【感想】マクベス

ウィリアム・シェイクスピア, 福田恆存 / 新潮文庫
(132件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
13
38
55
6
0

ブクログレビュー

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  • ibarakimaru

    ibarakimaru

    『マクベス』はシェイクスピアが1606年頃に完成させた戯曲です。実在したスコットランド王や将軍を登場させた作品で、王であるダンカンに重用されていた野望に取り憑かれた将軍マクベスが主人公。
    マクベスが王を暗殺し自ら王に即位してからマグダフ、子息マルコムに討たれるまでを描いた作品でシェイクスピアの4大悲劇のなかの最後に書かれた作品。
    4大悲劇の中では一番短い作品たが、当時のスコットランド王ジェームズ一世(話し中の忠臣バンクオーの子孫)への宮中観覧用作品としたので短いと言うのが定説。劇中にもジェームズ国王に媚びたセリフが多いのが特徴と言われる。
    ダンカン王を暗殺し王についたマクベスが劇中ではすぐ遺児マルコムとマクダフにより復讐される(実在は在位17年)。
    魔女からいずれ子孫が国王になると予言されたバンクオーはマクベスにより殺されるが、息子は他国に逃れいずれ国王となる。
    魔女の予言が厚く信じられていた頃のお話しだが、結果的に後々ジェームズ一世王の時代に王位正当性を持たせる為に好まれており、後から作り出したものとも言える。
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    投稿日:2024.03.20

  • 帆掛船

    帆掛船

    誰が膝まずいてマルコムの足をなめ、衆愚のやじを浴びるものか。たとえバーナムの森がダンシネインの城に迫ろうと、女から生れぬ貴様を相手にしようと、さあ、これが最後の運試しだ。このとおり頼みの楯も投げすてる、打ってこい、マクダフ、途中で「待て」と弱音を吐いたら地獄落ちだぞ。

    2019/10/17読了
    ……疑心暗鬼に苛まれ、魔女や幻影の預言を当てにしたマクベスが、最後に全てを捨てて身一つで放つ台詞。これぞ悪の美学か?
    続きを読む

    投稿日:2023.09.23

  • 謎輩

    謎輩

    自業自得のお手本のような悲劇、故に時代を超えても楽しめる一冊した。
    少し台本の様な文章は詳細が省かれているような書き方も相まって、読んでいるのに観劇している気分になれました!
    脳内で勝手に宝塚歌劇団で再生してしまいました!続きを読む

    投稿日:2023.08.17

  • おびのり

    おびのり

    1606年頃 シェイクスピア四大悲劇の戯曲。

    スコットランドとノルウェイの戦闘。スコットランドの勝利を牽引したマクベス。帰還の途中の荒野で三人の魔女と会う。
    マクベスは、「王になる」
    一緒にいたバンフオーは「子孫が王になる」
    と予言される。
    予言を期待するマクベスと、マクベス以上に王妃の座を求める妻。王を殺害して国王となる。
    強気の奥さんに翻弄されている様でもあります。
    王となっても、復讐に不安は募る。そのため圧政の暴君となり、政治生命は長そうにない。
    魔女に再び予言を求める。
    「女の産み落とした者の中には、はむかう者は居ない」
    「森が進撃してこない限り安泰」
    女から生まれない者は居ないと安心するが、今でいう帝王切開で誕生した者は含まれず。
    森が動くことはないと思い安心するが、木の枝を持ち森に擬態した敵軍が進撃してくる。
    魔女達は、最初に「きれいは穢い、穢いはきれい」と登場する。予言や占いは、言葉の真理や表裏まで読まないといけないのでしょうか。
    マクベスは、自分の立ち位置に気がつくが、もはや後には戻れず戦闘にむかいその首を取られる。

    ロミジュリよりもわかりやすく、その地位に翻弄されていく悲劇が理解しやすい。と、思いました。
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    投稿日:2023.08.15

  • やん

    やん

    このレビューはネタバレを含みます

    戯曲もシェイクスピアも初めて読んだので楽しめるか不安だったけど、最後までかなり面白く読めた。
    台詞の掛け合いだけで物語が進んでいったり、人物の複雑な心境を現していたり。
    普通の小説にある情景描写や説明的な補足がないのに、場面の想像がつくのがすごい。

    マクベスは最初、王や貴族から信頼あつく、親友にも恵まれた真っ当な家臣と思われたのに、
    三人の魔女やマクベス夫人に唆されて、あっという間に野心と欲望に飲み込まれて、王殺し、家臣殺し、酷い運命に巻き込まれていってしまった。
    展開がものすごくテンポよく、台詞の一言一言がかなり重要なんだなぁと思った。

    ただ、この本の出版が昭和四十四年で、訳者の解題ってところには昭和三十六年と記述があるから、昭和三十年代に訳されたくらいなのだろうか。
    文体が古すぎて現代人にはさすがに読みづらい。
    文学的な価値とか美とか横において、もう少し現代口語的なくだけた文章にしてくれたら、もっとたくさんの人が読んで楽しめると思うのにな~。

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    投稿日:2023.07.18

  • いつか

    いつか

    マクベスは妻の言うがままに泥沼にハマっていったのか?
    しかし妻も不安によっておかしくなっていって…
    自分への期待が自分を追い越してしまう感じとか、人間の根本ってこんな感じなのかなと思ったり。

    投稿日:2023.06.03

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