【感想】郷愁

ヘルマン・ヘッセ, 高橋健二 / 新潮文庫
(25件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
3
9
7
1
0

ブクログレビュー

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  • 海と青硝子

    海と青硝子

    この本は、学生時代に友人から薦められたのですが、当時の私には理解できず、積読状態でした。
    あれから数十年、都会で暮らすことは一度もないけれど、故郷三重県で生きてきてよかったな、と思っている今、殊に松尾芭蕉の生涯について読んだ今、ペーターの思いが心に沁みました。美しい故郷の空、山、何より美しい雲。
    荒井良二さんも、「チロルくんのりんごの木」で言いたかったのではないでしょうか。「ぼくの うまれたところ」が「いちばん かがやいている」ことを。
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    投稿日:2023.10.06

  • jooo

    jooo

    大阪の古本屋で出会った本。

    雲を眺めるのが何よりも好きだった。
    田舎から都会に出て多くのことを経験し、
    きっとこう言った出会いや葛藤が個人としての等身大の経験な気がして、親近感が湧く。
    田舎の世間の狭さや、都会の寂しさ。
    人生そのものがネタとなる詩人という職業は永遠の憧れ。
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    投稿日:2023.06.02

  • ギガゴ

    ギガゴ

    ヘッセ処女作。
    とある村では、右も左も前も後ろもカーメンチント姓だらけ。そんな村から、牧師になるべく村を出た主人公カーメンチントくん。
    初めての世界や体験に、穏やかに身を焦がした彼の行末は…。

    原題、ペーター・カーメンチントの名に恥じぬ、ペーター・カーメンチントっぷりが最高!
    そしてヘッセの表現も好きだと再認識。
    このストーリーもそうだけれど、ヘッセの文体って郷愁というか、牧歌的というか、無垢な心の時を思い出させる懐かしさと自然さがあるなぁ。

    読む年代によって、この作品に抱く感想が変わりそうだけれど、これを書いた時のヘッセ20代なの信じられない。人生何回か経験してないと書けないよ。
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    投稿日:2023.03.09

  • 池

    あらすじ

    豊かな自然に囲まれて育ったペーターは故郷を離れ、文筆家を目指すため都会生活を始める。彼はそこで多くの人と出会い、多くの事を学ぶが、心の底では常に虚しさを感じていた。文明の腐敗に失望し、故郷に戻った彼を待っていたのは、シンプルな暮らしと新たな出会いだったが。続きを読む

    投稿日:2022.01.14

  • ねじまき鳥

    ねじまき鳥

    ヘッセの処女作。自然を愛するペーターの成長を描いた作品。失恋や親・親友の喪失など、人生の壁に何度もぶつかりながら、強く、清く、正直に生きようとする。ヘッセの他の作品と比べると、自然に対する細やかな美しい情景描写が特長のひとつではないだろうか。小説を読みながら、自然に溶け込むような一体感をも感じる、素晴らしい作品である。続きを読む

    投稿日:2021.10.07

  • sober

    sober

    このレビューはネタバレを含みます

    まず「郷愁」というのは意訳であるが、原題は「ペーター・カーメンチント」というひとりの名もなき男の自叙伝である。故郷はカーメンチントの原点でありいつも彼とともにあるが、本人が認めるのは最後の最後である。チューリヒ編、バーゼル編、アンジ編、バーゼル・ボピー編(パリは大胆に割愛されている!)振り返るとそれぞれ甘苦く生々しい記憶が綴られている。チューリヒ時代の若い輝きが懐かしい。それにしても…(誰しも一生を振り返れば思い出したくもない記憶の一つや二つあるにしても)この主人公は、愛は一度も成就せず、親友はみな死に、なかなか気の毒である。

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    投稿日:2021.02.15

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