【感想】アメリカン・スナイパー クリス・カイルの伝説と真実

マイケル・J・ムーニー, 有澤真庭 / 竹書房文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

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  • 映画や自伝とは違った第三者の瞳

    第三者が取材して描いた作品であるが故に、映画や自伝のような迫真性は無いものの印象的なインタビューを織り交ぜながら、一人の人物の一生を織り上げていくような緻密さを感じられました。
    映画を先に見たので結末は分かっていましたが、英雄とまで呼ばれた人間もやはり死ぬときは死ぬのだと思うと言いようのない倦怠感を感じます。
    戦場が心身に及ぼす影響などというものは一般の日本人には無縁なものです。ほとんどの自衛隊員にさえ無縁なものでしょう。
    フィクションや歴史上の戦いは胸躍るものがありますが、現実は悲惨です。PTSD、身体への障害、そしてその絶望を感じる戦場の勇士に常に手を差し伸べたというクリス・カイルという一人格は尊敬されるに値するものでしょう。
    作品もモデルも素晴らしいものです。現実は時に小説よりも奇なものですね。
    星5つ。
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    投稿日:2015.08.14

  • 伝説のスナイパーは、一体アメリカに何を残したのか?

    アメリカン・スナイパーで時の人となり、衝撃的な最後を迎えたクリス・カイル。
    追悼集会には一万人以上の参列者が集まり、3000キロにも及ぶ葬列では沿道に
    人々が押し寄せ、旗を振り、敬礼をする。
    なぜアメリカ国内で人々を引きつけていたのか?
    周辺者の証言から、彼は人を楽しませることが好きで、自分が納得いかないことに対しては
    歯に衣着せぬ言動をする。
    911以降のアメリカの閉塞感を打ち破った彼の活躍や人柄に多くの人が引きつけたのだと実感する。

    しかし、妻であるタナの言葉からあるように彼を理想化しないで欲しいという願いは、
    お墓がアーリントン国立墓地ではなく故郷であるオースティンのテキサス州立墓地にあるように
    『クリスカイル』として覚えていて欲しいと思いが伝わってくる。
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    投稿日:2015.06.30

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