【感想】いちばん長い夜に

乃南アサ / 新潮文庫
(49件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
10
17
15
0
0
  • 罪についてよくよく考えてみると、、、

    これまでのストーリーから比べると、ずいぶんと激しい流れになったと感じました。
    当然かもしれませんが、前科のある二人がほのぼのと過ごす日常、を描くだけでは終わりませんでした。
    芭子と綾香とでは、犯した罪の大きさが根本的に違うということ、そして、やはり、自分にとって大切な人には、自分のこと(罪)を隠しては生きていけない、と書かれていました。
    罪の違いなんて、殺人だったら刑務所に入る時間が長いんだろうな、程度にしか考えたことがなかったので、奥が深いと思いました。
    震災と絡めて書いてあるので、より重みが加わりましたね。
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    投稿日:2015.08.20

  • ハッピーエンド

    前科(マエ)持ちの二人が、出所後、自分たちの過去を隠しつつ、お互いを尊重しあいながら日常生活を送っていく。
    出所してしまえば、その後の生活という厳しい現実がある中、一人は夢を持ち、一人は偶然に職を得ながら暮らしている。
    そんな二人のストーリーも最終巻となった。最終巻では、綾香の殺人という罪の深さと悔恨が語られます。
    命の重みに苛まされながら、悔悟と謝罪の日々を生きていくことが、人を殺めたことに対する償いであって欲しいと思います。
    しかし、これは一般的な人の殺人者に対する「思い」なのかもしれません。
    常軌を逸した殺人は、殺人を何とも思っておらず、反省の念など微塵も感じられないことがあるからです(酒鬼薔薇聖斗や大教大付属池田小学校殺傷事件の宅間守など)。
    ともあれ、二人は二人なりに最後はハッピーエンドです。二人を二人のまま受け入れてくれる人に出会え、夢を実現していくことを感じられる最後でホッとし、なごむことができました。
    ただ、初出が断続的だったのか、何度も二人の状況説明が繰り返されるため、各章の冒頭部分は読み飛ばせます。一気に読む場合は、ちょっと煩わしく感じます。この部分で、星マイナス1。
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    投稿日:2015.09.15

ブクログレビュー

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  • レトロ

    レトロ

    人気シリーズの完結編という事に読んでる途中に気が付いた
    不幸せになりません様にと
    願いながら読みました

    投稿日:2024.03.22

  • ゴン

    ゴン

    気に入ったシリーズ物だったから買った一冊。

    マエ持ち2人組の話

    残念ながらシリーズ最後の小説だった。

    今まで支え合って生きてきた2人だが、地震をきっかけにそれぞれの道を進んでいく内容

    あらすじを読んでなんだか残念な感じで2人は離れて行くのかなとかいろいろ思ったが、今までの様な関係ではなくなるが、2人の繋がりはそのままって感じだったので良かった。

    この小説では地震の事が描かれていて、それが大きな出来事だったが、それ以外はそんなに大きな出来事もなく、2人の日常が描かれていてそれが実際にいる2人を描いている様感じがしてそれが良かった。

    地震の事は作者が体験した事をそのまま組み入れているのでリアルでした。
    今は北陸地方が地震の被害にあり改めて地震の怖さを感じた。

    このシリーズをもう少し読みたかったので終わるのは残念な気持ちもあるが、このラストで良かったとも思った小説でした。
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    投稿日:2024.01.31

  • すよ

    すよ

    何故か東北地震のときだけすごくリアルな書き方なので驚いたけど、本当に経験されたとは。
    新しく彼氏で来たりあやさんと距離ができたり。かなり動きの多い内容だった。

    投稿日:2023.10.11

  • こにゃ

    こにゃ

    ハコちゃん綾さんシリーズ3弾。
    読み進めるにつれて、面白くなった。
    1冊目は、なんかはこれという展開もなく、淡々と読んだ感じだったけど、2冊目は、地味ながらもいろんな事件?が起こって引き込まれた。
    れで3冊目は、震災の話が出てくるなんて予想外でら、しかも超リアルだと思ったら、実体験を元にかかれていたかとは…

    説得力の違う表現に引き込まれたのも、もちろんだけど、それでも、そこからの南くんの登場がなんとも言えず切なさが増して、良かったなぁ。

    綾さんの最後の告白や、ニコイチだった2人が
    それぞれに想い合いながらも、別の人生を辿っていく結末だけど、なんとも暖かな読後感だった。
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    投稿日:2023.05.28

  • yappinkun

    yappinkun

    マエ持ち女二人組シリーズ最終巻。連作短編集。
    過去に背負ってしまった罪を背負い、二人は本当の意味で再生に向けて、それぞれの道を歩き始める。
    それにしても、罪を償うということ、命の重さを強く感じました。まさか、あの大きなイベントが関係するとは。続きを読む

    投稿日:2022.11.09

  • ブーレ

    ブーレ

    1巻目がとても優しい小説で、2巻目もそれを期待して読んだ。その概念は踏襲されているが、東日本大震災の渦に巻かれてしまい、それが非常に細かく描かれているところがなんとも強い印象を残してくれた。
    巻末の解説に、それは作者自身の体験であることが綴られているので納得。
    ただそれが起こったがゆえで、前半で起こっていたちょっとした事件について少し中途半端になってしまっているかもしれない。
    続きを読む

    投稿日:2022.05.07

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