【感想】まじめに生きるって損ですか?

雨宮まみ / ポット出版
(22件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
10
4
4
1
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • ひでこじ

    ひでこじ

    「正しい」ことが人を追い詰める。正しさだけで解決できないことがあるから人間なんだって思った。
    「正しさ」という凶器を振りかざさないようにしたいって思った。

    投稿日:2023.02.12

  • 1535096番目の読書家

    1535096番目の読書家

    愚痴くらい批判されずに自由にこぼせる世の中になるように
    正論と正論じゃな片付けられないものに挟まれているのが人間で、だから苦しくて面白いものなのに。
    そのグレーゾーンを切って捨てようとするなんて馬鹿げている。愚痴はグレーゾーン。
    人と人とのつながりはグレーゾーンの中で生まれていくもの。
    続きを読む

    投稿日:2022.12.20

  • 5ost

    5ost

    著者は個人です
    なんかフェミってる女性ライターに好かれていたと思います
    その人たちは著者を忘れていると思いますが
    逃げ道を用意するような回答が好きでした
    追い詰められている相談者にアドバイスとも違う、相談文を一節一節温めて解釈していく過程は、読者ともに解してゆきます続きを読む

    投稿日:2022.10.17

  • ゆり

    ゆり

    いろいろな方の、お悩みに、
    その方に合った、お飲み物を添えて、
    筆者の意見を語っておられて、

    自己啓発本とは、また違い、

    読み終わったら、暖かい気持ちに、なれました。
    「え?こんな人が、こんな事で悩んでるの?」

    と、人それぞれ、
    皆さん、お悩みを抱えていらっしゃることに、
    私は救われました。

    みんな、いろいろあるのだなあ、
    と、思いました。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.08

  • ただ

    ただ

    このレビューはネタバレを含みます

    5552さんのレビューで知った本書は、「ココロニプロロ」というウェブ媒体での、「穴の底でお待ちしています」という連載コラムをテーマ毎に(努力、恋愛、見た目、生き方)まとめたもので、女性の様々な愚痴を、雨宮さんが聞いてくれるだけでなく、親身になって答えてくれており、その答え全てに頷けるわけではなかったが、それ以上に、私自身がたった一人のレアな一例ではなかった事に、気付けた事が何より嬉しくて、それは、まえがきに書いてあった、『自分を理解する手助けや、他人を理解する手助けになれるように』という、雨宮さんの願いに通じるものがありました。

    ちなみに、愚痴という言葉の意味を調べてみると、
    『(今となっては)言ってもしかたがない事を、言っては嘆くこと』とあるのですが、本書で紹介されている愚痴は、どうも私がイメージしていた、聞いていてネチネチした、あまり気分の良いものではない感じではなく、寧ろ、皆さん、しかたがない事かもしれないけれど、心の奥底では何とかしたい、という切実で強い想いが見え隠れしている印象を受けて・・おそらく、それは愚痴ならではの、赤裸々な本音の部分に人間らしさや愛らしさを感じられるからだと、思っております。

    そして、私が本書を読みたいと思ったきっかけになった愚痴が、

    『私という存在をなかったことにしてほしい』

    おそらく、今がいちばん精神的に満たされてる状態だと実感しているので、こういう事を書けるのですが、私が高校を中退してからの数年間、本当にきつかった時期がありまして。

    その当時、引きこもりのような生活をしていた影響なのか、外出したときの他人の視線が怖くなり、人とすれ違う度に、無意識に目つきが鋭くなる事を繰り返していたら、ある程度、心が落ち着いてきた時期になっても、体が覚えてしまったのか、その癖が抜けず、外出して人とすれ違う度に、顔を逸らされる思いを数え切れないくらい味わっていたら、そんな自分が嫌になって・・なんで、ただ歩いているだけで、嫌な思いをされなきゃいけないんだろうという悲しみと、歩いているだけで人に迷惑をかけるようなダメ人間なんだと感じた惨めさは、まさに自分の存在をなかったことにしてほしいと思ってしまうような絶望感でいっぱいでした(今でも僅かな名残はあります、正直なところ)。

    今が良い状態なら、そんな過去はもう忘れればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、私の中で、もう少し悪あがきしたいというか、今だったら、あの頃の自分に、労うような言葉をかけられるんじゃないかという思いもあって・・あれだけ苦しんだことにも、意味を欲しがるんですよね。

    そして、その愚痴に対する雨宮さんの言葉を読んで、まず印象的だったのは、

    『雨宮さん自身も、人や未来が怖くて、消えてしまいたくなるのは当たり前のことだと日常的に感じている気持ちであること』

    この後に、『みんな生きているだけで偉いと思います』の一言に、何か心が軽くなったというか、とても慰められた思いがして、言葉って、ただ存在するだけではダメな場合があって、その言葉を誰が言ってくれるかによって、予測できない大きな力に変わるんだなということを、まざまざと実感させられました。

    また、もう一つ印象的だったのは、

    『生きている限り晒される比較の視線から、心底逃れられる時間の中に浸ってみてください。もっとちゃんと逃げてください』

    逃げるということに対して、私は何か悔しい思いというか、勝手に悪いイメージを持っていたが、ここでの逃げるというのは、自分自身を見つめることからも含まれていて、人間は良いところばかりでないことは分かっている。分かっているのに、なんでそんなに自分自身ばかり責め続けるのかって・・そう感じたとき、当時の私は、自分で自分のことが嫌いだったことを思い出しました。でも、それって、自分を好きになる人は誰もいなくなるという、やるせない思いに、そりゃ絶望感も抱くよなと。

