【感想】マーケティングの嘘―団塊シニアと子育てママの真実―

辻中俊樹, 櫻井光行 / 新潮新書
(13件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • tam06

    tam06

    ・シニア層の特徴を「義務と責任からの解放」と捉えると年齢で分類できない。
    ・人間の生活行動のほとんどは無意識に行われる→購買理由はほとんどが「何となく」だ
    ・仮説を検証する定量調査には意味があるが、商品が売れない、広告が効かないと悩むマーケターにとっては検証に値する「仮説」を発見、創造するほうがよほど大事だ。
    ・習慣になっている行動は大きな需要が期待できることは言うまでもない。
    ・生活者の気付きを得ていくための当たりをつけるのに、生活者二次データは意味を持つ。
    ・出産、子育てというライフステージの転換が、コーヒー飲用の習慣化を促している。
     育児中のママの「一区切り」にコーヒー飲用の習慣が定着している
     「リラックス」と同時に「リフレッシュ」「ウォームアップ」「エンカレッジ」効果を求める
    ・シニアがよく歩き、散歩を好むのは、こんな自然の運行リズムを感じ始めるから。
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    投稿日:2018.12.09

  • japapizza

    japapizza

    入社以来BtoBの世界に身を置いてきたが、今年の1月から初めてBtoCを対象とすることになった。今まで、BtoBとBtoCの一番の違いは、顧客がそこにいるかどうかだと思う。法人営業は、お客さまが意識しているかどうかは別にしてもお客さまが置かれている状況を見たり聴いたりすることができるが、BtoCの世界では全てのお客さまに同様のことをすることができない。顧客像をいかに掴むかが真の課題である。ということで、1月からマーケティングのお勉強をやり直している。
    顧客像を掴むという課題について、これまた著書は多いのだが、たまたま書店で見つけた本書は、新書でありながら、得ることが多かった。(というかBtoCの世界では常識なのかもしれないけど。)
    IYの鈴木氏も「数字だけを見るのと、数字の向こうに顧客の心理を読むのとでは、対応が違ってくる。」と言っているが、本書では、マーケティング「都市伝説」がひとりひとりの生活者日記調査によって間違っていることを示した上で、「一人の生活者をできる限り丸ごと把握することによって先入観にとらわれることなく、定量調査やグループインタビューだけでは見えてこない気づきが発見できる」としている。そして「生活シーンはTPOPPの五つの要素(T=TIME(いつ)、P=PLACE(どこで)、O=OCCASION(どのような事情で)、P=PSYCHOLOGY(どのような気持ちで)、P=PRODUCT(どのような商品を使って))に分解でき」、「具体的な生活シーンの中で、商品がどのように現れるのか、人は商品からどのような価値を受け取っているのか、人と商品の関係を明らかにすることが、気づきを導き出す。それはしばしば本人も言語化できていない気づきである。」
    「実家の減築?とんでもない!」の一節はなるほどと思った。子供が独立してしまった後、空っぽになった大きなサイズの住まいをリストラして、もっとコンパクトな住まいへと住み替えていくのは理屈には叶うのだが、「女系を縦糸にした三世代の近接連鎖という実態をみていれば、実家のダウンサイズが将来の主流になるはずもないことは一目瞭然だった」と言っている。
    このように、ありそうなマーケティング「都市伝説」に騙されないよう、日々精進していかなければ。
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    投稿日:2018.10.08

  • aya00226

    aya00226

    定量調査でなく、生活日記調査。
    A3一枚で24時間メモリ。TPOと、気持ち、道具などのプロダクトを記入する。

    シニア層とポストマタニティ層。

    通過型市場=女子高生、妊婦、ターゲットが入れ替わるため今までの実績がモノを言わない=新規参入のチャンスあり。

    定量調査の限界
    選択肢が不正確、回答者はウソをつく、心理的合理化(ありそうな答えを言う)、調査できるのはわかっていることだけ。社内稟議には使える。

    東京移民物語、集団就職の人たちが郊外に家を買った。

    包丁よりもクックパッド。ピラー、スライサー。

    ルクーぜのホーロー鍋。クルーゼのココット・ロンド。ティファール。

    団塊世代は全共闘世代ではない。全共闘はその後。80年代に入って集団就職が減少、地元化。

    母親を中心とした三世代近接。
    実家の減築もない。三世代のための住宅。
    シングルのミックス=ミングル。
    濡れ落ち葉はもはや死語。
    男性一人のためのカフェ。

    53週ではなく、24節気で生活する。

    「クロワッサンで朝食を」フランス映画

    生活日記交流サイト
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    投稿日:2017.07.31

  • にゃんこ

    にゃんこ

    マーケティングには定量調査より、ひとりのサンプル調査のほうが効果が大きい、ということを、この本は言いたいはずなのですが、なんだか今どきの乳幼児を抱える母親とその上のシニア世代はこんなライフスタイルですよ~の話のほうが比重が大きすぎて、この本の目的は達しているのかちょっと心配。でも、今どきのママさんとシニア世代をものすごくよく理解されているなと思いました。あ、そういう意味ではサンプル調査の効果をうまく表しているともいえるのかな。
    今どきママはちゃんと料理してますよ。で、けっこう健康的な和食ですよ。子ども好みではありますが。
    あと、シニア世代の食事は二十四節気と七十二候がキーワードというのはかなりうなずけます。
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    投稿日:2016.05.14

  • nzkumagorou

    nzkumagorou

    著者がなんだか怒っている調子の本。

    怒りの源泉は、web調査だらけのマーケティング・リサーチに、定性調査のエキスパートとして忸怩たる思いがあるのかしら、、、という感じ。

    実務でマーケティング・リサーチに携わるものとしては、両方ともに大事。定性調査で初期仮説を確認し、仮説をかため、定量調査で仮説検証する。その両輪があってはじめて、ものがいえると考える。

    だけど、著者はなんだか定量調査に対し、反感をもっているように感じる。

    しかも、この本はシニアと若いママだけに絞り、一部のマーケターが言っている消費者像を「ほら、違うだろ!」と言い募っているだけ。

    この本に書いてあることは、日記調査などという面倒なことをしなくても、普通に生活をし、いろいろな人と会話をしていれば浮かび上がってくること。

    しかも、著者の数字やグラフの読み方がなっていないので、この日記調査からの読み込みもイマイチな感じがする。

    そうそう、そもそも1週間もの日記調査に協力する時点で、普通の生活者ではない。エスノグラフィーだというならば、もっと長期間、張り付くくらいに観察しないといけないし、もっとエクストリームユーザに聞かないと意味が無い。

    だから、なんとも中途半端な本だし、定性調査も含めて「マーケティングの嘘」と言われかねない本だなあと思いました。
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    投稿日:2016.02.02

  • y_doka

    y_doka

    そうなんだよね。いくら大規模にとったとしても、自己申告式のアンケートってあんま信用できなくて、だからたとえ数人でもじ~っくりと観察する方が企画として良いデータが手に入るというのはその通り。
    ただそれはそれで、「誰かに報告しなきゃ」という意識が入って歪んじゃうという弊害はあるんだけど。続きを読む

    投稿日:2015.12.27

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