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上橋菜穂子, 二木真希子 / 偕成社 (84件のレビュー)
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総合評価:
yakitori
13
大人が読んでも面白い、和製ハイ・ファンタジーの傑作!
「攻殻機動隊」の神山健治監督がこの原作をアニメ化するということで興味を持ち、NHKで放送されたアニメを観てこの原作を購入。読んでみてびっくりしたのがこの作品が児童文学として書かれたとは思えないぐらいし…っかりと作りこまれた世界観を持っていたコト。またファンタジーとしての設定もさることながら、物語の展開が非常に上手い。勝者が作る歴史に隠されてしまった「精霊の真実」が物語の中にうまく織り込まれ終盤に向かうにつれて明らかになってくる展開にどんどん引き込まれていくのであっという間にクライマックスへ。最後は読み終わってしまうのが惜しくなってきます。 意外だったのがアクションシーン。始まってすぐに王子チャグムを助けに川に飛び込むシーンから彼を追う狩人との戦闘、最後の「精霊の卵」をめぐっての攻防戦などそれほど数は多くありませんが、読んでいると「短槍使いのバルサ」のスピード感ある体術が目に浮かんで来ます。戦闘シーンがこれほどうまく描かれているとは思っていなかったのでちょっと得した気分。 そして主人公バルサが超人的でないのもいい。怪我しては倒れ、思い悩む人間味に溢れた彼女に思わず感情移入してしまう。彼女自身にもいろいろな過去の事情があり、人物造詣に関しても確かに本巻のみで終わらすにはもったいないぐらいきっちりと作り込まれています。他にも星読みや呪術師などファンタジーには定番の人物が登場しますが、それぞれの役柄や職業の背景にも世界もしくは国の成り立ちが見え隠れしていて浮いた設定がなくしっかりと作品世界に根付いるので、全10巻のシリーズものを作るだけの世界が構築できています。 とにかく児童文学とはいえ侮るなかれ!大人が読んでも面白い、和製ハイ・ファンタジーの傑作、ご堪能あれ!続きを読む
投稿日:2016.03.05
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ゆきおんな
9
やっぱり原作がいちばん!
だいぶ前にアニメでやってたのも見たし、ついこの間のドラマも見て、やっぱり原作が読みたいと思い、読んでみました。 原作はいいですね。 挿絵がたくさんあるわけではないのに、戦闘シーンの緊迫感やスピード感は…ドキドキします。 チャグムの成長も素晴らしかったし、バルサとタンダの微妙な距離感もとても気になりました。 シリーズで続いていくようなので、じわじわ読み進めていきたいと思います。続きを読む
投稿日:2016.06.15
ココすけのままりん
7
すでに完結編に向けてテンションMAX。イラストも世界観を大きく膨らませてくれるその存在感!
それはたまたま見た(本を読みたいのであまりテレビは見ない)NHKドラマの予告で、上橋菜穂子さんの名前が目に入り、ファンタジックな映像が流れていました。あっこれ絶対観たい!と叫び、ならば先に原作を読まね…ば。一瞬たりとも目が離せないという感覚で一気に読み終えてしまいました。 そしてまた、たまたま通りすがりに本屋さんを覗いたそこに『精霊の守り人完全ドラマガイド』があったのです。「エッセイ・対談」で先生の原作に込めた思いが語られており、よりいっそう完結編に向けてテンションがあがり、いっぱい読める事楽しみでなりません。 バルサの心に思ったことも口語文で綴られているのが親しみ易く、親近感がわきます。 老呪術師のトロガイ、このおばあさんの考える事や読みは深いが、口に出てくる言葉はポンポンポンと軽妙で実に気持ちがいい!面白い!続きを読む
投稿日:2016.03.16
ヤス
5
待ってました!