    そうだ、それに気付けなかったんだ。
    当時の私にかけるべき言葉は、「自分のことを愛してやれなくて、ごめんね」だった。それに当時から気付いていれば、もう少し気楽に生きられたかもしれないね・・世の中は正しくないのにさ。
    でも、今、こうした思いでいる自分自身は悪くない感じがする。

    雨宮さんが書かれていた文章の中に、

    『「正しい」って、なんでしょうね。私は自分なんかより、はるかに才能があって努力していて、なにより「生きたい」と望んでいた作家さんが亡くなったとき、自分よりあの人が先に死ぬ世の中は間違ってる、と思いました。自分が一生の間に書くであろう文章よりも、その人の書いた文章のほうが価値があると今でも思っています。命をあげたくても、あげることはできませんでした。世の中は正しくありません。正しくないんですから、安心して間違えてください』

    上記の雨宮さんの思い。これって、そのまま雨宮さん自身にかけてあげたい言葉だなと思って、長文ですが、掲載いたしました。

    愚痴の中で知る人間らしさ、とても身に染みましたし、結局、全ての愚痴を読んで全てに感じた事は、人間って複雑だけど、かわいらしいという、人間を更に好きになれた不思議な読後感は、雨宮さんの魅力なんでしょうね。
    他の著書も読んでみたいです。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.07.27

  • 5552

    5552

    このレビューはネタバレを含みます

    誰だって愚痴りたいときがある―――。

    この本は読者のお悩みに解答者が一方的にズバッと解決法を提示するいわゆる“人生相談本”ではない。
    読者の“愚痴”に雨宮さんがとことん付き合い、寄り添い、一緒に考えてくれる本だ。

    雨宮さんは、『こじらせ女子』というワードを世に送り出した方。『こじらせ女子』とは“自意識や自らの女性性への自己評価をこじらせた女性”と、Wikipediaには書かれている。

    彼女の著作に、救われた、という女性たちも数多く存在する。
    私も、数年前に『女子をこじらせて』を読んでそう思ったひとりだった。

    今回も、スッキリさせていただきました。

    私は、雨宮さんの本を読んでいると自分を肯定できるんです。

    すごく傷ついて、悩んで、間違って、迷って、今でも迷いつづけていることを隠さない人が、自己開示してくれると、安心するし、なぜか自分の背負ってる荷物もフッと軽くなった気がするのだ。
    愚痴って、話すだけで解決しないし、話す人も選ばないといけないし、人に話すことを躊躇してしまう方も多いと思う。
    人の愚痴をジャッジせず、親身になって聞いてくれる雨宮さん。
    これって難しいことですよね。

    ++++++++++++++++++

    特に気になった投稿。

    「努力ってなんだよ!?」という20台後半のおくみさん。
    これは、わたしの心の声かと思ったくらい、激しく共感。

    私が小学校で不登校していたとき、校長先生にいただいた「努力」と「根性」の文字が入った手作りの竹の筆立てが、嬉しいよりも重かった。

    雨宮さんがコラムで書いている通り、「努力って得体が知れない」。それより、「努力が足りないことよりも、努力という言葉でごまかされる何かのほうを、おそれたほうがいいのではないか」

    「小沢健二似の美しい彼」と別れたという20台前半の借りてきたね子さん。
    彼女は彼の美しさが好きだったのだけれど、他は全然好きじゃなかったそう。
    彼はモラハラ気味で、しかも半年に一回くらい別れを切りだしてきて、一週間程度絶縁、その後、やっぱり君のこと好きだから別れたくない、と言いだし、仲直りのセックスをして元サヤに戻る、ということを繰り返してきたのだそうだ。
    それでも彼女は、美しい人を好きになる。「美しいものに触ったり、撫でたり、唇をつけたりしたい」と思っている。「全然美しくなくて、ドキドキとしない相手となら、もしかしたらモラハラも喧嘩もなく、私が傷つくことがないままで付き合っていけるかもしれない」と、考えていても。
    雨宮さんは、彼女の「幸せ」を尊重する。世間の「幸せ」とは違ってもいいと言う。

    ここ感動した。
    世間にはどこか自分を曲げて得られる“マトモな幸せ”像があって、そうでない人にプレッシャーをかけつづけているように思う。……私がそう感じているだけかもしれないけれど。

    自分にコンプレックスを抱く借りてきたね子さんに雨宮さんは言う。「本当にすべきことは、“自分に都合のいい希望を求めるのをやめること”ではなく、“関係を切られることを恐れるあまり、都合のいい存在になってしまうこと”ではないでしょうか」。

    あとは「私という存在をなかったことにしてほしい」という橘さんにも大共感。
    今はあんまりそう思ってないけれど、かつての自分を見るようで胸が詰まる。

    「正論と、正論じゃ片付けられないものの間を生きるのが人間というもので、だから苦しくて、面白いものなのに、そのグレーゾーンを切って捨てようとするなんて馬鹿げてると思うんです。愚痴というのは、そのグレーゾーンにあるもののような気がしますし、人と人とのつながりというのもまた、そのグレーゾーンの中で生まれていくものだと思うのです。
     どうか、愚痴ぐらい批判されず自由ににこぼせる世界であるように祈っています。」

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.06.14

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。