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ジョン・ディクスン・カー, 大庭忠男 / ハヤカワ・ミステリ文庫 (1件のレビュー)
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総合評価:
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Tetchy
このレビューはネタバレを含みます
読後の今になってこの題名の示唆する意味が仄かに立ち上って来て、カーもなかなかやるな、とちょっと心地良い余韻に浸っている。前回読んだ『疑惑の影』のようにこちらも毒殺物だが、それに加え、密室の中で重い石の棺が独りでに開くというクイズみたいな謎があり、カーの味付があちらよりも濃い。 事件は小粒だが、今回はヒステリー症という病例を上手くトリックに盛り込み、物語に二面性を持たせているところを高く買う。 こういう一見、何の変哲もなさそうな事件なのに何かがおかしいというテイストがセイヤーズを髣髴とさせており、カーの中でもちょっと珍しい部類に入る。しかもこれが冒頭述べたようにこの謎めいた題名の意味を徐々に腑に落ちさせる所もカーらしくなく、手際が良い。 二番目の石の棺が自然に持ち上がるトリックは大方予想がついた。昨今の推理マンガによく取り上げられる類いのもので、ある意味、このマンガの原作者のルーツかもしれない。 途切れがちな読書であったが、それなりに愉しめた。 云いなおせば、通常であれば星4ツ物であったかもしれない。読んでいる最中は結構キツイ所もあったが。 じわじわ来るこの読書の悦楽が僕にそう思わせる。
投稿日:2021.01.27
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