いよいよ『守り人』シリーズがリーダーストアにも登場しました!どれだけ待ちわびたことか。 ここからバルサの物語が始まります。バルサは確かに強い用心棒ですが、超人ではありません。何度も傷付きます。勝って…相手を倒した(殺した)時でさえ、心を傷付けます。深さ、優しさ、そして燃えたぎる血を持った、魅力的な三十歳の女性です。 魅力的なのはバルサだけではありません。バルサの幼なじみで薬草師のタンダ、一癖も二癖もある呪術師トロガイ。そして『皇子』からどんどん『普通の子』として成長していくチャグム。どの登場人物からも目が離せません。 上橋菜穂子さんの書く物語は、ファンタジーでありながら大地に根差し、常に土の匂いがします。子供だけでなく大人にもお薦めのシリーズです。続きを読む
投稿日:2016.03.04
わらぶる
4
今月nhkでドラマ化
鹿の王で本屋大賞の上橋先生の大作ファンタジー。バルサの殺伐とした雰囲気の訳は二巻以降で。まるで上橋先生があちらの世界を旅してきたようなリアリティーがある物語。nhkでアニメ放送済みですが、原作は何度も…読み返したくなる名作ですよ。獣の奏者も含め、名作揃いの上橋先生、次は何を書いてくれるのでしょう?楽しみだな。日本のファンタジーは、女性作家から目が放せませんね。ちなみに、小野不由美先生・故 香月日輪先生・菅野雪虫先生も愛読してます。 チャグムとバルサ・タンダの「疑似親子」な関係が最後までこの物語の芯になっていきます。 ところで、本作の料理も美味しそうなものが沢山登場します。「バルサの食卓」も料理のヒントにいいですね。 食事シーンの描写って、「物語」に「生活感」を与えるキーポイントな気がします。食事中の何気ない会話に本音がこぼれ、配膳等の気づかいがキャラクターの関係性をより明確にする効果があると思います。ファンタジー×生活感≒リアリティといった感じでしょうか。 ドラマ始まりましたね。いきなり設定「ぶち壊し」とは・・・。十二国記もそうだけど、原作の世界観がしっかりした作品を映像化するのに、そんなに監督の「脚色」が必要かな?と悲しくなりました。 追伸 とりあえず第一期終わりましたね。ドラマとしてはよく撮れていたと思いますが、今後の展開に影響があるかなー。原作とは違う作品としてたのしまないといけないのかな。続きを読む
読書好き(親)
1
独特のことば
著者の創作語が多く、最初はちょくちょく説明書きまで戻っていたが、 それでも夢中にさせるストーリーだった。 ドラマも見てみたい。
投稿日:2016.07.18
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かい
『鹿の王』が面白かったので、上橋氏の他の小説も読んでみたくなり、手に取りました。 話の展開が早く、どんどんと進んでいくので、気がつけば一気読みでした。
投稿日:2024.01.13
もち
もう10年以上前、小学生か中学生の時にお小遣いで買った大好きな作品を再読。 上橋菜穂子さんの作品に出てくる食べ物ってすごく美味しそうで魅力的。独特の甘辛い香辛料で煮付けた魚、タレがしみたご飯、読んでる…だけで口の中に唾がたくさんわいてくる。 これは全10巻のシリーズの第1巻目。新ヨゴ王国第二皇子のチャグムが、目には見えないもう一つの世界の水の精霊の卵を身に生み付けられていて、ひょんなことから女主人公の用心棒・バルサがチャグムを守ることになる話。当時2巻目の『闇の守り人』から読み始めた私的に、シリーズものだけど1話完結的な楽しみ方もできると思う。 呪術師のおばあさんトロガイ、その弟子タンダ、宮に仕える若き星読み博士のシュガとか、キャラが濃くて素敵な登場人物が多いのも魅力。 幼かった頃に好きだったお話って、時を経て読み返しても色褪せないどころか、もっと違う良さを感じられる気がする。 夏の終わりに、童心を思い出しつつの読書体験、贅沢な時間だった。続きを読む
投稿日:2023.08.31
yujia
小学生の頃から何度も読んでいる大好きな本。数年ぶりにチャグム達に会いたくなって再読。はじめて読んだ時はチャグムよりも幼かったのに今ではバルサと十しか離れていない。時の流れる速さに驚いた。 今回は、突然…母と離されたり、父である帝に暗殺を企てられたり、よくわからん異界の生き物に卵を産み付けられたりと大変なチャグムの心情に着目して読んだ。チャグムが、バルサ達に感情をぶつける所でバルサとタンダはチャグムに安心を与える存在になれたんだなと実感できた。 上橋菜穂子の作品を読むのは1年ぶりだが、文章の読みやすさですぐに話に入れた。バルサ達と共に旅をするのはやはり楽しい続きを読む
投稿日:2023.03.04
soybee
チャグムのことと卵をラルンガから守り卵を無事孵すまでいろいろな人が冒険をする話です。冒険は大好きなので面白かったです
投稿日:2022.11.24
URIKO
このレビューはネタバレを含みます
ずっと気にはなっていたけれど、シリーズの多さに身構えてしまい、それとなく読むことを避けていた作品。でもついに、上橋さんの「鹿の王」と「狐笛・・・」を読んで、手を出すことになってしまった。私にとっても長い旅になりそう(笑) 端的に言って、素晴らしいファンタジーだった。これまで読んだ2作品よりも、よりファンタジーだったと私は思った。すごい世界観。圧倒的な世界観。この世界観とストーリー展開の完成度は言わずもがなだと思うけれど、物語の端々で人間の機微が巧みに表現されていたり、人間世界の真理をつく表現があったり、はっとさせられることが多かった。この世のものでないものの卵を勝手に宿され、運命に翻弄されるチャグムのやり場のない怒り、権力者によって父親を奪われ、故郷を追われることとなったバルサの怒り、哀しみ。そして、バルサの「人生なんて不公平なものだ」という悟りの境地ともいえる心境。何より、国の祖とさせれる人物が、自身の威信のために事実を捻じ曲げ、正しい史実が語られなかったというこの物語の基礎とも言える背景や、星読み達がいつのまにか政のためだけに働くようになり、本当に大切なことに目が霞んでいたというようなことは、現実世界でのあれやこれやを暗に指摘されているようで、うむむむと唸る思いだった。 チャグムとの別れのシーンはぐっときた。チャグムもバルサもタンダもなんとも強い精神の持ち主だ。与えられた運命を、自分なりにもがき、抗いながら生きていく。人生は本当にそういうものなのだろうと腹落ちする感じがあった。 まだシリーズ1作目。旅は始まったばかり。
投稿日:2022.05.31
ユウゴ
アジアのファンタジー チャグムの成長 別れ 男子を育てていた母としては心に染みる これはアニメにもなってますよね
投稿日:2021.11.30
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