【感想】カラマーゾフの兄弟(中)

ドストエフスキー, 原卓也 / 新潮文庫
(148件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
58
43
26
4
1

ブクログレビュー

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  • sakamoto

    sakamoto

    このレビューはネタバレを含みます

    いよいよ中巻。

    この巻で特に印象的だったのは、泥棒と卑劣漢の対比に表されているように、高潔たろうとすること、名誉、恥辱なのではないかと思う。あるべき姿、ありたい姿が自分の中で明確になっていないとこういった考えや感情は湧いて来ないと思うので、やはりこの本の登場人物たち、特にミーチャは自分をしっかり持っている人なのだと思う。

    私自身は、高潔、名誉、恥辱という言葉は普段は使わないものの、誠実でありたいとは思うし、自分の信念に反することをしたら落ち込むし、人からの評価を気にするし、、ともっと身近な言葉で置き換えて行くと、登場人物たちの考えや気持ちが少し身近に感じられた。


    加えて、赦しという言葉も印象的だった。他人に対してどれだけ寛容になり、愛することが出来るか。『カラマーゾフの兄弟』全体を通して、さまざまな対象に対しての愛が語られていると思うが、赦しも愛の一つの形だと思う。

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    投稿日:2024.03.09

  • masudahidehiko

    masudahidehiko

    中巻を読了!帯にあるように「3日で中下巻」とはいかなかったが、上巻よりは勝手がわかってだいぶ読みやすくはなっている。やはり最初とっつきにくいのは、誰が主人公でどういう話なのかが見えない、ということのように思う。それがこの小説の深さでもあると思うが、とりあえずの読み方としては、まず感情移入する人はアリョーシャにしておくのが無難で、ドミートリはいわゆる"豪快な体育会系"、イワンは頭の切れそうな陰キャ、フョードルはしょうもない父親で殺される人、くらいのつもりで読めばいいのではないですかね。続きを読む

    投稿日:2024.02.08

  • 花

    「兄弟たちよ、愛は教師である。だが、それを獲得するすべを知らなければいけない。なぜなら、愛を獲得するのはむずかしく、永年の努力を重ね、長い期間をへたのち、高い値を払って手に入れるものだからだ。必要なのは、偶然のものだけを瞬間的に愛することではなく、永続的に愛することなのである。偶発的に愛するのならば、だれにでもできる。悪人でも愛するだろう。」

     聖人だと周りから思われている人であっても、過去に大きな罪や過ちを犯していることもあるし、善良でないと思われている人であっても、とても純真で高邁な一面をもっていることもあり、人を簡単に白黒判断することはできないし、人は多面的であることに改めて気づかされました。
     中巻では、ゾシマ長老の青年時代のお話が好きです。
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    投稿日:2024.01.25

  • のっぴ

    のっぴ

    このレビューはネタバレを含みます

    前半はゾシマ長老の死。後半はフョードルの死。父フョードルが殺され、常日頃から父を殺したいと話していたミーチャが殺人容疑で連行される、という内容。次巻はいよいよ裁判。楽しみだけど難解で読み取れるかどうか不安もある…

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    投稿日:2023.12.30

  • smatoga

    smatoga

    大審問官編がおもしろい。信仰とはなんだったのかというところを真正面からぶつかっている。初めにあったはずの大きなテーゼがどんどん陳腐化して変容してしまって。そこに始祖が戻ってきたら異端として排除されてしまうという皮肉。これは進行に限らず、あることだなー。権現様以来の祖法ゆえというのは、まったくそうでなかったように、思考停止を引き起こしてしまう。
    ゾシマ僧の若かりし日の経験の中の、罪の告白のところも雷に打たれたような気持がした。あーなるほどなーと。人は法によって罰せられるのではなく、良心のほむらによって焼き尽くされるのだと思う。

    ただ、まどろっこしい。会話が冗長なのよね。。。なかなか先に進まない。
    これ全編読まなくてもいいんじゃないかとすら思えてくる。ストーリーに本質があるのではなくて、傍論に本質がある気がする。
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    投稿日:2023.10.08

  • クマオ

    クマオ

    ゾシマ長老の記録はまたぜひゆっくり読み返すとしても、何だって自ら破滅に向かうのだ、ドストエフスキーの登場人物は!

    投稿日:2023.08.16

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