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平山瑞穂 / 新潮文庫 (40件のレビュー)
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ちんあなご
主人公の初恋の相手・織部あずさは何の脈絡もなく、突如として姿を消す特異体質とも言えるような性質を持っていた。彼女の意思に反して消えてしまい、周りの記憶からも存在自体が抹消されてしまう。あらゆる記憶媒体…に残すなどして、なんとか彼女をこの世に留めようと運命に抗う。 ——— どうやら平山瑞穂という作家は、一作ごとに作風を大胆に変えることで有名らしい。それもあってか、初めて読んだ同著の作品「あの日の僕らにさよなら」とは、まったく違う印象を受けた。本作は、ライトノベルかのように文体がとても軽やかだったので読みやすかったものの、起伏のないストーリー展開に少し退屈さを感じてしまった。 読み終える寸前までは二点で考えていたが、最後のビデオテープに吹き込まれた人生の有限性を訴えるセリフが心に響いたので三点にした。続きを読む
投稿日:2024.03.16
ひーぽん
ストーリーは面白いのに、なかなか読み進められませんでした。そんなに文量はないので、著者さんの作品は初めてだったので、読み慣れていなかったからかなぁと思います。 中盤から終盤が、同じような話の繰り返し…のように感じられました。もう少し決定的なシーンとか台詞があって、2人の結びつきが感じられればよかったかな、と。 違う表現で、このストーリーをもう一度読んでみたい 続きを読む
投稿日:2022.07.13
cidenon
ストーリーは悪くないのだが、文章表現があまり好きになれない。 「忘れたくないのに忘れてしまう」というような表現が繰り返し出てきてくどい。 たしかに序盤と終盤ではその気持ちの重さは大きく違うとは思うのだ…が、何か違う表現方法で切なさを描くことはできなかったものか。 主人公とあずさの関係性があまり変化していないように見えることも問題。 あずさが消えないように何かしようとするも何もできず、かといって思い出を残そうという方向にも行かない。 そういうわけで、印象に残ったシーンがない。 最後のあずさからのメッセージも、それまで何かに打ち込んでいたり、何かを諦めた描写もないのに、あんなことを言われても・・・・・・と思ってしまう。 バイトをいろいろやっていた理由も、最初に話した時に話せばよかったのに。 あまりあずさの心の中を知ることができなかったのが残念。続きを読む
投稿日:2020.10.07
さくら
あらすじ:自分の存在が人の記憶から消される女の子にある男の子は一目惚れをする。その事実を知った男の子はその女の子の存在をなんとか記憶に食い止めようと色々な努力をする…。 感想:現実的ではないお話で、…少し物足りないような気がする。続きを読む
投稿日:2019.01.20
みずいろゆきだるま
このレビューはネタバレを含みます
存在が「消える」という不思議な現象が彼女の身に起きている。単に姿かたちが消えるだけでなく、彼女の記憶ごと世界から消え、忘れ去られてしまう。 その運命を静かに受け入れようとする彼女と、そんな彼女と出会い、惹かれ、彼女を忘れないと誓う主人公の僕。 非現実的な設定ですが、その現象がなぜ起こっているのかという理由や説明は全く必要性を感じません。 死とは違うやりきれなさ。 どんなに大切なことでも、どれだけ相手を想っても記憶は消えるという選択肢しかない。不条理な運命に抗う主人公の必死さがせつない。 こうした現象がなくとも、大切で大事な記憶も時間が経つとどんどん曖昧になっていく。忘れたくない記憶、忘れてしまう記憶、どうしようもない事実についても考えさせられた。
投稿日:2017.08.16
taka1014
『なんていうか、弱みを握られている安心感っていうのがあるのかな。変な言い方かもしれないけど。ほっとするんだ』 『本当にやりたいこと。ぼくにとって、それは何なのだろう?今まで、それを真剣に考えたことが…一度でもあっただろうか。〜〜何がしたいかを本気で考える前にどうせ無理だろうと決めつけて、自分で道を狭めていはしなかったか。』続きを読む
投稿日:2016.12.14
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