもあるようだ。
    やっぱり戦争のない世界であり続けるよう、努力し続けたいと思った。
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    投稿日:2022.07.26

  • kiwi

    kiwi

    戦争に行き、身体ではなく心に傷を負って戻ってきた帰還兵たちのドキュメント。統計などの高所大所からの話はほとんど出てこない。数人の帰還兵と、その家族の物語だ。家族は言う。彼は戦争に行って、別の人になってしまった、と。
    アメリカはしょっちゅう戦争をしている国だから、アフガン戦争や湾岸戦争ばかりではなく、古くはベトナム戦争に従軍した兵士で、いまも悪夢やパニックに苦しんでいる人がいるという。日本でそういう話はあまり聞かないが、なかったわけがない。
    彼らが精神的外傷を受けたのは、戦友を助けられなかったり、敵や民間人を自分の手で攻撃したり、命の危険にさらされたり、直近で爆弾が爆発して脳にダメージを受けたからだ。ならばミサイルのスイッチを押したり、ドローンを操縦して敵を攻撃するリモート戦争を推進するのが解決策、ということにならないだろうか? 問題はそこにあるのだろうか? 兵士も精神的なダメージを受けるだろうが、殺されかけた民間人はもっと深刻な精神的ダメージを受けるのではないだろうか?
    ライオンが獲物を殺してノイローゼになるという話は聞いたことがない。人間はたぶん、殺し合いに向いていないのだ。歴史が始まって以来、のべつまくなしに殺し合いを続けてきたにも関わらず。
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    投稿日:2022.02.27

  • aya830524

    aya830524

    主にイラク、アフガニスタンの戦争から帰って来た兵士は、PTSDや脳損傷により苦しみ、自殺してしまう。

    兵士や家族の日々を坦々と記録してある。

    戦争は、戦闘が終わってもなお、人々を苦しめ続けるもの。

    投稿日:2022.02.16

  • らじヲ

    らじヲ

    イラク戦争に従軍したアメリカ兵のドキュメンタリー。
    タイトルからして戦争は普通の人間の心をどうしようもなく病ませるものだということを描くのかと思っていたが、心に傷を負うものは多くても実際に自殺をする者の割合は低く、彼らは元々何か問題を抱えていて、戦争体験が自殺の引き金になったように受け取れてしまうような本だった。出てくる元兵士たちが若い頃に何度も結婚してお金がなく、10代の若い女性と再婚してうまくいかず…みたいな人が多かったからかもしれない。

    また、この本は和訳が酷過ぎる。
    タイトルも本来の『Thank you for your service』のほうが合っているし、原書が読める環境にある方は原書で読むことをお勧めします。
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    投稿日:2021.04.15

  • kirimisakana

    kirimisakana

    このレビューはネタバレを含みます

    湾岸戦争以降の現代における対テロ戦争の、末端の兵士たちが強いられる緊張や目的意識の無さ/虚しさ(HVTだと知らされていた対象を捜索しに、深夜一般住宅を襲撃して見たら実はココ違いました!というオチ)、そして『傷病兵』となって帰還してからの生きにくさ。
    複数兵士からの証言を基に克明に描いた作品。

    併せてP.W.シンガー『ロボット兵士の戦争』も読みたい。少なくとも、本作にて証言が得られた兵士たちのグループには、タロンも何もなかったらしい。

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    投稿日:2020.04.01

  • monofumibooks

    monofumibooks

    タイトルの質問に答えはなかった。
    翻訳のスタイルが気になりすぎて内容に集中しにくかった。いかにもアメリカ人の文章、会話を訳した、という文体に自然味が全くなく、読んでいて辛い。
    『驚きのお金』はサプライズ、とでもしておけば良かったのでは…

    自殺者はなおも増え続け、戦死者数を上回り、一日にひとりの割合で死んでいくことになる。
    という事実には言葉がない。

    映画化される予定だという本だが、なにせ登場人物が多く、時間もかなり前後するので、実際可視化した方が面白みがありそうだ。
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    投稿日:2020.01.29

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