【感想】知と愛

ヘルマン・ヘッセ, 高橋健二 / 新潮文庫
(50件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
25
13
6
0
1

ブクログレビュー

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  • Ayu

    Ayu

    このレビューはネタバレを含みます

    就学生の頃教科書で読んだ「少年の日の思い出」を書いたヘルマン・ヘッセが気になり、あの物語を書いたヘッセが「知と愛」という題名でどのような物語を書くのか気になり読み始めた。
    一回しか読むことができていないため浅い感想になってしまうが
    知を表すナルチスと愛を表すゴルトムントが初めて出会ったときはナルチスが修道院という俗世間から隔離された環境において神意をより理解していたと思われる。しかし、3度目に合うときはゴルトムントが愛や死、飢え、芸術、病、衰えを経験しており死さえも受け入れる心境になり、ナルチスですら理解できない考えを持っていた。そんな正反対な中でも互いに尊敬しあっている姿に感動した。

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    投稿日:2024.03.31

  • ゆ

    かなり好き。

    原題は、ナルチスとゴルドムント。

    ふたりの対比が美しく、知性だけだど人生の主役にはなれないかもなぁと感じた。

    投稿日:2023.11.16

  • 朱色

    朱色

    このレビューはネタバレを含みます

     精神を求め知に奉仕する神学者のナルチスと愛欲を求め美に奉仕する芸術家のゴルトムントの友情の物語。そうは言っても、ナルチスは元々始めからほとんど完成されており、ナルチスがゴルトムントの気質を見抜き芸術家としての道を示した後は、ゴルトムントが思いのままに放蕩し芸術とは何たるかを理解し芸術家に至る成長の物語がメインとなる。
     ナルチスとゴルトムントの会話がお互いに下地となる思想と感情に根差したものになっており、それぞれの微妙に噛み合ってなさなどが表現されていて、議論のシーンは読んでいて楽しかった。また、心情描写がとても素晴らしく、ゴルトムントが自分の気質に気付くシーンやリディアとの交友のシーンなど、読んでいるこっちがいじらしくなるような気持ちになった。特にリディアとの仲を深めていって、少しずつ態度が変わっていく描写はこの物語で一番好きなところだった。後、最後にナルチスにとってのゴルトムントに対する思いが述べられたところも好きだった。
     ただ、ゴルトムントは魔性だったので、リディアやレベッカといった一部の人を除いてだが恋愛無双していて共感がしにくかったり、年を取って古典の良さが分かるようになるといった芸術家としての成長はあるものの、ペストによる人々の変化の恐怖を味わった後でさえ自分の愛欲を求める態度のせいで捕まっても多少の反省もなく生き汚さを発揮していたりと人間的ないわゆる成熟さみたいなものを獲得することがなく、今の価値観とは違うところを感じた。それが真の芸術家というものなのかもしれないが。加えて、訳された時代のせいなのか、それとも元々の文章がそうなっているのかもしれないが、会話文にぎこちなさを感じ、特にゴルトムントが口説く会話に対し薄ら寒さを覚えてしまったのは残念だった。

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    投稿日:2023.09.25

  • まき

    まき

    「知」をもって「愛」を知るナルチス
    「愛」をもって「知」を知るゴルトムント

    読み終わって見ると素敵な言葉すぎる、、

    慣れない文体に最初は読むのに苦労しましたが、自分なりに解釈し楽しく読めました。
    こんな真逆の2人が語り合い、理解し合う姿に何度も心打たれました

    「道の上の1匹の小さな虫が、図書室全体のすべての本よりはるかに多くを語り含んでいる」と言うゴルトムントに対し、
    「存在するものを愛し、可能なものではなく、現実のものを愛する。自然にさからってだけ生きることができる」と言うナルチス

    一見、型に収まった生活をするナルチスより、自由で愛欲のままに生きているゴルトムントの方が幸せなのでは無いかと感じるけど
    結局どっちがいいかなんてわからない、、
    少なくともこの2人の関係はお互いの人生にとって、強い刺激を与えたんだろうなと思う。

    海外文学は読むのが初めてだったので、理解するのが難しかったです。

    現代風に悪く読むのであれば、キリスト教神学を学ぶけど、女の子と遊ぶ楽しさを知って学校を出て放浪し、たくさんの女の子を見て愛を知り、彫刻を学び年月を経て学校に戻ってくる。
    最初はこんな解釈をしてしまって、、
    何回も読み直してもっと素敵な読み物にしたいです。

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    投稿日:2023.03.12

  • kouhei1985

    kouhei1985

    やっぱりヘッセの小説には女性的・母性的なものへの憧れやコンプレックスが満ちている。真面目な人だったんだろうな。

    投稿日:2022.04.14

  • Me

    Me

    『目標はこうだ。
    自分が一番よく仕えあるところに、
    自分の流儀や特性や天分が
    最上の地盤と最大の活動の分野を
    見出しうるところに、
    常に自分を置くことだ。』
    ここの部分がすき。

    投稿日:2022.01.08

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