【感想】かわいい女・犬を連れた奥さん

チェーホフ, 小笠原豊樹 / 新潮文庫
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
3
8
6
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ブクログレビュー

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  • ばあチャル

    ばあチャル

    このところ国木田独歩とチェーホフの短編を読み返している。
    すごいなあ、ぎゅっと圧縮された人生模様、到達感、達成感の文章。

    両作者とも早世、独歩37歳(1908年)チェーホフ44歳(1904年)で、その晩年に円熟したとある。
    だからなのか?

    読み比べているのだが「いづれがあやめか、かきつばた」
    晩年の作品集は、国木田よりチェーホフがすこしはやく亡くなっているので、発表も少し早かっただろうが、国木田に影響があったのかどうか?ロシア文学と日本の文学の夜明け、明治時代にそんなにも伝わるのが早かったとしたらすごいなあ。

    ともかくも、人生の機微をもりあげ、解剖していく文章は、胸を撃つこと、なおそこに詩心を加味されて、なんとも心揺さぶられる。

    今回印象深かったのは

    「イオーヌイチ」「犬を連れた奥さん」「谷間」
    続きを読む

    投稿日:2023.09.01

  • くChloé

    くChloé

    嫌な事は見ないふり、都合よく生きていきたいという人々を情緒溢れる美しい文章で書き上げている。

    かわいい女の主人公オーレンカのような女は、割とよくいる。
    旦那の意見=自分の意見、と心から思っている。
    うちの旦那が、うちの旦那が、とよく言うのでうちダンというニックネームをつけられる。続きを読む

    投稿日:2023.08.14

  • たなか

    たなか

    自分自身を上から見てる他人事のような冷ややかな心情の描き方がおもしろい
    もはや人間界すら上から見てる感

    投稿日:2021.11.01

  • ぱー

    ぱー

    このレビューはネタバレを含みます

    めちゃくちゃ字が小さかったけど、読み出したら止まらない!本当に面白かった。登場人物の名前にクセが強すぎてたまに、ごちゃごちゃになったけどそれも文化の違いでおもしろかった。
    ロシアはおそロシア〜( ^ω^ )

    中二階のある家】
    ロリコン画家描写がぞわぞわ
    色んな人に相手にされない画家やけど美人姉妹の妹が相手してくれる
    イオーヌイチ】
    ロリコン2と井の中の蛙女
    金持ちで井の中の蛙家族の中の女。主人公から言い寄られるも断りのちに世間をしって言い寄るも惨敗

    往診中の出来事】
    女は顔
    病んでる女を診察しにいくもなんか顔とかでだめっぽい

    かわいい女】
    中身がなく自分の意思のない女。最後の最後日まで色んな男に依存しておりひとりでは、何もできない。しかしモテるんやろうなとおもった

    犬を連れた奥さん】
    ダブル不倫の話、世間の目が気になる女と、二面性があると自分では思ってる男の話。しかし双方とも
    都合のいい解釈をしお互い落ち着いたがやはりもう後には戻れない話

    谷間】
    いちばんおもしろかった!商売人の金持ちの家に嫁いだ女たちの話。しかし話がすすむにつれ、長男の偽造や、当主から何も土地を渡さないと言われた次男の嫁が長男の子供にお湯をぶっかけ殺す
    これおもしろかったーさいごは、長男の嫁とその母が十字をきるとこでおわる。

    いいなずけ】
    世間やこの社会この世を知らなすぎる女に許嫁と別の男がもっと学べ!という話。自分と自分の家族身近な周りの人間は働きもせずただのうのうと生きていた。この世の中の素晴らしさを知った主人公の女は、もう縛られた生活にもどることなく親とも縁をきった


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    投稿日:2020.12.13

  • おっさん

    おっさん

    このレビューはネタバレを含みます

    「犬を連れた奥さん」
    最後までおじさまの魅力がピンと来ないままふわふわ読み進んで終了。

    しかしいる、いるよこういう男。「新しい、素晴らしい生活」どころか「いちばん複雑な困難な途」すら歩み切らずにサッと安全圏に帰ってまた退屈を持て余す。そういう人も始めはこういう勢いで盛り上がってるのね〜と垣間見た気分。どんどん腹が立ってきた。
    むしろ全くマイナスの感情抜きに中年の理想をきれいにまとめるチェーホフ。ご尊顔を拝するところシブいインテリで、自分の売りも分かって捨てることにも無自覚な主人公像に重なり納得してしまって悔しい。

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    投稿日:2019.05.30

  • nahokoy

    nahokoy

    このレビューはネタバレを含みます

    「中二階のある家」のリーダと画家の会話が面白い。貧しい労働者の支援に働いているリーダに対して、そんなことではなんの解決もできないと画家。人間の価値は精神活動をすることなのだから、労働に縛られる時間を大きく減らさなければだめで、要求事項や経費を増やすのは逆効果だと。
    今の時代でも同じことと感じた。生活を質素にすればたくさん働かなくて済むと思うので。

    「かわいい女」…タイトルに惹かれて読んでみた。なるほど、かわいい女というのは人に合わせる人で、合わせることが自分の自然なんだな。逆を考えるとかわいくない女は、自意識がしっかりしていて人の幸せと自分の幸せは別物と思うタイプだろうな。私は確実に後者(笑)。

    「犬を連れた奥さん」…全集に入っているので名作なのかなと思いきや良さがわからず。今と違って当時は自分の意思で結婚相手も選べず、周りと合わせる振る舞いが大事だが、それが個人の幸せとは違うことに気づいた、ということかな。

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    投稿日:2018.06.17

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